シュワルツェル優勝、松山がローアマ=マスターズゴルフ最終日

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昨年優勝のフィル・ミケルソン(後方)からグリーンジャケットを着せてもらうカール・シュワルツェル=オーガスタ・ナショナルGC 【共同】

 米男子ゴルフの今季メジャー第1戦、マスターズ・トーナメント(米国オーガスタ・ナショナルGC)は現地時間10日、最終日を迎え、カール・シュワルツェル(南アフリカ)が逆転でマスターズ初優勝を飾った。

 史上もっとも見応えのあるサンデーバックナイン。オーガスタの杜(もり)にはあちこちでパトロン(ギャラリー)の地鳴りのような歓声がこだまし、誰が勝ってもおかしくない混戦模様が繰り広げられた。そんな中、栄冠に輝いたのは上がり4ホール連続バーディーを奪ったシュワルツェルだった。

 最終18番、6メートルのバーディーパットを絶妙なタッチでねじ込んだシュワルツェルは、ここ22年で優勝者としては最も良い最終日のスコアとなる6アンダー66をマークし、アダム・スコットとジェイソン・デイ、2人の豪州勢に2打差をつけ、26歳にして初メジャーの栄冠に輝いた。

 最終日は、タイガー・ウッズ(米国)が前半猛チャージを繰り広げ、21歳での年少優勝を狙ったロリー・マキロイ(北アイルランド)との7打差を一気に詰めてリーダーボードを駆け上がると、一時首位に並びかける場面も。

 一方完全優勝を狙ったマキロイは、10番パー4でティショットを右の林の奥に打ち込みトリプルボギーをたたいて戦意喪失。11番ボギー、12番で4パットのダブルボギーをたたいたときには、頭を抱えてショックに耐えるしかなかった。結局最終日に8オーバー80をたたいたマキロイは、通算4アンダー、15位タイで終戦。その間、スコット、デイ、一時はルーク・ドナルド(英国/通算10アンダー、4位タイ)やアンヘル・カブレラ(アルゼンチン/通算9アンダー、7位)ら8人もの選手が入れ代わり立ち代わり首位に立った。
 
 しかしノーマークだったシュワルツェルが15番からバーディーラッシュ。17番で頭ひとつ抜け出すと、18番のバーディーでスコットとデイに2打差(通算14アンダー)をつけてホールアウト。あと1組を残して優勝を確実にした。

「とてもエキサイティングな1日だった。コースのあちこちに大きな歓声がこだまし、それはそれは素晴らしい雰囲気だった。劇的だった」と喜びを口にしたシュワルツェル。
 南アフリカの選手としては、昨年全英オープンでやはり20代のルイ・ウェストヘーゼンがメジャーを制しており、アーニー・エルス、レティーフ・グーセンらに続く若い世代が着実に育っていることを世界にアピールした格好となった。

 日本勢は3度目の挑戦で初の決勝ラウンド進出を決めた石川遼が、この日2番でイーグル奪取に成功するなどハツラツプレイを披露。課題の上がり2ホールで連続バーディーを奪って2アンダー70でホールアウトすると「ようやく最後になって楽しめた」とホッとした表情に。通算3アンダー、20位タイで4日間の競技を終えた。

 またアマチュアではただひとり決勝ラウンドに駒を進めた松山英樹も健闘。最終ホールをバーディーで締めくくり、パトロンからスタンディングオベーションを受け「ゾクゾクしました。気持ち良かったです」と満面の笑み。スコアを2つ落としたが、通算1アンダーでフィル・ミケルソン(米国)らと並ぶ27位タイに入り、ローアマのタイトルに花を添えた。

<了>
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