東海大相模が成功した“イメージ戦略”=タジケンのセンバツリポート2011 第12日
高い走塁への意識を生み出す練習
東海大相模が佐藤(右)、近藤らの活躍で11年ぶり2度目の優勝を果たした 【写真は共同】
また、二塁走者がシングルヒットで本塁を取る走塁も徹底。単打での二塁から本塁へのタイムはほぼ全国レベルの7秒以内をクリアした(抜けたのを見てスタートした1度を除く)。
タイム
臼田 6秒25(対関西高、前進守備のためリードかなり大)
臼田 6秒86(対大垣日大高)
田中 7秒06(対履正社高)
田中 6秒89(対九州国際大付高)
練習ではインパクトに合わせてスタートするための“イメージ練習”を取り入れている。リードを取り、ボールを持った係がボールを上に上げ、捕ったらバック、落としたらゴーという反応練習。これを毎日行い動きを覚え、実戦での判断力を養う。「あの練習は試合に直結していると思います」(菅野剛士)
「相模の足はすごい」と思わせてストレートを狙い打つ
3試合でチーム打率2割2分8厘しか打てなかった加古川北高が積極的な走塁で2勝を挙げたように、走塁への意識があれば、少ない安打でも点が取れる。安打数と得点の差をいかに少なくするか。それは走塁技術と意識にかかっているといっても過言ではない。
史上初の1試合2満塁本塁打、大会通算塁打113、大会通算安打74の新記録をマークした打線ばかりが注目されるが、東海大相模高の武器は足。毎試合果敢に走り、試合前から足を警戒させる。序盤から仕掛けて、重圧をかける。「相模の足はすごい」と相手に印象づけたところでストレートを狙って打つ。塁に出れば“アグレッシブ・ベースボール”のテーマ通り、次の塁を積極的に狙う。機動力と攻める姿勢が生んだ攻撃力。
「東海大相模高=足」
イメージ戦略で勝ち取った優勝だった。
<了>