女子プロレスの星となるか、新団体「スターダム」が旗揚げ

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風香(後列右)プロデュースの女子プロレス新団体「スターダム」が旗揚げ 【前島康人】

 女子プロレスの新団体「スターダム」が23日、東京・新木場1stリングで旗揚げ興行を開催した。元アイドルレスラー・風香のもとに集まった美闘陽子、世IV虎(よしこ)ら新人選手6名(キッズ含む)がデビュー。2010年プロレス大賞女子部門MVPの高橋奈苗、格闘技界No.1美女ファイター・長野美香、そしてバスト100センチのHカップグラビアアイドル・愛川ゆず季らも大熱戦を繰り広げ、立ち見客であふれるくらいの超満員に膨れ上がった466人のファンの前で、女子プロレス界の新たな歴史の第一歩を踏みしめた。

 メーンイベントでは早くもライバル心をムキ出しにする美闘、世IV虎が、まだまだ荒削りながらもフレッシュなファイトを見せ、風香、奈苗も「感動した」と合格点。一方、大会ベストバウトだったのは、やはりキャリアのある奈苗、夏樹がタッグ対決したオープニングマッチだったが、その中でも愛川はキラリと光る大奮闘。初勝利こそ挙げられなかったものの、奈苗が「デビュー2戦目とは思えない。脅威の存在であることに変わりない」と舌を巻くファイトを見せた。

 また、こちらもライバル同士の星輝ありさvs.岩谷麻優は互いの意地をぶつけ合うバチバチファイトでファンを魅了し、8歳の夢(はるか)も大人のマスクウーマンを相手に堂々の戦い。そして、長野はプロレスのシングルマッチ公式戦は初めてながらも、総合格闘技のムーブを取り入れたスタイルで17歳の須佐えりを圧倒。貫禄の腕十字で勝利を挙げた。

 昨年大みそかには大手団体だったNEOが10年の歴史に幕を下ろすなど、依然として厳しい風が吹く女子プロレス。このスターダムが文字通りの“希望の星”として、女子プロレス界に新たな旋風を巻き起こすか。

7.24後楽園へ向け風香「1つのピークを迎えられるように」

No.1の団体へ、女子プロレス界の希望の星となるか 【前島康人】

 スターダムは、昨年3月に惜しまれつつ引退した風香のもとに、プロレスデビューを志望して集まった女子レスラーの卵たちと、高橋奈苗、夏樹☆たいようのパッションレッド、さらに愛川ゆず季、長野美香も合流して生まれた新団体。風香はゼネラルマネージャーとなり、新人選手たちを育成、また団体をプロデュースする立場となった。

 緊張の旗揚げ戦を終え、“教え子”たちの船出を見守った風香は反省点を挙げながらも「いい形でメインを締めてくれました」と美闘、世IV虎に合格点。全試合終了後には、早くも7月24日に聖地・後楽園ホールに進出することを発表すると、「新人ばかりの団体で、すぐにはみなさんの期待に応えられないかもしれませんが、7月24日に1つのピークを迎えられるように頑張っていきたい」と、これからの抱負を語った。

 また、7.24後楽園が自身のデビュー15周年大会でもある奈苗は「個人の今持っている力をすべて出せたと思いますが、それでも“女子プロレスの1番”を目指すにはまだ足りないところもある」と、こちらも辛口評価。それでも「スターダムにしかない輝きがありますし、ここから勝負が始まっていく。明るくみんなの笑顔で進んでいけば、きっと階段を上がっていけると思います」と、目標としている女子プロNo.1団体への大きな可能性を感じ取っているコメントを残した。

風香2世アピールの美闘、世IV虎も将来性十分の予感

メーンではエース候補・美闘とヤンキーキャラ全開の世IV虎が、フレッシュな好ファイトで魅了 【前島康人】

 一方、記念すべきメーンイベントで勝利を挙げた“未来のエース候補”美闘陽子は、「すごく緊張して、なんて言ったらいいのか分からないんですが」と興奮冷めやらぬ様子だったが、「風香さん、奈苗さん、夏樹さんに教わりながら成長していきたい。まだまだですが、エースになれるように頑張ります」と、エースの自覚は十分。試合を決めた回転式二段蹴りは、風香の必殺キック『ドールF』を伝授されたものであり、美闘の頭文字をとって『ドールB』として昇華。風香の後継者として大きくアピールしたデビュー戦だった。

 対する世IV虎も、元ヤンキーのキャラを全開させ、早くもファンの心をガッチリとキャッチ。風香が「プロレスセンスは一番」と太鼓判を押していたように、試合の主導権を握っていたのは世IV虎の方だった。
 タックル連発からのヤンキー座りでフォール、セカンドロープからのド迫力のセントーンといった体格を生かした技から、胴絞めスリーパー、フロントネックロック、さらには器用に丸め込みを連発するなど、他の新人選手とはひと味違った引き出しの多さを披露。最後はカウンターのハイキックからドールBに沈んだが、将来性を期待できる逸材の登場を予感させるに十分の内容だった。

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