石川の“攻める姿勢”が分けた勝敗 男子ジュニアは丹羽が2連覇=全日本卓球

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松平・石川組は混合ダブルス決勝で敗れて連覇ならず 【スポーツナビ】

 卓球の日本選手権第4日は21日、東京体育館で混合ダブルス決勝などが行われ、2連覇を狙った松平健太(早大)石川佳純(ミキハウスJSC)組は、瀬山辰男・坂本夕佳(中大)組に7−11、8−11、7−11のストレートで敗れ、準優勝に終わった。

 また、男子ジュニア決勝では、丹羽孝希が吉田雅己(ともに青森山田高)を3−1で下し、2年連続の栄冠に輝いた。

 男子ダブルスでは、5連覇を狙う岸川聖也(スヴェンソン)水谷隼(明大)組らがベスト8入りを果たしたほか、女子シングルスで福原愛(ANA)、平野早矢香(ミキハウス)らが順当に準々決勝へ駒を進めている。

2連覇を逃した松平・石川組

試合後の会見では「自分の特徴が出なかった」と振り返った石川(左) 【スポーツナビ】

 大会4日目を迎え、女子シングルス2試合、女子ダブルス1試合、混合ダブルス準決勝、決勝の2試合の計5試合をこなした石川。
「休憩が15分くらいしかないので、ユニホームを着替えることで気持ちを切り替えていた」というほどタイトなスケジュールの中、石川は次から次へと行われる試合で勝ち星を重ねていった。

 特に混合ダブルス決勝の直前に行われた女子シングルス6回戦では、小西杏(フリー)を相手に熱戦を繰り広げた。「競り合う準備はしていた」との予想通り、激しい点の取り合いが続き、ともに譲らぬ緊迫した展開。そんな中でも、石川は引くことなく、自分を奮い立たせて積極的に攻撃を仕掛けた。「思い切って攻めたので、勝つことができたと思う」と自ら語るように、粘る小西の攻撃にリズムを奪われることなく、最後まで自分のプレーを貫いた。結局、セットカウント4−2(13−11、9−11、11−7、11−13、12−10、11−8)で勝利し、ベスト16入りを果たした。

 しかし、それから約30分後に行われた混合ダブルス決勝では、その“攻める姿勢”がすっかり影をひそめてしまった。2連覇のプレッシャーと疲れがそうさせたのか、松平・石川組は精彩を欠いたプレーが目立ち、無欲のまま勝ち上がってきた瀬山・坂本組に連続ポイントを許してしまう。
「自分たちの特徴が出なかった」(石川)、「相手に先に攻められてしまった」(松平)と、流れを引き寄せることができないまま、1セットも取れずに決勝の舞台を後にした。
 試合後の会見では、「1試合ごとにいいプレーが出ていたのに悔しい」とさえない表情で語った石川。しかし、「明日(22日)のシングルスは挑戦者の気持ちで後悔しない試合をしたい」と、すでにこの敗戦を糧に、翌日へ気持ちを切り替えているようだった。

丹羽「2連覇達成は自信になった」

丹羽は男子ジュニアシングルスで2連覇を達成 【スポーツナビ】

 そんな松平・石川組とともに今大会2連覇を目指していたのは、男子ジュニアシングルスの丹羽孝希だ。
 
 昨年、日本選手権でジュニア初優勝を飾ると、11月のアジア大会(中国・広州)では、松平とペアを組んだ男子ダブルスで銅メダルを獲得した。今大会、世界を経験した丹羽がどのようなプレーを見せてくれるのか、自然と注目が集まった。
 
 20日に行われた3回戦から順調に勝ち上がってきた丹羽が、準決勝で苦戦を強いられた。対戦相手の吉村真晴(野田学園高)は、昨年準々決勝で対戦した選手。その時は丹羽がストレート勝ちを収めたが、今回は丹羽自身が「今年の方がつらかった」と振り返るように、第5セットまでもつれ込んだ。「他校の選手とやると、受身になってしまった」と反省点を残したが、セットカウント3−2(11−8、9−11、11−1、7−11、11−8)で、決勝へ駒を進めた。

 準決勝とは対照的に、決勝では落ち着いた試合展開を見せた。相手は同じ青森山田高の吉田。世界ジュニア選手権でペアを組んでおり、丹羽にとっては「知りつくしてるからやりやすい」相手だった。第3セットを落とした時も「焦らず、それが当たり前だと思って戦った」と冷静に対処。吉田の追撃にもひるまず、2年連続で栄冠に輝いた。堂々とした態度で「2連覇できてうれしい。自信につながった」と話したが、「(優勝して)さっき両親に電話しました」と16歳のあどけない一面もそこにはあった。

 男子シングルスでも、5回戦に駒を進めている丹羽。“他校以外の年上の選手”との対戦で、どのようなプレーを見せてくれるのか、第5日以降も目が離せない。

<了>
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