NEO女子プロレスが旗揚げ10周年で解散=栗原は怒とうの裏投げで王者・田村破り2冠王に
今大会が解散興行となるNEO。メーンイベント終了後には、新旧NEO所属選手らがリングに上った 【前島康人】
メーンイベントでは今大会を最後に引退する田村欣子、タニー・マウス、宮崎有妃の同期3選手と、最後のNEO所属戦選手となった勇気彩、野崎渚、飯田美花による「NEO解散試合」が行われた。
解散試合は「幻の3カウント」で引き分け
「幻の3カウント」で終わった解散試合は、試合終了後、若手と引退する3人がそれぞれ抱き合って健闘をたたえた 【前島康人】
田村は全日本女子プロレスでの新人時代からエース候補として期待されており、ネオへ移籍後、NEO参加後はNWA認定女子パシフィック&NEO認定シングル王座初代王者に君臨。今大会まで12度の防衛に成功し、まさに女子プロ界のトップ選手であった。
タニーは京子にあこがれて全女に入門。京子の後を追ってネオに移籍し、NEOではブレーンとなって、数々の異色マッチをプロデュース。引退後はかねてから勉強中だった鍼灸師の道へ進む。
宮崎はJWPでデビューし、一度は引退しながらもJ’dで復帰。メキシコなど海外を渡り歩いた後、00年にNEOに入団。今年10月には男子レスラーに混じって蛍光灯デスマッチにもチャレンジした。
「NEO解散試合」は、選手たちがNEOのテーマ曲で入場。田村組がタニー&宮崎のNEOマシンガンズの持ち味を生かし、恒例の掛け合いや3人同時の恥ずかし固めで客席を盛り上げれば、若手チームはガムシャラに食らいつき、残り30秒を切ったところで勇気が3選手に次々とデスバレーボム。3人が同時にカバーに入った瞬間に10分時間切れのゴングが鳴らされるも、レフェリーがそのままカウントを続行。「幻の3カウント」によって、NEOの魂が若手選手に受け継がれた。
「N・E・O!」の掛け合いで歴史に幕
この大会で引退となる(左から)宮崎有妃、タニー・マウス、田村欣子は試合後笑顔で記念撮影 【前島康人】
「この四角いリングが本当に大好き。本当に輝けたと思う。また輝きを求めて旅に出たい」(田村)、「NEOがなければ自分はここまでプロレスを続けることもなかった。NEOがあったからこそ、プロレスが楽しいと気付いた。16年間支えていただき、本当に幸せでした」(タニー)、「今思えば、私はNEOに入るためにプロレスラーになったんじゃないかと思う。NEOの仲間がいたからこそ、この10年間やってこれた」(宮崎)と、それぞれが感謝の気持ちを伝え、引退の10カウントゴングへ。
最後の選手コールが行われると、宮崎には赤、タニーには黄色、田村には青の紙テープが投げ入れられ、リング上が3色に染まった。
続いて新旧NEO所属選手とファンによる「N・E・O!」の掛け合い、胴上げの後、3選手が騎馬に乗って退場。選手も観客も笑顔に包まれたまま、3選手の16年間のプロレス人生、そしてNEOの10年半の歴史に幕が降ろされた。