朱里、王座初挑戦は力及ばず 米山がV9達成 TAJIRIが「意地悪」宣言、華名に毒霧噴射!=SMASH

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健闘したSMASH女子エースの朱里(左)だったが、JWP王者・米山(右)の壁は越えられず 【t.SAKUMA】

 SMASHの2010年最終戦「ハプニングEve’」がクリスマス・イヴの24日、東京・新宿FACEで開催され、満員となる570人を動員した。
 今大会のメーンイベントでは、米山香織と朱里が一騎打ち。12.23JWP女子プロレスで米山が田村欣子との三冠統一戦を時間切れドローで終え、8度目防衛に成功したことで、この一戦がJWP認定無差別級王座戦となった。
 セミファイナルでは、来年以降の華名のSMASH参戦査定試合としてTAJIRIvs.華名のシングルマッチが行われた。

朱里「スターバックと試合をしたい」

ベルト奪取に失敗した朱里(下)だが、来年はさらなる成長を誓った 【t.SAKUMA】

 3.26旗揚げ戦(新宿FACE)の里村明衣子戦に始まり、6.25「SMASH.4」(新宿FACE)の華名戦を経て、女子プロレスラーとして大きな成長を遂げてきた朱里は、この試合が自身初のタイトルマッチ。
 メーンイベントを任され、「うれしいという気持ちがある反面、すごくプレッシャーを感じていました」と不安を抱えてリングに上がった朱里は、開始直後こそ相手の動きを警戒して慎重な立ち上がりだったものの、徐々にペースをつかんで攻勢に出ると、ハイキックやドロップキックを放つ。米山も王者の意地を見せ、エルボー合戦から朱里の髪をつかんでコーナーに追い詰め、顔面を踏みつける。
 両者ともにベルトへの熱い思いをぶつける戦いに、会場もヒートアップ。最後は米山が朱里のハイキックをかわして、ジャーマンスープレックスホールドでねじ伏せた。
 また、全試合終了後にはAKIRAがマイクを持ち、会場全員の「We are SMASH!」で今年最後の大会を締めた。

 前日に続く2日連続防衛により、無差別級の連続防衛記録を更新した米山は「記憶が飛んでしまって覚えていませんが、(腰に巻いた)ベルトが証明してくれています。これが朱里マジック! SMASH最高です!」と満面の笑みを見せた。

 試合後、ベルト奪取に失敗した朱里は肩を落としながら「今年最後のSMASHでしたが、勝って笑顔で締めくくることができませんでした。来年はもっと成長した姿で試合に臨みたいと思います」と力なく下を向いた。米山とのシングル戦については「チャンピオンだけあって強かった。来年もし対戦できるなら、いつも泣いているので、今度は必ず勝って笑顔を見せたい」とリベンジ宣言。
 激動の1年を戦い終え、2011年は今年以上に成長したいと語る朱里は「外国人選手や男性レスラーなど、もっといろいろな人と戦ってみたい。(フィンランドFCFの総帥)スターバックとも試合をしたいです」とさらなる飛躍を誓って一年を締めくくった。

TAJIRI「無差別に意地悪をしていきたい」

これも期待の裏返し、TAJIRI(奥)が華名にグリーンミストを噴射し“毒”を注入 【t.SAKUMA】

 朱里戦以降、女子プロレス改革のマニフェスト提唱など話題を集めた華名に対して、TAJIRIが「商品価値がなくなる。もはや賞味期限切れの女かもしれない」と発言したことで、21日の記者会見では華名の怒りが爆発。TAJIRIの顔面にビンタ、強烈ミドルキックを炸裂させた。

 リングに上がっても怒りを抑えられない華名は、鬼の表情でTAJIRIをにらみ付けながら、グラウンドの攻防を展開する。華名はドロップキック、ハイキックでTAJIRIを痛めつけるが、TAJIRIもハイキックで反撃すると、余裕の表情を見せながら華名を挑発。その後、両者は場外戦を繰り広げ、華名の攻勢が弱まったところでTAJIRIがバズソーキックを側頭部に打ち込み勝利を収めた。
 TAJIRIは、リング上で倒れている華名を中央に引き戻すと、めがねをかけてから顔面にグリーンミストを噴射。不適な笑みを浮かべながらリングを後にした。

 力の差を見せつけたTAJIRIは、試合後「『賞味期限切れの女』と言ったのはうそっぱちです。華名には期待していますが、毒気が足りないと思って毒を注入してあげました。これからは、無差別に意地悪をしていきたいと思います」と、華名の“本気”に期待してさらなる意地悪を宣言。「方向性は間違えないように」しながらも、今後の戦いに含みを持たせた。

 敗戦とTAJIRIの毒霧注入で怒り心頭の華名は「ふざけてんじゃねえ! どれだけブーイングを浴びても、こっちも無差別でやってやるよ」と激怒。TAJIRIに対して「仲間を連れてくるから」と新たな刺客の参戦も示唆しながら、鋭い目付きをTAJIRIに向け、復讐を予感させた。

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