日本女子、全勝で2次ラウンドへ 前回銅のセルビアに勝利=世界バレー戦評

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日本、前回銅メダルのセルビアに勝利! 写真は左から時計回りに、井上、山口、竹下、井野、佐野、木村=3日、東京・代々木第一体育館 【坂本清】

 バレーボールの女子世界選手権第5日は3日、東京・代々木第一体育館などで1次ラウンドの最終戦を行い、グループAで世界ランク5位の日本は、同9位で前回銅メダル(※)のセルビアとの全勝対決を3−1(28−26、29−27、18−25、27−25)で制し、1次ラウンドを全勝で突破した。
※セルビア・モンテネグロ代表としての成績。

 2次ラウンドは6日から、代々木第一体育館と日本ガイシホール(愛知県名古屋市)で行われる。

日本vs.セルビア

試合日:2010年11月3日(水)

スコア詳細:
日本 3−1 セルビア
(28−26、29−27、18−25、27−25)

日本のスターティングメンバー(第1セットのみ):
│竹下佳江│山本 愛│江畑幸子│
│木村沙織│井上香織│山口 舞│
リベロ:佐野優子
戦評(日本バレーボール協会提供):
「火の鳥NIPPON」が集中力を切らさず拾いまくり、そして攻めの姿勢を崩さず強豪セルビアに粘り勝ち、5戦全勝で第1次ラウンドを突破した。

 勝因は、何と言っても最後まであきらめない精神力だろう。真鍋政義監督がミーティングで「絶対に全勝」を誓い合い、選手たちもその言葉に応えて奮起。その気持ちが第1セットから現れた。
 初戦と第2戦と同じ先発メンバーで臨んだ日本。190センチ台の選手をそろえたセルビアの高さのある攻撃、ブロックは戦前の予想通り。そして守りが意外に堅かったこともあり、日本のサーブが今ひとつで苦しんだ。一進一退を繰り返し、22−24と先にセットポイントを奪われたが、デュースから最後は相手のスパイクミスと頼りになる木村沙織の強打で28−26と振り切った。
 第2セットも激しい競り合いが続いた。セルビアの絶対的エースのエレーナ・ニコリッチが好調で、ブロックのはるか上から放つスパイクにはお手上げだったが、リベロの佐野優子を中心によく拾い、木村、江畑幸子のバックアタック、フェイント、井上香織のブロックに結びつけた。このセットもデュースとなり、相手に4度のセットポイントを与えながら、26−27から木村、江畑のレフトからの強打、そして最後は井上の連続サービスエースで2セット連取。
 第3セットの日本は課題のレシーブが乱れて、なかなかリズムに乗れない。逆にセルビアの高さに圧倒されて終始劣勢に立たされ18−25で落とした。
勝負に対しての執念は日本の方が上回り、第4セットも激しいラリーの応酬で見応えのある展開。このセットは井上のブロックがよく決まり、セルビアの攻撃陣もうんざりした表情を度々見せていたほど。16−11と優位に立った日本だったが、勝ちをあせったか、名手竹下佳江のトスミス、江畑のスパイクミスなどで16−16。その後もシーソーゲームが続き、先に22−24とセットポイントを奪われた。ここから木村がエースの意地を見せつけ強打を連発。25−25から木村のスパイク、ニコリッチのスパイクミスでゲームセット。

 この試合、特筆すべきは高さが自慢のセルビアを上回る12点のブロックポイントを挙げたこと。そして奪った3セットはすべて先にセットポイントを取られ、粘って逆転したこと。この健闘は第2次ラウンド以降にも必ず活きてくるはずだ。

■真鍋政義 全日本女子監督

 選手がよく集中力を切らさず戦ってくれた。次のラウンドは強豪ばかりだからこの勝利で勢いがつけばいい。最高の形で第2次ラウンドにいける。平均身長でかなりの差があるチームと戦ったが、拾いまくるバレーでしのいだ。目には見えないだろうが、セッター・竹下とリベロ・佐野の存在が光った。好トスと守りで大活躍をしてくれた。

■ゾラン・テルジッチ セルビア監督
 長い第1次ラウンドだった。今夜は自分たちのチームなりにいいプレーができたと思う。勝敗を分けたのはやはり、我々の簡単なミスからだった。特に1セット目はレシーブなどのミスが多すぎた。全体を通してパフォーマンスには満足している。


<了>
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