ウオッカ引退を発表、史上最多タイJRA・GI7勝の名牝
今後はアイルランドで繁殖、3年後に2世デビューへ
アイルランドで繁殖生活に――初年度の相手は世界的名馬シーザスターズが予定されている 【スポーツナビ】
最後の目標戦を前にした無念の引退に、角居調教師は「引っ掛かりがないわけじゃありませんが」と前置きしつつ、「でも、まだまだやることがあるんだ、次の馬で頑張れと、最後の最後にウオッカが課題を残して旅立ってくれたのかもしれません」と前を向く。
そして競馬ファンに、こうメッセージを送った。
「もう1度、ファンのみなさんに強いウオッカを見せられたらという強い思いがあり、ドバイを目指したわけですが……。これからはいいお母さんになってくれると思いますし、その子供たちもいっしょに応援してください」
今後ウオッカは日本に戻らず、しばらくアイルランドに滞在し繁殖生活に入る。
初年度の交配相手はシーザスターズ。昨年、英国ダービーと英国2000ギニーの二冠を20年ぶりに達成し、秋には世界一の芝レースと言われるフランスの凱旋門賞も制覇。通算GI6勝を挙げ、09年度の欧州カルティエ賞年度代表馬に選ばれた2000年代を代表する世界的名馬だ。
順調にいけば、欧州が誇る2000年代最強の名馬と日本競馬界最高のヒロインの血を受け継ぐウオッカ2世は、3年後にデビューする。その時、海外GI制覇の悲願を子供たちに託したウオッカ物語第2章が幕を開けるだろう。
ウオッカとのコンビでGI3勝、武豊「子供にも乗りたい」
「本当にお疲れ様でした」08年3月からコンビを組んだ武豊も名牝の引退を惜しんだ 【スポーツナビ】
武豊自身、ウオッカとのコンビで08年GI天皇賞・秋、09年GIヴィクトリアマイル、GI安田記念と、GIレースで3勝。「たくさんGIを獲らせてもらった馬だし、素晴らしい馬でした」と振り返り、「ここ数年ずっと、日本の競馬界を引っ張ってきた馬。本当にお疲れさまでした」と名牝をねぎらった。
順調に行けば、ウオッカ2世は3年後にデビュー。「チャンスがあれば、もちろんウオッカの子供たちに乗ってみたいですね」と、日本競馬史を代表するヒロインの血を引く2世たちとのコンビ結成に思いをはせていた。