クルム伊達が14年ぶりに代表復帰!=テニス・フェド杯

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全豪オープンテニスでは1回戦敗退となったクルム伊達公子。14年ぶりに日本代表復帰したクルム伊達のフェド杯での活躍が期待される 【Photo:AP/アフロ】

「昨年のポーランド戦のことは今でも思い出す」。
 悔しさは8カ月が経過しても、少しも消えることはない。晴らすには再びワールドグループIIへと戻るしか道はないだろう。

 2月3日からマレーシア・クアラルンプールのナショナル・テニス・センターで開催されるフェド杯のアジア・オセアニアゾーン・グループIを戦うチームジャパン。大会を直前に控え、新チームのメンバー選考、日本代表に14年ぶりに復帰したクルム伊達公子(エステティックTBC)について、そして決戦への心構えを日本代表監督である村上武資氏に聞いた。

シングルスもダブルスも戦える選手を選出

――完全に新しいチームになったという印象ですが、どんな点を重視してメンバー選考をしましたか

 そうですね。ポーランド戦にいた4人のうち、大黒柱だった杉山愛と森上亜希子が完全に引退してしまいました。もちろん分かっていたことではありましたが。しかし、二人の穴を埋めようという発想はなくて。日本代表としてフェド杯に臨むわけですから、自分が考えるベストな4人で戦おうというのが根本にありました。たくさんの選手の中から、一番強いチームを作る、選手をそこから選出していくというのが僕の役目だと思っています。

――では現状のベストメンバーを選んだ?

 そうです。ただ、それでは「現状のベストメンバー」というのは誰か、ということですね。シングルスだけでなく、できるだけいろいろなバリエーションを考えたときに、4人ともシングルスもダブルスも戦える選手、どんな状況でも対応できるメンバーということを考えました。その中でこの4人がぱっと頭に浮かんできました。

――ダブルスはこのペアというのはイメージしていますか

 クルム伊達、藤原(里華/北日本物産)のダブルスというのは現在、日本でナンバーワンだと思いますので、それがベースにあります。ただ、今回のアジア/オセアニアゾーンは1カ国とだけ戦うわけではありません。クルム伊達もアジア予選を戦うというのは初めてのことですから。そういう意味では、クルム伊達/藤原というのがベースにありながら、クルム伊達/森田(あゆみ/キヤノン)ということもあるかもしれないですし、森田/藤原ということもあるかもしれない。特にシングルス2試合の後にすぐダブルスが始まります。2試合目とダブルスの間は30分くらいの休みしかないでしょうから。直前にシングルスを戦った選手が果たしてダブルスに使えるのか。そういったいろいろな状況を想定しておかなければなりません。

――今回、瀬間友里加(ピーチジョン)選手が初めてメンバーに選出されました。どういった使い方を考えていますか

 瀬間は、シングルスに出場する可能性がありますね。ただ、バックアップという考え方はしていません。瀬間だけではなく、とにかく今度の戦いは総力戦になると思うのです。4人全員が必ず出場することになると思いますし、そのつもりで準備をしてほしいということを伝えています。

――ベストメンバーというのは、対戦国を考えての選考ではないということですか

 そうですね。相手を考えてとはいっても、ワールドグループのように戦う相手が一つに絞られているわけではありませんから。今回はまずは3カ国、そしてグループを突破できれば4カ国と戦わなければなりません。だから、そういう意味では本当にチーム力が問われると思います。この二人がシングルスで、この二人はダブルス、という固定メンバーというイメージではないですね。

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著者プロフィール

1970年創刊の最も長い歴史を誇るテニス専門誌。国内トップクラスのコーチ陣が解説する技術特集は、上級者からビギナーまで全てのプレーヤーにとって、上達のヒントが散りばめられている。グランドスラム4大会をはじめ、試合報道が充実しているのも特徴。

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