カウントダウンプロレスに2010人が熱狂=天下三分の計

高木裕美

大みそか恒例の年越しプロレスは108人参加の空前バトルロイヤルでハッピーニューイヤー! 【前島康人】

 大日本プロレス、DDTプロレスリング、KAIENTAI−DOJOの3団体共催による「天下三分の計 大晦日年越しスペシャル」が31日から新年にかけて東京・後楽園ホールで開催され、超満員となる2010人を動員した。

 カウントダウンプロレスは06年に「インディーサミット」としてスタートし、07年、08年は「プロレスサミット」としてメジャー団体も参加。そして今年は3団体による共同開催として行われた。

 この日は大みそかの19時45分からダークマッチがスタートし、全試合が終了したのは年明け後の午前1時過ぎ。実に5時間以上に及ぶロングバトルとなった。

年越しランブルに豪華ゲストが参戦

TAJIRI(右)vs.葛西の豪華顔合わせも実現! 【前島康人】

 年越しの瞬間を迎えたのは史上空前となる108人参加の年越しランブル中。23時22分に1人目となる真霜拳號が登場し、その後は45秒置きに1人ずつ入場した。しかし、カウントダウンを行うため、23時59分に48人目の大黒坊弁慶が入場した時点で一旦試合をストップ。選手たちがリングに集合して観客と共に全員でカウントダウンを行った後、即座に試合再開という実にあわただしい年越しとなった。

 3団体の所属選手数を超える108人というレスラーを集めるため、千葉や横浜限定のコアなマスクマンも多数登場する中、一番のサプライズとなったのは77番目に登場したTAJIRI。大日本から世界のWWEへと羽ばたいたTAJIRIは、現在の大日本のトップに立つBJWデスマッチヘビー級王者の宮本裕向とハンドスプリングエルボー対決を繰り広げると、さらに、同じく元WWEのTAKAみちのくと結託し、合体エルボーでツョーン・マイケルズを襲撃。まさかのスーパースター対決?を実現させて大いに会場を沸かせたが、TAKAとは別の意味で宇宙人となった高木三四ロビンセブンのアイスラッガー攻撃で無念の途中退場となってしまった。

 入場だけで80分経過となるバトルを制したのは昨年のプロレス大賞でベストバウトを受賞した葛西純。この日デビューとなるマスクマン、ザ・グレートキララを雪崩式ブレーンバスター、リバースタイガードライバー、パールハーバースプラッシュという猛攻で沈め、お年玉プレゼントとして「3団体が総力を挙げて葛西純をプッシュする権」を獲得した。

2010個のドミノ倒しで感動のフィナーレ!

1時間半にもおよぶ108人ランブルの末、感動のフィナーレを迎えた 【前島康人】

 実に1時間半近くに及ぶ年越しランブルを終えた時点で、時計の針は午前0時50分近く。その後は出場全選手がリング上に集結し、大日本・大橋篤、DDT・中澤マイケル、K−DOJO・関根龍一の3人が協力して完成させた2010個のドミノ倒しが行われ、見事「Happy new year」の文字を完成させて感動のフィナーレを迎えた。

 06年以来、4年連続年越しプロレスに参加している高木三四郎は、ついに今年は奥さんが会場に来ずに実家に帰ってしまったことに夫婦の危機を募らせつつも、「プロレス好きな人が集まってカウントダウンでひとつになれた。2010年も目標を作って、大きく高めに行きたい」と抱負を語ると、今年も妻の李日韓レフェリーと共に会場で新年を迎えた伊東竜司は「毎年恒例となっている中で、今年も皆で協力し合えた」と手ごたえを実感。TAKAみちのくも「ほかにも面白いものがある中で、皆で後楽園に集まってバカ騒ぎが出来る大会。ぜひ今後も続けたい」と語り、今年の大みそか、そしてその先も、カウントダウンプロレスの継続を誓い合った。

1/2ページ

著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント