カウントダウンプロレスに2010人が熱狂=天下三分の計

高木裕美

“大みそか男”関本が今年はKO−D王者・石川に完敗

KO−D王者・石川(中)が2009年をパワーボム締め! 【前島康人】

 この日は各団体の提供プロレス2試合ずつと、3団体の選手が参戦する2試合&ボーナストラックの全9試合が行われた。

 メーンイベントでは、関本大介(大日本)、KUDO(DDT)、KAZMA(K−DOJO)組vs.佐々木義人(大日本)、石川修司(DDT・ユニオン)、火野裕士(K−DOJO)組という、各団体を代表する選手たちが6人タッグマッチで激突。ゴングと同時にSTRONGEST−K王者のKAZMAとKO−D無差別級王者・石川のチャンピオン同士が激しいエルボー合戦を展開すると、その後も火花の飛び散るような肉弾戦が繰り広げられた。

 火野とKUDOによるサッカーボールキックの打ち合いや、石川を2人が抱え上げて関本の上に落とす3人がかりの合体セントーン、関本とKAZMAによる石川へのサンドイッチラリアットなど、この日この場所でしか見られない顔合わせや連係が次々と生まれる中、20分経過直後に火野の豪快なフロッグスプラッシュが関本に炸裂。すかさず石川が強烈すぎるパワーボムで関本をマットに沈め、3カウントをもぎ取った。

 これまで2年連続で年越しプロレスのメーンを勝利で飾ってきた関本だが、今回は06年以来の敗北。しかし、関本は試合後すぐには立ち上がれない程の衝撃を受けたにもかかわらず、その後の年越しランブルにも参加し、圧倒的なパワーで次々と参加者を撃退。きょう1日のZERO1後楽園大会で行われる川田利明の世界ヘビー級王座挑戦を前に、決して折れないタフネスぶりを見せ付けた。

飯伏プロデュースマッチで悲劇が続出

男色殺法が大みそかにも炸裂! 【前島康人】

 DDTの飯伏幸太プロデュースによる「ストリートファイト・エニウェアフォール・サンダーファイアー4WAYマッチ」では、飯伏幸太vs.ケニー・オメガvs.中澤マイケルvs.男色ディーノが、後楽園全体でどこでも、フォール・サンダーファイアーが可能なルールで対戦。飯伏の圧倒的有利な試合展開になるかと思いきや、予想もできない悲劇が続出した。

 試合開始早々、マイケルとオメガが場外乱闘へ飛び出し、売店で乱闘を展開。さらに勢い余って隣の展示場になだれ込んでしまい、マイケルが倒れた弾みで、これまで約3時間を費やして作成したドミノをすべて倒してしまうハプニングが発生。ドミノ仲間のまさかの裏切りに、関根と大橋の冷たい目が注がれる中、なおもマイケルは戦いの渦へ巻き込まれていく。
 一方、リング上ではディーノが飯伏のタイツを強引にTバックにするなど陵辱の限りを尽くしたため、女性ファンの悲鳴がとどろく中、飯伏とオメガが元KO−Dタッグ王者コンビならではの抜群の連係を見せ付けるが、北側ステージ上での乱闘では攻撃をディーノにかわされてしまい、飯伏とオメガが誤爆の弾みでディープイキス。まんざら嫌そうでもないオメガがタッグパートナーの唇を吸い寄せながら優しく抱擁する合間に、ディーノが男色ドライバーでマイケルを仕留めた。

 まさかのパートナーとの初キス体験に動揺する飯伏に対し、オメガは笑顔全開で仲直りのキッス。まさかのおかわりにまたも目を丸くしていた飯伏だが、最後は握手でしっかり和解した。

平均年齢60歳のニューリーダー軍が勝利

“昭和プロレスの妖怪”のニューリーダー軍が貫禄を見せつけた 【前島康人】

 「ナウリーダーvs.ニューリーダー5対5イリミネーションマッチ」として、ナウリーダー軍のTAKAみちのく、アブドーラ・小林、高木三四郎、ポイズン澤田JULIE、MEN’Sテイオー組と、ニューリーダー・昭和プロレス軍のグレート小鹿、マイティ井上、タイガー戸口、鶴見五郎、グラン浜田組が激突。5人の合計年齢が300歳以上という“昭和プロレスの妖怪”のニューリーダー軍は、開始早々から場外乱闘でナウリーダー軍と互角に渡り合い、現役ぶりをアピール。さらに現在プロレスリング・ノアのレフェリーを務める還暦の井上が、小鹿のアシストを受けて往年の必殺技サンセットフリップを披露すると、客席からは割れんばかりの大歓声が起きた。

 最後は1対2の状況に追い込まれた小鹿がTAKAのスーパーKを高木に誤爆させ、直後にTAKAを丸め込んで大逆転勝利。ナウリーダー軍に勝利したニューリーダー軍は、67歳のグレート小鹿を先頭に「おまえらにはまだまだ負けないぞ」と、2010年のプロレス界を牛耳るべく吠えまくった。
■「天下三分の計 大晦日年越しスペシャル」
12月31日(木)東京・後楽園ホール 観衆:2010人(超満員)

<ボーナストラック 108人・年越しランブル>
○葛西純
(85分12秒 パールハーバースプラッシュ→体固め)
●ザ・グレートキララ 

【出場選手】
1.真霜拳號、2.安部行洋、3.ダークみやこマン、4.ウエスタンタイガー、5.オリエンタルドラゴン、6.タノムサク鳥羽、7.梶トマト、8.マスクドホルスタイン、9.バラモンシュウ、10.滝澤大志、11.趙雲子龍、12.十嶋くにお、13.“黒天使”沼澤邪鬼、14.星野勘九郎、15.バンビ、16.竹田誠志、17.ジ・ウインガー、18・キム・ナムソク、19.みやこマン、20.グレート小鹿、21.塚本拓海、22.A.YAZAWA、23.関本大介、24.フランチェスコ・トーゴー、25.橋本和樹、26.高木三四郎、27.JOE、28.柏メガネ、29.悪くん、30.PSYCHO、31.ポイズン澤田JULIE、32.KUDO、33.アントーニオ本多、34.シャイニングタイガー、35.シャドウWX、36.きぼーるマン、37.旭志織、38.ヒロ・トウナイ、39.伊東竜二、40.MEN’Sテイオー、41.MIKAMI、42.MIYAWAKI、43.飯伏幸太、44.佐々木義人、45.伊橋剛太、46.マッドネスドラゴン、47.ヤス・ウラノ、48.大黒坊弁慶、49.石川修司、50.茂原七夕7、51.バラモンケイ、52.大鷲透、53.ササキアンドガッパーナ、54.ランディ拓也、55.クレイグ、56.STビッグバディ、57.大家健、58.落花生太郎、59.谷口智一、60.火野裕士、61.ブタ軍曹、62.ジャカイダー、63.アブドーラ小林、64.中澤マイケル、65.谷口裕一、66.石井慧介、67.マサ高梨、68.河上隆一、69.関根龍一、70.ヨツカイダー、71.ヨシヒコ、72.岡林裕二、73.宮本裕向、74.KAZMA、75.MASADA、76.西園寺ピエール、77.TAJIRI、78.ツョーン・マイケルズ、79.TAKAみちのく、80.YOSHIYA、81.グローボ仮面、82.マッドネスタイガー、83.澤田マレンコ篤男、84.葛西純、85.高木三四ロビンセブン、86.O.K.revolution、87.さとる、88.神戸メガネ、89.ケニー・オメガ、90.山縣優、91.桃鷲透、92.ペペみちのく、93.ザ・グレートキララ、94.ゆうき、95.Hardcore kid弧次郎、96.マリーンズマスク、97.ディック東郷、98.男色ディーノ、99.佐々木大輔、100.松永智充、101.房総ボーイ雷斗、102.佐々木貴、103.ゆういち、104.柏大五郎、105.ロンドンキッド、106.大橋篤、107.高尾蒼馬、108.木高イサミ

【退場順】
ダークみやこマン、安部行洋、梶トマト、オリエンタルドラゴン、マスクドホルスタイン、ウエスタンタイガー、タノムサク鳥羽、滝澤大志、“黒天使”沼澤邪鬼、星野勘九郎、バンビ、趙雲子龍、キム・ナムソク、バラモンシュウ、竹田誠志、十嶋くにお、みやこマン、塚本拓海、A.YAZAWA、橋本和樹、JOE、フランチェスコ・トーゴー、柏メガネ、ジ・ウインガー、JOE、ポイズン澤田JULIE、きぼーるマン、ヒロ・トウナイ、PSYCHO、シャドウWX、シャイニングタイガー、アントーニオ本多、伊東竜二、関本大介、MEN’Sテイオー、MIKAMI、伊橋剛太、大黒坊弁慶、マッドネスドラゴン、旭志織、KUDO、飯伏幸太、茂原七夕7、石川修司、大鷲透、MIYAWAKI、ランディ拓也、ヤス・ウラノ、大家健、STビッグバディ、バラモンケイ、クレイグ、落花生太郎、谷口智一、ブタ軍曹、ジャカイダー、佐々木義人、ヨツカイダー、石井慧介、マサ高梨、ササキアンドガッパーナ、河上隆一、谷口裕一、火野裕士、KAZMA、岡林裕二、宮本裕向、ツョーン・マイケルズ、TAKAみちのく、YOSHIYA、マッドネスタイガー、TAJIRI、MASADA、高木三四ロビンセブン、澤田マレンコ篤男、グローボ仮面、さとる、O.K.revolution、神戸メガネ、アブドーラ小林、ヨシヒコ、山縣優、ケニー・オメガ、ゆうき、桃鷲透、Hardcore kid弧次郎、マリーンズマスク、ペペみちのく、佐々木貴、ディック東郷、佐々木大輔、松永智充、ロンドンキッド、真霜拳號、ゆういち、大橋篤、高尾蒼馬、房総ボーイ雷斗、木高イサミ、柏大五郎、男色ディーノ、ザ・グレートキララ

<メインイベント 6人タッグマッチ 60分1本勝負>
●関本大介(大日本) KUDO(DDT) KAZMA(K−DOJO)
(21分30秒 パワーボム→エビ固め)
佐々木義人(大日本) ○石川修司(DDT・ユニオン) 火野裕士(K−DOJO)

<セミファイナル 大日本プロレス アブドーラ・小林プロデュース 蛍光灯 3WAYタッグデスマッチ 30分1本勝負>
宮本裕向 竹田誠志 ●木高イサミ
vs.
○伊東竜二 シャドウWX “黒天使”沼澤邪鬼
vs.
佐々木貴 葛西純 ジ・ウインガー
(10分57秒 ドラゴンスプラッシュon the 蛍光灯束→体固め)

<第6試合 K−DOJOプロデュース モンスタープラント vs. Ω(オメガ) 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
真霜拳號、柏大五郎、●ヒロ・トウナイ
(13分19秒 デスバレーボム→片エビ固め)
○稲松三郎、旭志織、MIYAWAKI

<第5試合 DDT 飯伏幸太プロデュース ストリートファイト・エニウェアフォール・サンダーファイアー 4WAYマッチ 30分1本勝負>
飯伏幸太vs.ケニー・オメガvs.●中澤マイケルvs.○男色ディーノ
(13分7秒 男色ドライバーonステージ→漢固め)

<第4試合 ナウリーダー vs. ニューリーダー 5対5 イリミネーションマッチ 30分1本勝負>
●【ナウリーダー】TAKAみちのく アブドーラ・小林 高木三四郎 ポイズン澤田JULIE MEN’Sテイオー
○【ニューリーダー・昭和プロレス軍】グレート小鹿 マイティ井上 タイガー戸口 鶴見五郎 グラン浜田
○鶴見−テイオー● 5分38秒 OTR
●鶴見−TAKA○ 5分44秒 スクールボーイ
●戸口−ポイズン● 10分34秒 同体OTR
●浜田−TAKA○ 10分50秒 スーパーK→OTR
○井上−小林● 11分30秒 サムソンクラッチ
●井上−小林○ 11分34秒 回転エビ固め
○小鹿−高木● 14分25秒 TAKAのラリアット→OTR
○小鹿−TAKA● 14分30秒 スクールボーイ
※1人残りでニューリーダー軍の勝利

<第3試合 K−DOJO バンビプロデュース “バンビ様とお呼び!”勝ち抜け4WAYタッグマッチ 20分1本勝負>
十嶋くにお、PSYCHOvs.YOSHIYA、山縣優vs.房総ボーイ雷斗、梶トマトvs.滝澤大志、ランデイ拓也
○PSYCHO−ランディ● 1分55秒 ハイフライバム→体固め
○YOSHIYA−梶● 2分46秒 ビッグブーツ→体固め
○滝澤−雷斗● 4分58秒 タイガードライバー→エビ固め
※雷斗、梶組が負け残り。バンビ様の下僕となる

<第2試合 大日本プロレス Dダッシュプロデュース タッグマッチ 20分1本勝負>
○岡林裕二、塚本拓海
(11分23秒 ラリアット→片エビ固め)
大橋篤、●河上隆一

<第1試合 DDT アントーニオ本多プロデュース シングルマッチ 20分1本勝負>
●アントーニオ本多
(8分7秒 ブラインド・タカタニック→エビ固め)
○マサ高梨

<ダークマッチ 6人タッグマッチ 15分1本勝負>
○関根龍一(K−DOJO)、高尾蒼馬(DDT)、橋本和樹(大日本)
(8分53秒 逆エビ固め)
ササキ・アンド・ガッバーナ(イタリア)、クレイグ(アメリカ)、●キム・ナムソク(韓国)

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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