伝統校同士のメーンコートをめぐる争い=高校選抜バスケ
U−16日本代表が新しい歴史を作る京北
U−16日本代表の経験が生きた京北#14田渡凌。アシストを量産した 【(C)JBA】
2度のウインターカップ優勝を果たしている京北(東京)は、1984年の決勝でも戦った県立能代工業と対戦した。この試合のポイントになったのは開始からの3分間。京北が県立能代工業を無得点に抑える間に連続得点で12点差をつけると、最後までリードが入れ替わることはなかった。
この展開を作り出したのは京北の1年生ガード、#14田渡凌だ。「昨日の試合を見て、能代はガードのドライブインに対してあまりカバーが来ていなかったので自分で点を取りに行った」と言ってのけた。県立能代工業が逆転を狙って繰り出したオールコートプレスにも、1−3−1ゾーンディフェンスにもひるまないゲームコントロールが光った。田渡は、11月に開催された第1回FIBAアジアU−16男子選手権大会でもU−16日本代表として司令塔を務めており、国際舞台で磨いた技術と度胸が生きた形となった。
続く準々決勝が行われる大会5日目には、独特の雰囲気に包まれる東京体育館のメーンコート。その場所で京北は、31年連続出場・決勝進出7度とこちらも伝統ある北陸と準々決勝を戦うことになったが、「いつも通りのプレーをしてベスト4を狙いたい」と頼もしい。新しい世代の選手が、新しい歴史の1ページを刻もうとしている。
福岡大附大濠、洛南の4連覇を阻む!
熱いベンチワークが健在の福岡大附大濠・田中国明コーチ。16年ぶり3度目の優勝なるか 【(C)JBA】
これまで、全国大会で数々の名勝負を繰り広げてきたこのカード。「最近は負けが続いているんだよね」と福岡大附大濠・田中国明コーチが言うように、08年のインターハイ3回戦、06年のウインターカップ準決勝と洛南が勝利していたが、今度は福岡大附大濠が洛南の4連覇を阻む結果となった。
試合は、田中コーチの「ガチンコの点の取り合い」という予想通り、両チーム90点を超えるハイスコアゲームとなった。しかし、終始リードしていたのは福岡大附大濠だ。途中追い上げられても、「相手に作戦を与えることになる」とタイムアウトをギリギリまで取らなかった田中コーチに対し、洛南・吉田裕司コーチは「この点差は采配(さいはい)の差。もう少しうまくタイムアウトや交代ができていたら……」と振り返った。監督就任45年目の田中コーチの勝負勘が冴(さ)えたというわけだ。
両コーチは試合前、「できれば違うブロックに入って、もっと上で当たりたかった」という話をしたという。確かにメーンコートで見たい試合ではあったが、「この勝ちでぐんと勢いに乗れた」(田中コーチ)という福岡大附大濠が、洛南の分まで優勝を狙うことで報いたい。
女子準々決勝 メーンコートへの気持ちが勝利を引き寄せた
<了>
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