１２月２３〜２９日、「ＪＯＭＯウインターカップ２００９」（平成２１年度第４０回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会：以下ウインターカップ）が行われる。大阪での全国高校総合体育大会（以下インターハイ）、新潟での国民体育大会（以下国体）を経て、決戦の地・東京体育館に各都道府県を代表する男女５０チームが集結する。シーズンのしめくくりとなるこのウインターカップは、「真の王者」を決める戦いといっても過言ではない。その栄光を手にするのは果たしてどのチームか？　まず、男子大会の注目校や見どころを、組合せブロックごとに見ていこう。

＜対戦カード＞　
・福岡第一ｖｓ．（県立広島皆実ｖｓ．日大東北）
・（文星芸術大附ｖｓ．東海大付第四）ｖｓ．（明徳義塾ｖｓ．県立山形南）
・県立平城ｖｓ．（県立小林ｖｓ．桐生第一）
・東海大付相模ｖｓ．（県立小禄ｖｓ．県立新潟商）
※左はシード校、右は１回戦の組み合わせ

　第１シードの福岡第一（福岡）は２００５年以来２度目の優勝を狙う。夏のインターハイでは、全国大会決勝での連敗を４で止めることに成功した。ウインターカップでも２００７年・２００８年と決勝で洛南（京都）に敗れているが、スピーディなバスケットで「３度目の正直」を果たしたいところだ。
　福岡第一とは逆に、夏に全国舞台を踏めなかった悔しさを晴らそうと燃えているチームもある。東海大付第四（北海道）、県立山形南（山形）、日大東北（福島）だ。熾烈な都道府県予選を勝ちあがってきたタフさを持っており、侮れない。
　また、このブロックには県立平城（奈良）、桐生第一（群馬）、東海大付相模（神奈川）と初出場チームが３チーム入った。中でも東海大付相模はインターハイでベスト８に入った実力の持ち主。大舞台でそれぞれの持ち味をどれだけ披露してくれるか、楽しみだ。

＜対戦カード＞
明成ｖｓ．（光泉ｖｓ．県立佐賀北）
西部文理ｖｓ．（県立津幡ｖｓ．県立長崎西）
（八王子ｖｓ．県立松山工業）ｖｓ．（中部大学第一ｖｓ．鹿児島工）
延岡学園ｖｓ．（県立城東ｖｓ．東海大付第三）
※左はシード校、右は１回戦の組み合わせ

　延岡学園（宮崎）、明成（宮城）という、ウインターカップ初優勝を目指すチームが同じブロックに入った。第２シードの延岡学園は、今夏のインターハイ決勝で福岡第一に２点及ばず、宮崎代表の主力として臨んだ国体九州予選でも福岡に敗れた。実は、２００５年のウインターカップで決勝に進出したときも敗れた相手は福岡第一だった。福岡第一との対戦があるとすれば決勝ということになるが、経験豊富な３年生たちは逆襲を期している。

　もちろんその前には、多くのチームが立ちはだかる。明成はパッシング・バスケットに磨きをかけており、まずはチーム初となる決勝のチケットを手に入れたい。中部大学第一（愛知）はビッグマンとインターハイ得点王を擁し、夏は敗れた延岡学園に再度挑戦する。

＜対戦カード＞　
藤枝明誠ｖｓ．（大阪学院大ｖｓ．山口）
神戸科学技術ｖｓ．（県立大分舞鶴ｖｓ．日本航空）
市立柏ｖｓ．（福岡大附大濠ｖｓ．松江東）
洛南ｖｓ．（県立四日市西ｖｓ．盛岡市立）
※左はシード校、右は１回戦の組み合わせ

　インターハイベスト４、国体準優勝とステップアップし初優勝も見えてきた藤枝明誠（静岡）のブロックは、最も厳しいブロックとなった。まず史上２校目の４連覇がかかる洛南（京都）が控える。昨年のウインターカップを沸かせた谷口大智や比江島慎のようなスーパースターはいないが、チームディフェンスで国体を制した。さらに岩手代表の主体として東北ミニ国体を制した盛岡市立（岩手）、国体で混成チームながら洛南主体の京都を追い詰めた柏市立柏（千葉）、そして３年ぶりに出場となった福岡大附大濠（福岡）と実力のあるチームがずらりとそろった。

　また、県立山口（山口）には県の友好協定により中国からの留学生が加入し、初出場の日本航空（山梨）はモンゴルと中国からの留学生がチームを引っ張る。インサイドの攻防も注目だ。

＜対戦カード＞　
県立能代工業ｖｓ．（尽誠学園ｖｓ．美濃加茂）
京北ｖｓ．（県立八戸西ｖｓ．初芝橋本）
県立鳥取東ｖｓ．（県立高岡工芸ｖｓ．つくば秀英）
北陸ｖｓ．（県立玉名工業ｖｓ．岡山学芸館）
※左はシード校、右は１回戦の組み合わせ

　ウインターカップでは７度も決勝で跳ね返されている北陸（福井）が第４シード。１・２年生が多く試合に出ており、彼らの成長がカギになる。アンゴラからの留学生を擁する岡山学芸館（岡山）などがおり下回戦から気は抜けないが、今年こそという思いは強いはずだ。
　同じようにこのシーズン最後の大会にかけているのは、県立能代工業（秋田）と京北（東京）だ。県立能代工業は決してあきらめない粘り強さでウインターカップ２１度目の優勝を見据える。京北は１〜３年生までバランスのよいメンバーがそろっており、地元の東京体育館でその力を発揮したい。
　つくば秀英（茨城）と県立高岡工芸（富山）は、若手コーチのもと出場権を勝ち取った。ウインターカップという最高の舞台で、フレッシュなチームカラーを存分に表現してほしい。