ウオッカ劇勝V7! ルドルフ、ディープに並ぶ涙の戴冠=ジャパンC
オウケンブルースリ猛追も2cmに泣く
直線外から猛追するも、あと一歩が足りなかった 【スポーツナビ】
「直線はすごく伸びていたんだけど……。早く動きすぎると止まってしまうし、勝負どころで動くに動けませんでした。あそこまでいったら勝ちたかったですね」
道中は後方3番手からの追走。2001年同レースの覇者でもある父ジャングルポケット譲りの豪脚にすべてをかけ、府中525メートルの直線にかけていた。上がり3Fの脚はウオッカを0秒7上回る、メンバー最速の34秒1。ゴール手前の勢いも完全に女王を凌駕しており、父子2代の勝利は目前にまで迫っていた。だが、わずか2センチ、届かなかった。
勝敗の分かれ目を挙げるとすれば、4コーナーの攻防。内田博は前が詰まる可能性のあるインではなく、距離ロス覚悟で存分に脚を伸ばせる外への進路を選択。「それは流れですからね。それでも直線は大丈夫だろうと思ったんですが……」。
音無調教師も納得しなきゃしょうがない、とは言いながらも、「4コーナーで1回下げて、外に出したのが痛かったね。直線は馬の力で走ってくれたと思う」と、この最終コーナーを悔やんだ。
この秋、GII京都大賞典1着、距離不足のGI天皇賞・秋でも4着、そして、JCがハナ差の2着。昨年の菊花賞に続くGIビッグタイトルまであと一歩足りないが、それでも王道路線の新たな王者として君臨する能力があることは十分に示している。
年末の総決算グランプリ・GI有馬記念については、「馬の状態を見てから」と音無調教師は語った。
レッドディザイア健闘3着 四位「よく頑張った」
3着でも大健闘、レッドディザイアは能力の高さを存分にアピールした 【スポーツナビ】
「3歳牝馬でこれだけやれたんだし、よく頑張ってくれましたね」
道中は3枠6番の枠なりのままインを進み、ちょうど中団のポジションから追走。「オークスの時みたいに内が開けば良かったんだけどね、やっぱり古馬相手のレースはそう甘くはなかった」と、最終4コーナーから直線にかけ、最内の経済コースを利して一気に突き抜けることはできなかったが、それでも馬群をこじ開けると、並みいる海外強豪馬や年上の古馬GI馬を蹴散らして鋭伸。ウオッカの上がりを0秒1上回る3F34秒7で、堂々の3着まで追い上げた。
「外にもうまく出せたし、そこからしっかりと伸びてくれましたよ」と四位。悔しさをにじませながらも、一方では満足げな表情も浮かべていた。
春はGI桜花賞、GIオークスとブエナビスタの2着に敗れ、ともすれば“ブエナビスタの引き立て役”にも見られた。だが、秋のGI秋華賞でついに逆転し、そしてこのジャパンCでも日本のトップ級を相手に3着と健闘。引き立て役などではなく、牡馬・牝馬を通じて今年3歳世代トップ級の実力馬であることを改めてアピールした一戦だった。