ウオッカ劇勝V7! ルドルフ、ディープに並ぶ涙の戴冠=ジャパンC

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ウオッカがジャパンC優勝! 劇的勝利でルドルフ、ディープに並ぶGI7勝目 【スポーツナビ】

 日本と世界のトップホースが激突するJRA秋競馬の大一番、第29回GIジャパンカップが29日に東京競馬場2400メートル芝で開催され、クリストフ・ルメール騎乗の1番人気ウオッカ(牝5=角居厩舎)が、外から迫る2番人気オウケンブルースリ(牡4=音無厩舎)との叩き合いをハナ差制し、劇的復活V! 秋に入り初戦のGII毎日王冠2着、前走のGI天皇賞・秋3着と連敗していたが、世界と対峙した頂上戦で王座復権をアピールする勝利を挙げた。勝ちタイムは2分22秒4。
 ジャパンC史上、日本牝馬の勝利は初の快挙。また、今回の勝利でJRA・GIは7勝目。これはシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクトに並ぶ史上最多勝タイ(海外・地方交流は除く)となる。
 また、騎乗したルメール、同馬を管理する角居勝彦調教師ともに同レース初勝利となった。

 なお、オウケンブルースリからさらに1馬身1/2差の3着には今年のGI秋華賞馬の6番人気レッドディザイア(牝3=松永幹厩舎)。今年の英国GIキングジョージVI世&クイーンエリザベスS、米国GIBCターフを制し3番人気に支持されていた英国馬コンデュイット(牡4=M・スタウト厩舎)は4着に敗れた。

「ウオッカに乗れるなんて、とても誇りに思った」

返し馬でルメールは「馬がすごく落ち着いていた」と、レースへの自信を深めていた 【スポーツナビ】

 かつて、これほどまでに劇的な勝利を重ねてきた牝馬はいない。

 64年ぶりの牝馬Vとなった3歳時のダービー、1年ぶり復活勝利を挙げた昨年の安田記念、終生のライバル・ダイワスカーレットと2センチ差の激戦を展開した昨年の天皇賞・秋、驚愕のパフォーマンスを立て続けに披露した今年のヴィクトリアマイルに安田記念。そして、連敗で迎えたこの日のジャパンカップだ。

 「馬のことは信用していましたが、すごく緊張していました。ジャパンカップに対する深い思いもありましたし、昨年が3着、一昨年が4着。忘れ物を取りにきたという思いも強かったものですから、ウオッカが馬場入りした時から、いつもと緊張感が違うなと思っていましたね」
 こう振り返ったのは、オーナーの谷水雄三氏だ。「ウオッカが引っ掛かるというイメージを持っていないジョッキーに乗ってもらうのも一つの方法」(角居調教師)と、今回は鞍上を武豊からクリストフ・ルメールにスイッチして挑んだ背水の陣。フランスが誇る30歳の世界的名手は、日本競馬のヒロインであるウオッカへの騎乗依頼を受けた時の気持ちを思い返した。
 「ビッグサプライズだったね。これだけ大きなレースでウオッカに乗れるなんて、とても誇りに思うことだった。彼女に関しては非常に才能のあるチャンピオンだと思っていたし、1マイルから2400メートルで常に3着以内に来るのは、質の高い馬である証拠。それに、すごくファンに愛されている馬だから」

道中は注文どおり、残り300mまで仕掛けをジッと我慢

ラスト1ハロン、ウオッカ(赤帽)とオウケンブルースリ(黄帽)が火花を散らす叩き合い! 【スポーツナビ】

 ウオッカ復活のキーパーソンとして、府中2400メートルの旅へと挑んだルメール。陣営からは1つだけ注文を受けたという。
 「5〜6番手の好位置につけてほしいと陣営から言われていた。スローペースになるといけないから前めのポジションでということで、枠順(3枠5番)もいいところだったし、いい位置に置くことができた」

 レースは、いつものようにスタートからポンと飛び出し、先手を取りに行くエイシンデピュティ、リーチザクラウンを行かせる形で、注文どおりの好位を確保。1コーナーを回ったところで武豊リーチザクラウンが先頭に立ち、1ハロン12秒0〜12秒2のペースでレースが流れて行く。
 「ユタカが作ってくれたペースは僕には好都合だった。押して前に出すことも、引いて何かに行かせることもなく、気持ちよくリラックスして走らせることができたよ。それが好走の第一条件だったから」

 4番手のポジションで折り合いをつけ、3〜4コーナーでは巧みにインに潜り込んで迎えた直線。ラスト400メートルで前を行くリーチザクラウン、エイシンデピュティを余力十分に飲み込みにかかる。が、ルメールは「まだだ」と我慢する。
 「どんな一流馬でも、2400メートルという距離はもう1つ踏み込んだ距離だと認識している。だから、直線で早くに仕掛けるのは良くないと思っていた。4コーナーを回ってからいつでも行ける手応えだったけど、残り300メートルまで我慢していたんだ」

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