葛西が残り15秒、執念の壮絶技で伊東下す=大日本プロレス

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葛西(奥)が6年越しに実現した伊東とのデスマッチ戦を執念で制す! 【スポーツナビ】

 大日本プロレスの2009年最後の後楽園ホール大会が20日に開催され、メーンでは伊東竜二と葛西純がついにシングルで激突。これまで、互いにベルトをかけての王座戦を希望しながら、両者の負傷離脱などにより一騎打ちが浮上しては消滅を繰り返していた。
 だが09年後楽園ホール最終戦で、6年越しの念願がカミソリボード+αデスマッチという形で結実。伊東、葛西とも空白の時間を埋めるかのように、また溜まっていた思いを吐き出すかのようにパイプイス、テーブルはもちろん、蛍光灯、画鋲、サボテンとあらゆる凶器を持ち出し、大流血戦を展開させた。

 また、第5試合の蛍光灯200本デスマッチでは、かつてのデスマッチ絶対王者・佐々木貴が、現デスマッチ王者・宮本裕向率いる新世代デスマッチ軍に6人タッグで快勝。試合後、佐々木貴が12.4横浜文化体育館大会で行われる王座戦にアピールすると、宮本もこれを了承し、両者による王座戦が行われることが決定した。

大流血戦……超危険技連発も両者譲らず

伊東(上)も蛍光灯ごと破壊するドラゴンスプラッシュで葛西を追い込んだが、一歩及ばず…… 【スポーツナビ】

 コーナーに立てかけられたカミソリボードの最初のエジキになったのは伊東。背中から叩きつけられ大ダメージを負ったが、すぐさま葛西にもやりかえし、さらにボードをリング上に置くと、葛西の額をカミソリ目掛けて何度も叩きつけ、自分以上に流血させる。
 しかし、顔面が真っ赤に染まる自分の血で葛西の眠れるキ○ガイ魂がさらに覚醒したか、むしろ生き生きと伊東に反撃を加えると、場外に設置したテーブルの上に寝かせてガムテープでグルグル巻き。そして、二階へと駆け上がって行くと、伊東目標に奥の手であるバルコニーダイブで急降下だ。

 これで完全に試合の流れも観客の声援も味方につけたかと思われたが、伊東も決して気持ちは折れず。バケツに入った大量の画鋲を行水のように自ら頭からかぶって気合を呼び戻し、リング上を画鋲地獄にすると、バックドロップを投下。さらに、20本以上の蛍光灯の束を葛西の体の上に置き、コーナートップから必殺のドラゴンスプラッシュで蛍光灯ごと葛西を粉砕する。

 両者一歩も引かない必殺技の応酬となっても、決着はつかず、試合時間は制限時間の30分まで残り1分。このまま時間切れかと思われたが、最後はデスマッチへの執念を見せた葛西が、有刺鉄線ボードにさらにサボテンを置き、その上にリバースタイガードライバーで伊東を突き刺す壮絶フィニッシュで、29分45秒、ついにピリオドを打った。

これで終わりじゃない、これが始まりだ!

葛西は「今日で終わりじゃねぇ。この両ヒザがぶっ壊れるまでやってやる!」と伊東との再戦を約束 【スポーツナビ】

 3カウント目が入った瞬間、爆発したような拍手と大歓声を一身に浴びた葛西は「11年間プロレスやってきて、たいしたタイトルも獲ってないし、たいして金を稼いでるわけでもないけどよ、11年間、汗と大量の血を流してやってきたら、今日みてぇなステキな日が来るんだな」と、大激戦の勝利に感無量の言葉。さらに、伊東に向け「6年越しでやっと戦えたんだ。ここでオレっちがお前のこと認めちまったら、オレら2人の戦いは今日で終わっちまう。お前はまだオレの足元にも及ばねぇ。今日で終わりじゃねぇぞ」と再戦を投げかけた。

 伊東も「今日は楽しかったが、オレはその1000倍も悔しいんだよ! 周りで勝手によ、今日が最初で最後とか、葛西が引退するんじゃねぇかって言われてるけど、そんな気ねぇんだろ!? 今日が始まりだよ!!」と受けて立つ覚悟。その答えを聞き「年内で引退も考えてきたけどよ」と葛西は胸の内を明かしたが、すぐさま「この両ヒザがぶっ壊れるまでやってやるよ!!」と、あと2回でも3回でも、そして10回でもシングルデスマッチで戦うことを約束しあった。

佐々木貴が“絶対王者”返り咲きを宣言

佐々木貴(左)が王者・宮本に猛攻! 12.4横浜での王座戦もこの勢いで返り咲きとなるか 【スポーツナビ】

 第5試合では蛍光灯200本デスマッチで、佐々木貴、シャドウWX、アブドーラ・小林のかつてのデスマッチ王者軍と、現デスマッチ王者・宮本裕向率いる新世代デスマッチ軍に6人タッグで対戦。王座挑戦をアピールしている貴は宮本一人に狙いをさだめ、蛍光灯とともに王者を蹴りまくるが、デスマッチ新世代軍のタッチワークは旧デスマッチ王者軍を上回る連係の良さを発揮し、逆に貴をローンバトルに追い込む。
 一転してピンチに陥ったものの、そこは“デスマッチ絶対王者”の名をほしいままにした貴だ。シャドウ、小林のアシストから木高イサミを攻め立てて右脚with蛍光灯、さらに宮本に見せつけるように新型D−ガイストと、怒涛の猛攻を食らわせ貫禄の勝利を収めた。

 試合後、マイクを握った貴は腰にベルトを巻く仕草でアピールすると、「宮本! このオレを挑戦者として拒む理由はあるのか!?」と改めて王座挑戦を宣言。すると宮本も「オレもアンタとはずっとタイトルマッチをやりたかった。文体(横浜文化体育館大会)でタイトルマッチをやろうぜ!」と、この挑戦状を受けて立つ。
 さらに王者は「オレが勝って、絶対王者になってやる!!」と絶叫するものの、その言葉は聞き捨てならんとばかりに貴が「オレがどれだけの血を流してきたのか分かるか? 絶対王者の厳しさを教えてやる」とピシャリ。さらに「オレが返り咲きたいのは『デスマッチ絶対王者』だ!」と突きつけ、変わらぬ存在感を見せつけた。

 また、セミファイナルではBJWタッグ王者の岡林裕二が、若手の石川晋也にまさかの3カウント献上。12.4横浜での防衛戦(挑戦者組はシャドウWX、アブドーラ・小林組)に不安を残す結果となった。
■大日本プロレス
11月20日(金)東京・後楽園ホール 観衆:2013人(超満員札止め)

<メーンイベント カミソリ十字架ボード +αデスマッチ 30分1本勝負>
●伊東竜二
(29分45秒 リバースタイガードライバー〔サボテン有刺鉄線&画鋲の上に〕→片エビ固め)
○葛西純

<セミファイナル 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
関本大介、●岡林裕二、“黒天使”沼澤邪鬼
(13分17秒 ランニングエルボーバット→片エビ固め)
佐々木義人、○石川晋也、河上隆一

<第5試合 蛍光灯200本 6人タッグデスマッチ 30分1本勝負>
宮本裕向、竹田誠志、●木高イサミ
(17分34秒 新型D−ガイスト→片エビ固め)
○佐々木貴、シャドウWX、アブドーラ・小林

<第4試合 ハードコアマッチ 30分1本勝負>
●星野勘九郎
(13分40秒 パイルドライバー〔有刺鉄線イスの上に〕→体固め)
○MASADA

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
怨霊、●正岡大介
(14分56秒 ミラクルエクスタシー→エビ固め)
○大石真翔、ツトム・オースギ

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
大黒坊弁慶、●大橋篤
(9分42秒 シャイニング・ウィザード→片エビ固め)
菊タロー、○谷口裕一

<オープニングマッチ 20分1本勝負>
○忍、塚本拓海
(9分47秒 変型STF)
●神威、橋本和樹
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