武田幸三、崖っぷちのギリギリまで生きた=『格闘技通信』発
武田を鍛え上げた原点ともいえる治政館の前で師・長江国政・治政館館長(右)と武田(撮影◎保高幸子) 【格闘技通信】
武田は、10・26K-1MAXでアルバート・クラウスを相手に引退試合に臨んだ(撮影◎保高幸子) 【格闘技通信】
「9針縫いました」
――右目の中も内出血している。
「もう視力は戻ってきましたけど、パンチが目の中に入っちゃったんですね。試合中にどんどん腫れてきて。もともと左目の視力が弱かったんで、両目がぼやっとした感じになってしまいました」
――あらためて映像をチェックすると、1Rに左フックを浴びているんですよね。それが右目に入ったように見えました。
「試合中のことは、ほとんど覚えていないですね。1Rのインターバルで(セコンドの)深津(飛成)に『俺、何で倒れたの?』って聞いたのは覚えてます。『ローキック』と言われて、『足は効いてない。目だよ』という話をしました。その次の記憶は、控室でみんなが拍手で迎えてくれたこと。それだけですね、はっきり覚えてるのは。試合後に長渕(剛)さん、先生(長江国政・治政館館長)と抱き合ったのは断片的です」
――試合後、マイクでファンにあいさつしていましたよ。
「覚えてない(笑)。よく話しましたね。あとでカミさんに聞いたんですけど、ちゃんと言えてたらしいので良かったですよ」
――奥さんは、どんな心境で試合を見ていたんでしょうか。
「1Rが終った時点でタオルだと思ったらしいですね。でも2Rに入った時点で、開き直ったといっていました。『死んでこい!』って叫んだらしいです(笑)。そういうところは、強い人なんですよ」
――試合の途中から、何か変だなとは感じていました。ローキックのダメージにしては、倒れ方がおかしかった。
「見えてないから、もらった衝撃で倒れちゃう感じだったんでしょうね」
――「ファンのための体になる」といつも言っていますが、今回もなれましたか。
「開き直って、気合いでスイッチを入れました。今回は本当にいろいろなことを覚悟しないと、リングに上がるのが怖かった。1週間ぐらい前に風邪もひいちゃって、一日2回、点滴を打つ状態でもあったんですよ。そこで助けられたのが長渕さんでした。家からジムまで車で20分ぐらいなんですけど、『STAY DREAM』をかけながらテンションを上げていきました」
――『STAY DREAM』は今回の入場曲にもなりましたが、わざわざ長渕さんがレコーディングしなおしたそうですね。
「新極真会の緑健児さんに紹介していただいて、曲を使わせてくださいというお願いはしていたんです。そしたら、9月11日に突然スタジオに呼んでいただいて、『武田君はSTAY DREAMがいい』と、その場でレコーディングしてくださったんです」
――長渕さん自身の選曲だったんですか。
「そうです。いざ入場であの曲がかかったら、いろんなものが頭を巡ってきて感極まりそうになりましたけど(笑)、やっぱり良かったです。気合いが入りました」
(このあと、話題となっているレフェリング、また現在の心境について、武田がその胸中を明かす。続きは本誌『格闘技通信』1月号をお読みください)
(文=本島燈家)
『格闘技通信』2010年1月号(No.465) 【格闘技通信】
圧倒的ボリュームで格闘技界の情報をお届けする月刊格通! 1月号では大晦日に噂される『DREAMvs戦極』対抗戦を大特集!! 谷川貞治FEG代表がこの“大同団結”について語ったほか、桜庭和志、青木真也、川尻達也、北岡悟、廣田瑞人といったファイターたちにも取材を敢行した。さらに、10・30バーリトゥード・ジャパンを徹底分析! 復活勝利を挙げた佐藤ルミナ、五味隆典、リオン武を直撃した。また、大晦日に魔裟斗と対戦するアンディー・サワーのインタビューや青木真也×神村江里加の対談も企画! その他、多数の連載や特集は、11月21日(土)発売の『格闘技通信』1月号(No.465)で掲載されます。
■『格闘技通信』 2010年1月号(No.465)
11月21日(土)発売! 特別定価940円(本体895円)
※一部地域では発売日が異なります。
発行(株)ベースボール・マガジン社
表紙は、大晦日には欠かせない桜庭和志!
□CONTENTS
<<SPECIAL FEATURE>>
【拡大特集 大晦日、大異変! 2009−2010】
[DREAM vs 戦極(SRC)、開戦!]
谷川貞治FEG代表、激白!
「Dynamite!!×戦極(SRC)大同団結の真相」
桜庭和志インタビュー
「男の生きざま、レフェリング問題」を語る
[連載「桜庭和志の本音コラム」やっぱり面倒臭い]
「弁慶には本当に申し訳ないことをした…」
魔裟斗vsアンディ・サワー、決定!
「いい年を越したければ、魔裟斗の最後を見届けよ」
アンディ・サワー 緊急インタビュー
「ボクをKOして引退?
夢がいつも現実になるわけじゃない」
青木真也、11・7ストライクフォース観戦後に語る
「青木だから言えるアメリカ」
[連載「青木真也コラム」世間に吠えろ!!]
「演者とアスリート」
川尻達也
「大晦日はタイトル戦? 戦極との対抗戦?
『僕は信じてますから』」
三崎和雄 緊急企画
「三崎和雄は祭りをぶち壊す男である」
北岡悟
「大晦日参戦? それは無理ですね(断言)」
廣田瑞人
フリー、戦極&SRC、大晦日…
「戦極を背負う覚悟はできた」
DREAMvs戦極対抗戦
こんなカードが見たい! 特選16カード
本多編集長の格闘見聞録
「大晦日、日本格闘技界
“夢のオールスター戦”実現へ」
[戦極〜SRC]
戦極史 〜2年間の軌跡〜
2007.10.15−2009.11.7
12大会&出来事を一気に振り返る
“戦極ラストマッチ”
11・71第十一陣両国大会リポート
「最後まで、戦極。」
福田富昭日本レスリング協会会長
もう一つの大同団結 日本格闘競技連盟、スタート
「“異種格闘技大会”開催も…」
キング・モー、直撃!
「戦極だってDREAMだって興味あるさ!
…IGFもね」
[特報 11・7ストライクフォース]
エメリヤーエンコ・ヒョードルvsブレット・ロジャース
ジェイク・シールズvsジェイソン・“メイヘム”・ミラー
ゲガール・ムサシvsソクジュ
スコット・コーカー ストライクフォースCEO緊急取材
「2010年、ストライクフォースの多くの選手が
DREAMで闘うことになる」
ギルバート・メレンデスが語る
日米MMAの現状と本質、そしてジャッジ問題
「日本のほうがジャッジは優れている」
[10・25DREAM.12 ホワイトケージ出現!]
[連載「オランダ通信」]
バス・ブーン
ゴールデン・グローリー名物マネージャーが激白!
「アリスターがヒョードルと闘うのは、日本が一番いい。」
エディ・アルバレス
「ナックルスターは焦らない」
前田吉朗インタビュー
「“自信”の証明」
?阪剛のTK式格闘学会
「アルバレスvs菊野/前田vsビービ」
柴田勝頼
「これで“新日本”にはひと段落つきました」
【総力特集 This is VTJ!
バーリトゥード・ジャパン 伝説復活の全ドラマ】
帰ってきた佐藤ルミナ
VTJ’99と’09の涙の違い
五味隆典インタビュー
「早ければ年末のUFCにも出たい」
リオン武
「修斗の宣伝部長として○○を考えてます!」
独走スクープ!
キング・オブ・ザ・ケージ(KOTC)、
2010年1月30日、日本上陸決定!
“修斗版・法の番人”鈴木利治の
VTJ“実験”総括
〜新グローブ、5R制、パンクラス参戦〜
ルミナ、リオン、出場選手が語る
VTJ“実験”体験
坂本一弘サステイン代表が明かす
あるデザイナーの死とロゴマーク秘話
“打撃コーチ”小野寺力・RIKIX会長が見た
ルミナ快勝劇
「最後まで佐藤ルミナを貫いてほしい」
中井祐樹が見たVTJ’09&北岡悟
「格闘技と生き方は密接につながっていないと
ダメだと思います」
【特集 格闘家の生きざまとレフェリング】
武田幸三
「崖っぷちのギリギリまで生きた」
大成敦K-1ルールディレクター、
K-1のレフェリングを語る
「“誰がそれを止めるのか”」
谷川貞治K-1イベントプロデューサーは
どう見たのか?
和田良覚
「レフェリングの第一条件は選手の命を守ること」
?阪剛
「桜庭和志の強さは古武術家の域にある」
[特集 UFC SPECIAL]
宇野薫×秋山成勲×水垣偉弥
世界に羽ばたくMMAファイター異色対談!
「夢と危険が背中合わせ だからアメリカをやめられない!」
秋山成勲アメリカ武者修行
「クートゥア、グリフィンから
打撃も寝技もどんどん盗みたい」
“奇人”朝日昇が見たアメリカMMA
「吉田善行の負けも屈辱だけど、
岡見勇信の負けのほうが辛い」
〈10・24UFC104〉
リュート・マチダvsマウリシオ・ショーグン
岡見勇信vsチェール・ソネン
吉田善行vsアンソニー・ジョンソン
[連載「ブラジル通信」]
ショーグンがリョート戦の判定に反論!
「絶対に勝っていた」
[連載「UFC通信」]
「TUFファイター サンチェスがB.J.に挑む!」
[特集 打撃最前線]
〈MMA&打撃系〉
青木真也×神村江里加
「一人っ子のAB型は格闘技向き!?」
〈10・26K-1MAX〉
MAXのセカンドシーズンは、ペトロシアンが主役になる
佐藤嘉洋
「リョート、長谷川穂積、ペトロシアンに通じるもの。
実力があって真っ向勝負な選手がいてもいい」
佐々木功輔の打撃研究所
「ペトロシアンを丸裸にせよ」
[連載「セコンドアウト」]
「K-1とムエタイの不思議な味覚」
[連載「GOD in K-1」
「10・26MAXで問題になった試合の判定を考えてみよう」
〈11・2Krushライト級GP〉
Krushライト級GPが生んだ最大のドラマ
ドキュメント“傷”
石川直生は大晦日参戦を諦めない!
「60kgの凄さはもう、既成事実でしょ?」
魔裟斗に挑戦し続けた男
それが大宮司進の生き様だった
石井宏樹 三度目の正直でラジャダムナン王座奪取を狙う
「ゴールは近い。山本真弘戦? 逃げも隠れもしませんよ」
<<KEY PERSON>>
独占撮!
今成正和、12・19DEEP金網出撃前に挙式!
「一本勝ち、誓います。」
[連載「気になる格闘家」]
ベルナール・アッカ、12・19DEEP金網出撃!
「芸人、辞めました。
野獣、はじめました。」
戸井田カツヤ
「頑張っても世界には届かない、だから…」
尾崎広紀
「12・5金網からの再始動」
<<大好評! 連載コラム>>
[連載「前田日明コラム」酔生独言]
「寝耳に水! 散弾銃の弾薬“不法所持”事件」
[連載「長南 亮コラム」クエストジャパン]
「ムエタイに挑む男」
■その他、国内試合リポートや連載コラムなどなど、いつも通りの充実した内容でお届けします!!
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ