シャラポワが完全復活 進化の秘密はサービスにあった=テニス
「何年も毎日、テニスを楽しんでいた私にとって、手術後の長いリハビリ期間は、長く暗い日々だった。そのときの努力が実ったと思う。今は負けの苦しみより、勝てる喜びを実感している」
東レPPOのシャラポワは、勝つ喜びとともに、術後の肩をかばわずにラケットを振り抜ける喜びを満喫していた。コートにボールを入れることなど二の次なのかと思いたくなる全力ショットは、多くのアウトとともにウイナーを量産する。出入りの激しいショットはサービスも同じ。エースとダブルフォールトの数は準々決勝のベネソワ戦が6/8、準決勝のラドワンスカ戦が1/6、7ゲームで終わった決勝のヤンコビッチ戦は4/1。肩の順調な回復が、負傷前と変わらぬ強気な攻めを支えている。
「目標はもっとアグレッシブに戦うこと。以前の自分はベースラインでもネット際でも、どんな場面でもアグレッシブに戦っていた。それがようやく戻ってきた」
ノーシードゆえ、6日間で6試合のタイトな日程も、シャラポワにとっては格好のリハビリのよう。7ゲームで試合を取り上げられた決勝を除き、試合後の会見は充実した表情だった。
シャラポワの現状復帰が肩ならば、進化はサービスにある。全米オープン3回戦で敗れて今大会までに生まれた2週間ほどの時間を、サービスの練習に費やした成果は、東レPPOでさっそく表われた。テークバックにリズムが生まれ、エースが1つだったラドワンスカ戦でも、ファーストサービスの確率は66%と悪くなかった。
ベスト16止まりだった翌週の北京で、今季のツアーを終えたシャラポワ。長いオフをじっくり練習にあて、来シーズンの訪れを心待ちにしている。
東レパン・パシフィック・オープン
シャラポワ 5−2(途中棄権) エレナ・ヤンコビッチ(セルビア/第7シード)
<準決勝>
シャラポワ 2−1 アグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド/第11シード)
(6−3 2−6 6−4)
<準々決勝>
シャラポワ 2−0 イベタ・ベネソワ(チェコ)
(6−4、7−5)
<3回戦>
シャラポワ 2−1 アリサ・クレイバノワ(ロシア)
(2−6、6−2、6−2)
<2回戦>
シャラポワ 2−1 サマンサ・ストーサー(オーストラリア/第12シード)
(6−0、6−1)
<1回戦>
シャラポワ 2−1 フランチェスカ・スキアボーネ(イタリア)
(4−6、7−5、6−1)
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