必然の敗戦に見えた明るい材料=日米大学野球・第1戦リポート」

島尻譲

最速156キロ右腕に3安打完封負け

敗戦投手になった先発の二神。2戦目以降で雪辱を果たせるか 【島尻譲】

【日本 0−3 米国】

「予想よりもアメリカの投手が良かった。序盤、コントロールが定まらないうちにかき回せなくて、本来の調子を出させてしまった。打線も3安打のみで送りバントも決められない。今日は完敗でした」
 試合後、まず榎本保監督(近大)はそう語り、数多くの報道陣に頭を下げた。米国の先発・コールは米大リーグ・ヤンキースのドラフト指名を蹴った最速156キロ右腕で、この試合でもストレートは常時150キロ(最速155キロ)を計測。そして、外国人投手特有の打者の手元で動くムービングボールや緩い変化球もたくみに投げ分ける。
 4回裏に日本は2つの死球でチャンスをつくったが、4番・中田亮二(亜大=4年)の痛烈な打球が中堅手の真正面に飛ぶなどのハードラックもあって得点にはつながらず。7回裏は中原恵司(亜大=4年)が初の長打となるライトオーバーの三塁打を放ったものの、本塁は遠かった。

「やるべきことができず、負けるべくして負けた」

敗戦の中にも、果敢な走塁など日本の持ち味が見えた(写真は加藤=九州国際大) 【島尻譲】

 かたや米国は打者2巡目に入った4回表に二神一人(法大=4年)から3番・コロンの右中間三塁打と4番・ニューマンの左前適時打で2得点。9回表には代わったばかりの東浜巨(亜大=1年)から送りバントをキッチリ決めた後に6番・ウィルキンズの左前適時打と、数少ないチャンスで着実に加点したのである。
 5回2失点で敗戦投手となった二神は、「先取点を取られないように、対アメリカとか関係なく、自分のできる投球をしようと思っていた。1巡目はそれができたが、4回はストレートが浮いたところをアメリカ打線が見逃さなかった。とにかくアメリカ打線は振って来るという印象。今日は不本意ですが、初戦でデータを引き出せたという部分もあります。これをチームも自分も明日以降に生かせるようにします」とコメント。
 榎本監督も、「アメリカは圧倒的に強いという印象ではなかった。日本がやるべきことをできなかったから負けるべくして負けた。確かにどっちに曲がるか分からない動くボールをバントするのは難しいのですが、今後どうにかしないと。あと、最後に投げた東浜にしても自分らしい投球ではなく、様子を見るような感じでした。そういう戦い方は2戦目以降したくありません。練習時間は多く取れないが、そういう部分は修正するように選手たちには伝え、明日から巻き返します」と打倒米国はこれからだと語り、球場を後にした。

 なお、この試合で日本に明るい材料もあった。
 戦前から目指していた積極的な走塁という部分で、日本は果敢に盗塁やランエンドヒットを試みた。さらに、野村祐輔(明大=2年)、中後悠平(近大=2年)が中継ぎとして機能。米国打線を寄せ付けなかったことは、残り4戦でボディーブローのように効いてくるはずだ。

<了>
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著者プロフィール

 1973年生まれ。東京都出身。立教高−関西学院大。高校、大学では野球部に所属した。卒業後、サラリーマン、野球評論家・金村義明氏のマネージャーを経て、スポーツライターに転身。また、「J SPORTS」の全日本大学野球選手権の解説を務め、著書に『ベースボールアゲイン』(長崎出版)がある。

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