[2009年MMA新潮流]40日目の激白。五味隆典=『格闘技通信』発
今、五味の目に映るものとは……。写真◎保高幸子 【格闘技通信】
――あのタイトルマッチから1ヵ月と少し経過しました。あれからどう過ごしていたんですか。
「試合の話はいいんですか?」
――できれば、試合についても聞かせてほしいですね。
「見ての通り、何もできませんでした。PRIDEから見てくれてるファンの人には、別人のように映ったかもしれないですね。僕もわかんないです。どうしちゃったんだろう、という感じ。エネルギーが出なくて、終わった瞬間は……解放されたっていうか、一つの務めが終わったんだなと、正直なことを言うと、そんな気分でしたね」
――解放されたというのは、ライト級のトップランナーという立場を引き継いだという感覚ですか。
「そういうことでしょうね。最近ずっと空回りしていたところもありますけど、あの時も何もかも噛み合わなくて。具体的には、練習量が少ないというのもあったでしょうし、2年間であそこまで落ちてしまったということですよね。いろんなことが重なった2年間でした。考えなしに木口道場を飛び出して、一人でジムをはじめて。はじめた以上、しっかりジムの子の面倒を見ようと思ってましたし。プロの舞台でも相手が決まるまで待つというか、挑戦者を待つという形でしたよね」
――「ロード・トゥ・五味」というトーナメントが行なわれていたわけですからね。
「追われる者より、追う者が強かったというのもあるでしょうね。もちろん、そんなことは言い訳にはなりません。それを承知で、舞台に上げていただいたんですから。とにかく、北岡選手がすべての面で上回ってたということです。彼もこうして見られる立場になって、戦極を引っ張る立場になったわけですし、これからはお客さんも彼の連続一本勝ちがどこまで続くかというのを見に来るでしょう。いいチャンピオンになって、勝ち続けてもらいたいですね」
――北岡選手は、リング上で再戦を要求したようでしたけど。
「今はどうでしょう。とにかく彼の完勝ですよ。今までのように一発勝負で勝つんじゃなくて、リベンジでボコボコにするっていうのも魅力あるんでしょうけどね。まずは彼は彼の力で戦極を盛り上げていかなきゃいけないし、未来を見て進んでいってもらいたいですね」
――試合後は、「フィジカルを元に戻したい」と言っていましたが、力が落ちたという実感は大きかったですか。
「トレーニング不足というのはありますよね。何も力が出なかった。三崎(和雄)さんの試合が終わった時、『来たな』という感覚はあったんですよ。これは僕に日本人初のチャンピオンになれと言ってるんだなと思って、ちょっとマインドコントロールに入ったんですけど、いざリングに上がって30秒ぐらい経ってみたら、汗が一滴も出なかった。そこでちょっと気持ちが引いちゃったところもありますね。あいかわらず反応はいいし、タックルも切れてるから、『時間をかければ大丈夫だな』と思った瞬間だったんですけど、汗も出ないし、トルクも上がんないなと。入場の時は、お客さんがすごい歓声で迎えてくれて、ありがたかったんですけどね。そこにたどり着くまでにヘトヘトだったという感じですね」
――戦極がスタートしてから、その試合にたどり着くまで、ということですか。
「はい。旗揚げの(ドウェイン・)ラドウィック選手なんかはずっと見てましたし、K-1で活躍してる選手だったから良かったですけど、ロード・トゥがはじまってからですかね。ものすごく長く感じました。たった半年なんですけど、10年ぐらいに感じました。すごく長かったし、精神的にきつかった」
(1・4戦極の後、五味は何を思い、何をして過ごしたのか? また、これから五味が選ぶ道とは? 五味が胸の内を明かします。続きは本誌『格闘技通信』4月号をお読みください)
(文=本島燈家)
圧倒的ボリュームで格闘技界の情報をお届けする月刊格通! 巻頭カラーでは吉田秀彦の「引退発言」の真相に迫る!! また「軽量級の時間ですよ」題し、山本“KID”徳郁や今成正和、前田吉郎といったDREAM&戦極に出場する軽量級ファイターに総力取材を敢行!! さらに、桜井“マッハ”速人&川尻達也、桜庭和志&柴田勝頼、北岡悟&川村亮、郷野聡寛&野木丈司といったスペシャル対談も企画。その他、多数の連載や特集は、2月23日(月)発売の『格闘技通信』4月号(?456)で掲載されます。
『格闘技通信』 2009年4月号(?456) 【格闘技通信】
2月23日(月)発売! 定価860円(本体819円)
※一部地域では発売日が異なります。
発行 (株)ベースボール・マガジン社
吉田秀彦の表紙が目印!
《SPECIAL FEATURE》
[MMA新潮流]
吉田秀彦「引退と我がMMA人生」
ヒョードル vs UFC噂の真相 ワジムM-1G社長が明かす!UFCとの交渉の内幕
桜井“マッハ”速人×川尻達也 茨城師弟コンビ対談
桜庭和志×柴田勝頼「ぼくら、“プロレス部族”です」
北岡 悟×川村 亮「オレたちのパンクラスイズム」
五味隆典「40日目の激白。」
中井祐樹with八隅孝平「日本の格闘技は分かれ目に来ている」
エメリヤーエンコ・ヒョードル「アルロフスキーをKOできるとは思っていませんでした」
ほか國保尊弘戦極広報、上原譲ZST広報、井上克也、渋谷修身
[田村vs桜庭とは何だったのか?]
宮戸優光「田村vs桜庭は、すごい試合だった」
山本喧一「リスクが大きかったのは、じつは田村さんのほうだったんです」
[大特集 軽量級の時間ですよ]
■DREAMフェザー級GP
DREAM & 戦極フェザー級GPの読み方
山本“KID”徳郁「復帰&DREAMフェザー級参戦を語る」
今成正和「“足関十段”と呼ばれていること? 別になんとも思わない」
前田吉朗「しょせん、今は中堅レベル。結果を出さんことには」
高谷裕之「殴り合いは“永遠の定番”」
山本 篤「KIDさんと対戦? フェザー級GPでは考えてはいないですけど、いつかは…ね(笑)」
西浦“ウィッキー”聡生「危険なことが大好きです」
大塚隆史「“ジャッピーニャ”の大番狂わせ宣言!!」
■戦極フェザー級GP
日沖 発「『日沖発が世界一』と認めさせる闘い」
門脇英基「怖い。逃げたい。でもやんなきゃいけねぇ」
山田哲也「スーパー高校生“山田伝説第一章”の始まり」
小見川道大「吉田選手と中村選手が負けた悔しさを晴らす」
金原正徳「俺と所さんで戦極&DREAM統一マッチ」
廣田瑞人 & 田澤聡 & 神酒龍一 & 石渡伸太郎 & 山内慎人with桜田直樹「受け継がれるGUTSMAN魂」
佐藤ルミナ「SB勝利。修斗ではまだ連敗中」
田原しんぺー&山上幹臣「埼玉シューターが修斗最軽量級を切り開く!」
渡邉一久「“反則王子”K-1&MMAに宣戦布告」
石川直生「俺のKickboxism」
[UFC特集ウェルター級 世界最高峰への挑戦]
長南 亮「GSPを避けたくない」
郷野聡寛with野木丈司「水漏れふさいで頂点を目指せ!」
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青木真也コラム「世間にほえろ!!」
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