「変わっていく高校バスケの姿」が感じられた大会初日=高校選抜バスケ
会場のレイアウトの変更が、シュートタッチにどれだけ影響するか!? 【(C)JBA】
まずは、「環境の変化」。今大会はJ SPORTSにて全96試合が放映されることになったため、東京体育館のコートレイアウトが変わった。見る側にとっては大きな変化だ。さらに、メーンコート1面のみのゲーム進行(男子は準々決勝、女子は準決勝以降)になるまで見られなかったコートペイントが1回戦から施され、プレーする側にとってもウインターカップの舞台に立ったことをより実感できるようになった。
1回戦から頂点を目指す実力校
「うちは1、2年生のみの下級生チームなので、まだ“強さ”がない。だから立ち上がりは(動きが)硬かった。そういう意味では1つ(試合を多く)経験できてよかった」とは、1回戦で岡豊(高知)を95−37で下した中村学園女の吉村明コーチ。今夏のインターハイはシードにより2回戦からの登場だったが、自分たちのバスケットを出せずじまいで初戦敗退していた。発展途上のチームが勝ち上がるには、試合ごとに成長できる1回戦スタートの方がいいのかもしれない。
また、滋賀短大付(滋賀)に73−64で勝利した金沢総合の星澤純一コーチは「東京体育館のような大きなコートは、普段とはシュート感覚が本当に違う。1試合分のシュートを打てた差で、番狂わせが起きたりするんですよ」と不敵な笑みを見せた。金沢総合の2回戦の相手は、インターハイベスト8の常葉学園(静岡)。決して簡単な相手ではないが、先述のようにレイアウトの変わったコートで、その“1試合分”の差がどこまで両チームの差を埋めるかは、女子のシード16チームが出そろう2回戦の共通の見どころと言える。
初出場チームの明と暗
松山南は思い切りのいいプレーを見せたが、 全国での勝ち方を知らない弱みが最後に出た。写真は、ドリブルする松山南の坂本(背番号5) 【(C)JBA】
一方、69−70で出雲北陵(島根)に敗れた松山南にとっては、“あと1点”が大きかった。後半は3点以上の点差が開くことなく進み、残り1分で同点。その後、1度は勝ち越すも、出雲北陵のセンター、背番号7の高橋明央に続けてフリースローを与えてしまい、1点差の惜敗となった。
「最後に高橋君がリング下で攻めてきたのを止められなかった。その勝負どころでの強さが、4年連続出場している出雲北陵さんとの違いなのかな……」と對尾圭三コーチは自らも目に涙を浮かべながら振り返った。それでも、松山南は県立の進学校で練習時間も限られるなか、全国大会がどういうものかを後輩に見せた上でバトンタッチした。
「また来年もこういう所に戻ってきたいと、選手が1番思ったでしょう」(對尾コーチ) それは、チームの歴史が変わった瞬間であり、新しい1ページの始まりだ。24日の大会2日目も女子2チーム、男子3チームの初出場チームが登場するが、彼らがどんな歴史を作るのか、見届けてほしい。
<了>
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