健介が齋藤をラリアットで撃破、GHC防衛=ノア

高木裕美

健介がGHC王座防衛。来年3月に秋山と決戦へ 【前島康人】

 プロレスリング・ノア「Winter Navig.’08」最終戦となる7日の日本武道館大会では、GHC2大タイトルマッチなどが行われ、1万1000人を動員した。
 メーンイベントではGHCヘビー級王者・佐々木健介が齋藤彰俊を北斗ボムからのラリアット2連弾で倒し、2度目の防衛に成功。次期挑戦者には第5試合で前王者の森嶋猛をフロントネックロックで仕留めた秋山準が決定し、来年3.1日本武道館でV3戦が行われることが濃厚となった。

 健介と齋藤は93年8.22新日本プロレス富士急ハイランド大会でシングル初対決を行っており、健介の化身パワー・ウォリアーが「反選手会同盟」の一員であった齋藤に圧勝。この一戦で空手家からプロレスラーを本格的に目指すことになった齋藤は、健介への王座挑戦が決まるや開幕戦となる11.14後楽園の試合後、健介を縄で縛り、パワー・ウォリアーのお面をかぶせて挑発。15年前の初対決を思い出させることで精神的な揺さぶりをかけていた。

健介がV2に成功、秋山が挑戦へ

ラリアットの相打ちなど、お互いの感情をぶつけ合った両者 【前島康人】

 これが3度目のGHC王座挑戦となる齋藤は、ゴングと同時に雄たけびを上げながら健介に突進していくなど、この一戦にかける闘志を爆発。力比べやチョップ合戦ひとつをとっても、火花が散るような意地の張り合いを繰り広げる。
 王者・健介は5分過ぎに食らった延髄へのスライディングキックのダメージでダウンを喫し、執ような腕攻めで防戦を強いられたが、激しい打撃戦の中で花道上でのブレーンバスターや雪崩式フランケンシュタイナーなどを炸裂。齋藤の必殺技であるスイクルデスをカウント2で返すと、20分過ぎからは怒とうのラリアット連打。これまでのフィニッシュホールドであった北斗ボムはカウント2で返されたものの、この日の試合でこだわり抜いてきたラリアットで齋藤を振り切った。

 試合後、齋藤と抱き合って健闘をたたえた健介は「いろんな人間が挑戦してくると思うけど、オレは負けない。アイツに勝ったんだよ! 負けるわけないだろ!」と、激闘の末に守り抜いたベルトを今後も巻き続けていくと宣言。次期挑戦者に秋山が決定したことで、「ノアの三本柱である秋山を倒して堂々と防衛してやる」と早くもV3宣言をぶちかますと、その先にある残りの2本柱、三沢光晴と小橋建太にも視線を向けた。

 バックステージで健介オフィス勢と共に祝杯を挙げた健介は、「やっと決まった」と対戦を熱望していた秋山に向かって「この体でブチかましていくだけ」と全力ファイトを予告。この勢いのまま、誰が相手でもベルトを守り抜くことを誓った。

秋山「自分の手でベルトを取り戻したい」

GHCヘビー級次期挑戦者決定戦は秋山(左)が森嶋に勝利 【前島康人】

 一方、王座挑戦が決まった秋山も「自分の手でベルトを取り戻したい」と“外敵”健介からのベルト奪回に闘志を燃やした。秋山は06年9月に丸藤正道に敗れてGHCヘビー級王座から転落後、シングル王座戦線から遠ざかっていたが、今回「次期挑戦者決定戦」という形で森嶋と激突した。

 昨年9.9武道館では秋山にシングル初勝利を挙げている森嶋は、この日も強烈なヒップアタックやトペ・スイシーダ、さらには必殺技のバックドロップまで繰り出すが、秋山はこの猛攻を耐え抜くと、森嶋の巨体をエクスプロイダー、リストクラッチ式エクスプロイダーで投げつけ、スタンド式フロントネックロックで勝利。06年9月以来、約2年半ぶりの王座返り咲きへ王手をかけた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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