“新生”柳本ジャパン、いざ北京へ「五輪出場権を絶対狙いにいく」
柳本晶一監督率いる全日本女子は、2日の初戦でカリブの古豪・ドミニカ共和国を皮切りに、全11チームと対戦する。今夏のワールドグランプリでは惨敗を喫したものの、9月のアジア女子選手権では24年ぶりの優勝を果たした柳本ジャパン。初めて全日本入りを果たした17歳のセッター河合由貴を加えての女子チームが、アジア王者として、ブラジル、キューバ、イタリアなど世界の強豪相手にどこまで渡り合えるのか。
柳本監督に今回の強化のポイント、W杯にかける思いなど、技術面から精神面まで語ってもらった。
強気ともとれる言葉を常に口にする柳本監督。その言葉で自分を、選手たちを鼓舞し続ける 【坂本清】
確かにこの時期(9月)にアジアで勝ったという事は、非常に自分たちのモチベーションを高揚させてくれます。ただ、次の段階に上がっていくには、危機感を持って次の計画を立てたい。それが今のタイミングです。
まだまだ私たちは世界ランキングでいったら、そんなに甘くないと思うから、(さらに強くなるための)そういう強化をしていきたい。W杯の本番では、楽観的というわけではないけど、大胆に思い切ったバレーが出来るように準備をしましょうと全員に言いますね。
また、新たに加わってきた選手にも言った事があります。ここまでチームを作るのに4年も5年もかかっていて、いい物は受け継いでいけばいい。でも、途中から(代表に)きたから、前のことを知らないからって、私たちはハンデがあるとか思わなくていいと。チームが進んでいく時に必要とされている、(足りないところを)補おうとしているから呼ばれたわけで、そこで競争する事でいい物が出てくるのだから、主張はしっかりしなさいと伝えました。個性というか、自分の売りをどんどん出す事によって、チームというのは活性化されるし、また上がっていくんだよって話しはさせてもらいました。
――具体的にW杯での目標を選手と話されましたか?
メンバーみんなに一言ずつしゃべらせました。メダルを獲るためとか、3位以内だとか。もうみんな標準はそこに合わせています。並大抵で取れるものじゃない、でもそこを狙うんだというふうに、主将の竹下(佳江)をはじめとして、みんなそういう事を言ってます。
――W杯に向けての強化のポイントは?
今年のW杯ありきで、いろいろチームを作ってきました。今までで固まってきているものはこのままベースとして生かします。ただ、もう1つランクを上げるためには、ミスに対する厳しさとか自分たちの気持ちの部分が大事。それが何につながるかというと、(プレーの)精度につながる。チームの細かいコンビバレーの約束事をきちっとした精度で完結させていく。そのつなぎしか日本(が持っているもの)はないと思うのね。
例えばアジア選手権で、中国と戦った時に良かった事は、(高さの)小さなブロックでもイレギュラーのもの(場外に出たボールなど)がありませんでした。ブロックにボールが当たって、上にボールがはじかれるというチャンスをもらって切り返す事ができた。それをやったらできる(勝てる)んだっていう証だと思う。それを証明してみせたのだから、そういったプレーの精度をもう少し上げる事。アジア選手権もグランプリも、その前の合宿、欧州遠征も、これは全部W杯に向かうためにやってきた訳で、その節目、節目ではいろんな事を言われましたけど、いよいよ始まるかなって思いますね。
――気持ちの高まりみたいなものはありますか?
当然そういうものはありますけど、それを出していい時と悪い時とタイミングがあります。W杯では(北京五輪出場権を)絶対狙いにいく。(監督である)自分がそういう事を思ってそれを実行する事で、チームもそういう気持ちになってくると、リーダーとしては思ってます。
<了>
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