ヒョードルより強い? “自称世界トップ3”ゴリアエフが五味KO予告=戦極

長谷川亮

戦極第六陣で五味と対戦するゴリアエフ。打撃戦にも自信満々 【チナスキー】

 開催が2日後に迫った「戦極〜第六陣〜」(11月1日、さいたまスーパーアリーナ)。30日には都内ホテルで参加外国人選手の個別会見が開かれた。

 五味隆典の対戦相手となるセルゲイ・ゴリアエフ(ロシア)はこれが初来日。
「とても強くていい選手、ライバルだと思っています。彼と素晴らしい試合をしたい」と五味の印象を語ったが、こういった会見にはまだ慣れていないか、記者たちに囲まれやや戸惑っているようにも感じられた。

 しかし会見が進むにつれ、ゴリアエフは徐々に強心臓ぶりを発揮。
「3年前、一緒に練習をしたことがあります。彼の家でも私のクラブでも練習をしました」とロシアの英雄エメリヤーエンコ・ヒョードルについて語り、「私の方が強いですよ」とガッツポーズを作りながら笑顔でジョークを飛ばす。ヒョードル直伝のテクニックもあるとのことだが、これに関しては「シークレット」と口をつぐんだ。

強気のKO予告!「左のパンチで五味の右側面をとらえて倒す」

自称“世界トップ3”と豪語すると、「左のパンチで五味を倒す」と強気のKO予告 【チナスキー】

 さらに自身が考えるライト級世界トップ3のファイターを問われると、「(ヨアキム・)ハンセン、五味、自分」と回答。ゴリアエフが自信を見せたコメント通りの実力者であるなら、「第六陣」での対戦はライト級における世界最高レベルの戦いということになる。

 ムエタイをバックボーンとしながら、サンボ仕込みの関節技で10勝のうち8試合を一本勝ちで決めているゴリアエフ。だが、「キックとパンチの方が得意」であるといい、五味戦に関しても「左のパンチで五味の右側面をとらえて倒したい」「ヒザ蹴りを使いたいと思っている」と打撃でのフィニッシュをイメージしているようだった。

 一方の五味は15日の会見で「ちょっと気持ち的にモヤモヤしたのがあるので、それをなくすにはKO・一本しかない」と“スカ勝ち狙い”を宣言。両者の強打が飛び交う乱打戦が予想される。

自然体のサンチアゴ「今夜試合をしたいぐらい」

ミドル級GP優勝候補と目されているサンチアゴは自然体で必勝を誓った 【チナスキー】

「第六陣」ではミドル級とライト級のグランプリファイナルが行われ、2階級で優勝者が決定する。この日は大会第1試合に出場し、ミドル級グランプリ準決勝で対戦するジョルジ・サンチアゴとシアー・バハドゥルザダも、それぞれ個別で囲み取材に応じた。

 優勝候補に挙げられるサンチアゴだが、本人はそうした意識や予想を聞いたりもないようで、意外そうな反応を示した後で「そう言われていることはあまり気にせず、リングの上で自分のやるべきことをやるだけ」とコメント。「今夜試合をしたいぐらい最高のコンディション」ともいい、計量を翌日に控えながら水分補給を欠かさないなど、言葉通り最高の状態を作り上げてきたことがうかがえる。

 特別なバハドゥルザダ対策はないと言うサンチアゴだが、「誰が相手でも私にはグラウンド・スタンド両方に武器がある。リングに上がってから勝つための戦法がまとまると思うが、相手が攻めてきたなら逆にそれを活かして勝利したい」と臨機応変にバハドゥルザダ戦へ臨むことを明かした。

静のバハドゥルザダ「私はストライカー」

静かな物腰のバハドゥルザダは、ストライカーとして臨むことを強調 【チナスキー】

 自然体でリラックスした印象のサンチアゴに対し、バハドゥルザダは緊張もあるか口を真一文字に結び、非常に物静かな印象で姿を現した。
「相手への対策はとてもシンプル。彼はグラップラー、私はストライカーなので、テークダウンを取られないようにするということです」
 さらにバハドゥルザダは、「相手のウィークポイントを突くというやり方もあるが、私は自分の能力をできるだけ高めようと思いトレーニングを積んできた。今回はコンディショニングに力を入れ、これまでよりテークダウンに対する防御もよくなったと思う」と、あくまで“ストライカー”として今大会に臨むことを強調。決勝戦で対戦となる中村和裕・佐々木有生の両名もグラップラーであることから、いかに倒されず得意の打撃を発揮するかに重点を置き練習をしてきたようだ。

 柔術黒帯でありながら打撃にも光るものを持つサンチアゴはスタンド勝負を仕掛けることも考えられる。寝技のサンチアゴvs.打撃のバハドゥルザダとなるのか、あるいは打撃戦が展開されるのか。この日は静かな2人だったが、2日後には激しい戦いが待っている。

戦極〜第六陣〜

11月1日(土)さいたまスーパーアリーナ 開場14:00、開始16:00

<第11試合 ライト級グランプリシリーズ2008ファイナル>
[同級セミファイナル(1)の勝者]
[同級セミファイナル(2)の勝者]

<第10試合 ミドル級グランプリシリーズ2008ファイナル>
[同級セミファイナル(1)の勝者]
[同級セミファイナル(2)の勝者]

<第9試合 ライト級ワンマッチ>
五味隆典(久我山ラスカルジム)
セルゲイ・ゴリアエフ(TEAM BUSHIDO)

<第8試合 ライトヘビー級ワンマッチ>
キング・モー(チーム・クエスト)
ファビオ・シウバ(シュート・ボクセ・アカデミー)

<第7試合 ライトヘビー級ワンマッチ>
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(チーム・ノゲイラ)
モイス・リンボン(ヨーロッパ・トップチーム)

<第6試合 ライト級グランプリシリーズ2008リザーブマッチ>
ホルヘ・マスヴィダル(アメリカン・トップチーム)
ハン・スーファン(CMAコリア)

<第5試合 ミドル級グランプリシリーズ2008リザーブマッチ>
竹内 出(SKアブソリュート)
ジョー・ドークセン(チーム・エクストリーム)

<第4試合 ライト級グランプリシリーズ2008セミファイナル(2)>
北岡 悟(パンクラスism)
光岡映二(和術慧舟RJW)

<第3試合 ライト級グランプリシリーズ2008セミファイナル(1)>
廣田瑞人(GUTSMAN修斗道場)
横田一則(GRABAKA)

<第2試合 ミドル級グランプリシリーズ2008(2)>
中村和裕(吉田道場)
佐々木有生(GRABAKA)

<第1試合 ミドル級グランプリ準決勝シリーズ(1)>
ジョルジ・サンチアゴ(アメリカン・トップチーム)
シアー・バハドゥルザダ(ゴールデン・グローリー)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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