ロングインタビュー秋山成勲がいま伝えたいこと 吉田秀彦、石井慧、柔道、そして格闘技=『格闘技通信』発
闘いを終え、つかの間の休息をとる秋山。小雨の降る空を見上げ何を思うのか…。写真◎金城聖子 【格闘技通信】
吉田先輩は柔道家なら一番憧れの存在。
吉田先輩と僕がやることで、
格闘技界が盛り上がるのであればと思う
――7月の大阪では柴田勝頼選手に、9月のさいたまでは外岡真徳選手に、DREAMでの2試合はいずれも一本勝ちでした。
「いやぁ、率直にもっと練習をしなくちゃいけないな、と自分ではすごく思いました」
――とはいえテレビ中継ではいずれも瞬間最高視聴率を記録されて、DREAMというリングについての印象はいかがですか?
「大きい舞台ですし、選手としてDREAMという舞台で試合ができることは、すごく幸せなことだと思います。自分も他の選手も、DREAMに出たいと思っている選手も、そう思っていると思います」
――これまで出場されてきた大会と比べると、いかがですか?
「やることは一緒で、闘うっていうことに関しては何も変わることはないです。どのリングでも与えられた試合を全うして試合をするという形と、それに出させてもらったという感謝の気持ちをもつということに変わりはないですね」
――2試合とも道着を着ての闘いでした。
「柔道着を着て試合をしたいっていう気持ちが強かっただけです。DREAMの一発目だから道着を着たいっていうわけではなく、道着を着て試合をしたいっていう根っこの気持ちが僕の中であったからです。一時は脱いだりもして、相手に応じてということもありますが、『道着を着たいなぁ』という気持ちは常に持ってるんです」
――今後も道着を着て闘うのですか?
「できるのであれば、道着を着ていこうと思います。ただ試合の形式上道着が着られないのであれば仕方がないことで、無理に曲げてまで着ることはないと思います。そういう場であれば、ちゃんとルールに従って道着を着ずに試合をしたいと思います」
――DREAM.6の前々日の会見で、ヘビー級のセルゲイ・ハリトーノフ選手と対戦するマイティ・モー選手が欠場となったことを受けてミルコ・クロコップ選手が対戦相手として名乗りを挙げ、秋山選手も続く形で名乗りを挙げました。無差別級の闘いへの思いもあるようですね。
「柔道には『柔よく剛を制す』って言葉があって、小さいものが大きいものに勝つ魅力もありますし、勝てばさらに気持ちがいいですけど、そういう思いは柔道家全員が常に持ってると思うんです。いろんな考えの人がいてるとは思います。格闘技になれば体重は大きなリスクにもなるし、実力以上に体重は大きく響くので柔道とは違った部分があるんですが、そういう気持ちが少しでも誰かに伝わればなと思います」
――秋山選手は、ジェロム・レ・バンナ選手をはじめヘビー級の選手との試合も経験されていますから、無差別級での試合が実現するのであれば注目を集めると思います。
「あれでミルコ選手も結局できずに自分もできず、相手の選手がちゃんと見つかって試合が成立しました。実現しなかったんですが、ミルコ選手にそういう気持ちがあるのは素晴らしいことだと思います。ファイターとして、見ていても尊敬できると思います。日本人選手みんなもそういう気持ちを持ってても口に出さずに終ったのかもしれませんが、僕が言わせてもらうんであればってことで発言させてもらったんです」
――あの時「じゃあ闘いますか?」ってことになっていたら?
「やってたでしょうね。嘘をついても仕方がないので、発言した以上、ちゃんと責任を取らなきゃいけないですからね」
――無差別級での闘いへの思いと、試合後のリング上での吉田秀彦選手へのラブコールとは関係しているのですか?
「やっぱり柔道家なら一番憧れの存在だと思うんですよ、吉田先輩は。だから、もし対戦が実現するのであれば、自分にとってもすごく意味のある試合になると思いますし、実現することを願いたいです」
――昨年もちょうど今ぐらいの時期に、吉田戦をアピールされていましたね。
「そうですね。団体が違うという大きな壁があるので、すんなりはいかないと思います。吉田先輩と僕がやることで、格闘技界が盛り上がるのであればと思います。格闘技界の底上げというのは、選手として考えなければいけない課題だと思うんです」
――吉田選手と対戦したいという思いは、以前からあったのですか?
「僕のなかには、常にずっとありますね。格闘技界に入った時に、吉田先輩はPRIDEの選手だったんで闘うことはないと思ってました。けど、根というか、心の中では闘えるんであれば闘いたいなって思ってたんです。吉田先輩はヴァンダレイ(・シウバ)選手と闘ったり、ミルコ選手と闘ったり、すごい選手とばかり闘ってるんで、僕なんかとやってくれることはないと思ってたんです。でも、そういう時期も来たのかなと思いますし、そういう時期が来ればほんとにありがたいです」
――柔道時代からの思いでもありますか?
「柔道に関しては、吉田先輩は天才的なものを持ってましたし、格闘技に関してもハートのある試合をされますし、見ていて憧れの存在です。瀧本(誠)先輩や柔道出身の選手がおられるんですけど、僕の中では吉田先輩への思い入れが大きいです」
――柔道時代を含めて、吉田選手とは言葉でのやり取りなどはあったんですか?
「今はほとんど話をしないですけど、柔道時代にちょこっと話をしたとか、それぐらいです。吉田先輩はぽあんとしてる方なので(笑)、正直、残ってる言葉はあんまりないんですけど、いい感じの方です」
(DREAM.6のリング上では、柔道の先輩・吉田秀彦選手に対戦要求のマイクアピールをした秋山成勲。なにかと話題になる、この男があの話題、この話題について本音を語った! 続きは本誌『格闘技通信』12月号をお読み下さい)
(文=中村光伸)
『格闘技通信』 2008年12月号(?452) 【格闘技通信】
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