バレー全日本男子、5連勝で16年ぶり五輪出場決める

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16年ぶりの五輪出場を決め、笑顔で記念撮影をする全日本男子チーム 【坂本清】

 バレーボールの北京五輪・男子最終予選第6日が7日、東京体育館で行われ、日本はアルゼンチンを3−2(26−28、25−13、25−19、17−25、20−18)で勝利し、アジア勢最上位を確定させて北京五輪出場を決めた。日本男子の五輪出場は、1992年のバルセロナ大会以来、16年ぶり。フルセットでジュースにもつれ込むし烈な戦いとなったが、日本はアルゼンチンのマッチポイントを3度しのぎ、最後は主将の荻野正二がレフト攻撃を決めて悲願の五輪切符を獲得した。
 バルセロナ五輪に主将として出場した経験を持つ植田辰哉監督は、試合直後のコート上でインタビューを受けて「おじいちゃんのような松平(康隆・日本バレーボール協会)名誉会長、お父さんのような大古(誠司)さんが、いつも厳しくも優しくも支えてくれた。それを引き継いで今日勝てたことが一番うれしい」と話し、長く閉ざされていた五輪への扉を開けた感慨に浸る一方、続けて「はっきり言いますが、北京ではメダルを狙います」と新たな目標を口にした。

試合後会見の選手コメント

1992年バルセロナ大会では22歳の若手だった荻野。今回は主将としてチームをけん引した 【坂本清】

荻野正二(主将) 「何にも代えられないぐらい、うれしい」

(これまで五輪出場を阻まれたことの)リベンジができて、本当にうれしいです。長い間、38歳までバレーボールをできたこと、この最高の場所に立てたことは、自分の人生の中で大きなことだと思います。初め、1セット目でジュースになってマズイかなと思ったんですけど、2セット目からみんなしっかりまとまった。そう簡単には切符は取れないんだなと思って、ただそういう厳しい状況、戦いを乗り越えていけば今後につながる。今回は最後の最後まで分からなかったですけど、本当にみんなで勝ち取った勝利だと思います。本当にうれしいです。

――バルセロナ五輪の出場を決めた時とどのように違いますか

 当時は22歳で、植田監督がキャプテンで、いろいろな素晴らしい選手がいて、付いて行っただけみたいな感じでした。試合には出させていただいていたが、訳も分からず五輪に行ったという感じ。でも、その五輪に行って私の人生も変わりました。もう一度、この選手たちと行きたい、私を連れて行ってほしいという一心でやってきたので、本当に今回は何にも代えられないぐらい、うれしいです。

――今のチームに伝えたきたこと、チームが伸びた部分は?

 言葉では、あまりうまく言えないタイプなので(伝えたことは、練習を通してのことだと思う)。植田監督の練習が厳しくて何度も挫折しかけたが、一生懸命にボールを追いかけたりとか、一生懸命にトレーニングをすることによって、1年毎にいろんな人から「荻野さんが頑張ってるから、オレらもやらなアカンぞ」というようなことも言われましたし、世界選手権やワールドカップの後には、すごくいろんな人から「全日本、良くなったね」と言われましたし、一緒にやってきたことだと思う。小自慢ですけど、(植田ジャパンに入ってからの)3年半、練習を休んだことはなくて、若い選手と同じメニューをこなしてきたので、それも良かったのではないかと思います。チームが伸びた部分は、あきらめない姿勢。点数が離れても淡白にならずに、勝つ意識が出てきたと思う。今後、もう少し技術的にいろんな面を詰めていけば、最高のチームになるんじゃないかなと思います。

4年越しの思いをかなえた、スーパーエース山本 【坂本清】

山本隆弘 「4年前のメンバーの気持ちを受け継いでここまで来られた」

 今日勝てば自力で五輪出場が決まるという試合で、みんな気持ちが入ったプレーができたと思う。その中で、アルゼンチンもまだ可能性があって死に物狂いで勝ちに来ていたので、楽には勝てませんでしたが、苦しみながらも勝てたのは大きいと思う。僕は全日本に入って8年目になりますが、4年前には、もうこの日の丸をつけたユニホームを着てはいけないと思うぐらいの負け方をしてしまった。また五輪を目指そうと思ってやった来たことが本当に実ってうれしく思いますし、4年前のメンバーの気持ちを受け継いで、ここまで来られたのではないかと思います。(4年前の最終予選もフルセットだったので感慨深いのでは?)この大会で一番、4年前がよみがえったのはイタリア戦。今日は特にフルセットに対しての意識はなかった。

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