ディープスカイ“二冠”へ更に上昇、四位「いい動き」=ダービー追い切り
ダービー最終追い切りで絶好の動きを見せたディープスカイと鞍上の四位洋文 【スポーツナビ】
ダービーTR・GII青葉賞を快勝のアドマイヤコマンド(牡3=橋田厩舎)は、CWコースで併走馬を1秒以上ブッちぎる豪快伸び脚。また、ダービー4勝の史上最多勝ジョッキー・武豊と同2勝の現役最多勝タイ調教師・松田国英調教師の“最強タッグ”が勝負をかけるブラックシェル(牡3)は、坂路併走で猛稽古を行った。
動き抜群! 四位絶賛のフットワーク
「いい動きでした。非常に楽しみが持てる出来」と四位はディープスカイのフットワークを絶賛 【スポーツナビ】
「いい感じで追い切りができましたね。いい動きでした。非常に楽しみが持てる出来だと思います」
直接手綱を通して感触を味わった四位も絶賛のフットワーク。NHKマイルカップを制したことで、さらに馬自身に勢いが増しているようだ。
その3歳マイル王者決定戦、ディープスカイは直線鋭く突き抜けて圧勝。「本当に強い競馬をしてくれました」と四位は振り返る。そのパフォーマンスの素晴らしさから、陣営はダービー参戦を決断。クラシック第一冠の皐月賞組やダービーTR組を押しのけて、今や最有力候補とまで言われている。
キングカメハメハ以来の快挙、達成なるか
キングカメハメハ以来となる史上2頭目のダービー&NHKマイルCの“変則二冠”達成なるか 【スポーツナビ】
昨年、牝馬のウオッカで64年ぶりとなる歴史的勝利を挙げた四位は、今年もまた勝利を意識できる馬と出会えた喜びをこう語る。ただ、武豊に続いて史上2人目となるダービー連覇への記録そのものは多くを語らず、「人間のことは二の次でいい。ディープスカイにとっては1回しかないダービーですし、しっかりいいレースをして、1着を取りたいですね」と、相棒のためにも必勝を誓った。
一方、NHKマイルカップの勝利でGIトレーナーの仲間入りを果たした昆調教師は、胸を張ってさらなる上昇ムードをアピールした。
「NHKマイルカップからダービーへというローテーションは想定していました。その分、さらに上積みを持って臨めます。不安がないわけではないけど、マイルカップより状態は上です。自信を持って出せる状態にあると思いますね」
前走より800メートル伸びる未知の2400メートルについても、「力のある馬。距離もこなしてくれるのでは」と断言。もう一つ上のビッグタイトル奪取への準備は、万端整ったようだ。
ダービー&NHKマイルCの“変則二冠”は、2004年キングカメハメハのただ1頭。2つの距離カテゴリーで頂点に立つことは、生半可な能力では到底たどり着けない極みだ。だが、今のディープスカイの充実ぶりならば、史上2頭目の戴冠劇は十分ある。
一番の出来、デビュー4戦目の戴冠も夢じゃない
アドマイヤコマンドはダービー最終追い切りで豪快な伸び脚を披露 【スポーツナビ】
「今朝は直線だけ追えと指示したのですが、いい動きだったと思いますね。いい形でダービーに臨めます」
このアドマイヤコマンドの抜群の伸び脚に、橋田調教師は手放しで絶好調を強調した。「前走後から予定通りの調整をこなしたし、疲れも取れて、次のレースに向けてうまくいったと思います」と、青葉賞後の調整過程も納得の仕上がり。デビューからまだ2カ月半しか経っていないが、それでも青写真どおりに、しかもダービー有力候補の1頭としてゲートインできることに、トレーナーは「馬が本当に頑張ってくれた。ここまででも褒めてあげたい」と、何度も顔をほころばせながらアドマイヤコマンドをねぎらった。
もちろん、最終目標はまだその一歩先、ダービー制覇にある。1999年アドマイヤベガでダービートレーナーとなった橋田調教師は、2勝目への手応えをこう語った。
「今回は短期間でのダービー挑戦ですが、本当に何の問題もなくスムーズに来れたし、いい状態で臨める。今まで一番いい出来ですし、競馬でも頑張ってほしい」
一方、この日の追い切りでは騎乗しなかったが、新馬戦からコンビを組んでいる主戦の川田は、「能力がすごく高い馬ですし、レースがすごく楽しみですね。あとは、僕が普通に乗れれば(笑)。それだけで十分です」と相棒を最大級に評価。そして、デビュー5年目で訪れたビッグチャンスに「一生にもうないかもしれないチャンス。楽しみたいと思います」と、最高の騎乗を誓った。
2走前のGIII毎日杯ではライバルのディープスカイに敗れたが、キャリアの浅い分だけ上積み・成長度合いはこちらが上。デビュー4戦目にして世代の頂点も夢じゃない。そう思わせる大器だ。
武豊も太鼓判「状態に関しては不安ない」
ブラックシェルのダービー最終追い切り騎乗後、「チャンスはあります」と手応えを語る武豊 【スポーツナビ】
「レース間隔を詰めて適度に使っている馬なので、大きな変化はないですけど、順調ですね。好調をキープしていますし、馬の状態に関しては何の不安もないですね」
フットワークが大きいタイプだけに、小回りの中山2000メートルGI皐月賞では6着と不発に終わったが、広い東京に替わったNHKマイルカップでは2着と前進。「東京競馬場はこの馬に合っている」と、武豊も府中との好相性に太鼓判を押す。
その一方で、2400メートルという距離に関しては「乗りづらい面が少しあって、折り合いに不安がないわけではないので」と若干の心配も……。しかし、そこはダービー最多勝ジョッキーの腕に託すのみだ。
「乗り方一つで問題ない。勝つときはすごい強い勝ち方をする馬なので、力を出し切ればチャンスはあります」
一方で、松田国調教師は共同インタビューで連戦の疲れを問われると、「そういう質問は不愉快ですね」とピシャリ。“きちんと競馬を使って、きちんと稽古をする馬がダービーを勝てる”という持論を展開する敏腕トレーナー。今回のラスト1F13秒7にしても、「最後が13秒かかるくらいの負荷をかけないといけない。12秒台では軽くてダメ。最後にバテるほど強い調教をしないといけない」というダービー仕様の調整を施した結果だという。
「お父さんのクロフネというよりも、ウチの厩舎にいたキングカメハメハ(2004年ダービー馬)に似ていると感じてる」と期待をかける好素材が、松田国調教師に3勝目の、そして節目の20回目のダービー騎乗となる武豊に5勝目をもたらすか。
また、モンテクリスエスはブラックシェル以上と思わせる動きで、4F51秒4−3F38秒1−25秒9−13秒6をマーク。「やっとここに来て完成してきた。どんどん馬が良くなっていると感じます。これなら十分に戦っていけるんじゃないか」と、松田国調教師も満足する好仕上がりをアピールした。
<了>
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