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井上康生が引退会見「柔道人生に悔いなしです」=柔道
一問一答――恩師・山下泰裕氏は「一つの時代が終わった」
引退会見を開いた柔道・井上康生。今後は指導者を目指す
引退会見を開いた柔道・井上康生。今後は指導者を目指す【スポーツナビ】

 柔道・シドニー五輪男子100キロ級金メダリストの井上康生が2日、所属する東京・ALSOK綜合警備保障本社で引退会見を開いた。


 井上は会見冒頭でまず「柔道人生に悔いなしという気持ちです」と語ると、これからの人生で大きな3つの目標として「これまで同様、みなさんに愛される井上康生でありたい」「家族を幸せにすること」「柔道に恩返しをし、社会に貢献できる人間になりたい」と語った。

 今後は指導者を目指し、今年末か来年初めから2年間、柔道指導と語学研修のため欧州へ留学。「強さはもちろん、人間的にも素晴らしい、みなさんに愛される柔道家を育てたい」と抱負を語った。


 また、「日本の柔道がどのようにしたら強くなるか考えていきたい」「(指導する)全ての選手に金メダルを取らせてあげたい。何人の選手に取らせる、ということは分かりませんが、1人でも多くの選手が取れるよう、そういう情熱を注いでいきたい。1人でも2人でも100人でも(金メダリストを)作っていきたいです」とも語り、自身の後継者となるべき人材の育成を誓っていた。


 会見には井上の恩師であり「現役時代はもちろん、指導者としても一歩でも近づきたい」と語り目標とする山下泰裕・東海大学柔道部部長も出席した。

 山下氏は「一つの時代が終わったという感じ。偉大な柔道家であったのはもちろん、技が芸術的に美しかった。あれだけの美しい技を見せてくれる選手は出てこないのでは。お父さんと作り上げた芸術品だと思う。人間的にも我を張ったりすることがなく、“人間って素晴らしいな”と思うことが度々あった。アテネ後、挫折から逃げず立ち上がった経験を指導者として生かしてほしい」と井上をねぎらい、今後を激励。井上は山下氏の言葉に胸に来るものがあったか、上を向き涙をこらえる場面もあった。

けが、結婚、そして引退…現役最終試合は6月8日

4月6日の全日本選抜柔道体重別選手権大会で優勝したが、29日の全日本選手権で敗れ引退を決意
4月6日の全日本選抜柔道体重別選手権大会で優勝したが、29日の全日本選手権で敗れ引退を決意【写真は共同】

 日本柔道界のエースとして活躍してきた井上は、2000年シドニー五輪男子100キロ級で金メダルを獲得。しかし、連覇を期待された04年アテネ五輪で敗退後、05年には右大胸筋腱断裂の大けがを負い、長期休養を余儀なくされた。翌年の講道館杯で復活優勝。07年のフランス国際柔道でも100キロ超級で優勝したが、けがの影響からか全盛期の強さをなかなか取り戻せず、その後は苦戦が続いた。


 3大会連続の五輪出場を目指した今年、かねて交際を続けていたタレントの東原亜希さんと結婚。4月6日の全日本選抜柔道体重別選手権大会(100キロ超級)で、選考レースをリードするライバルの棟田康幸らを下し優勝した。そして逆転での北京出場をかけ最終選考会となる29日の全日本選手権に臨んだが、準々決勝で敗退し、試合後に現役を引退する意向を語っていた。


 井上は、6月8日に開催される全日本実業柔道団体対抗大会(神奈川・横浜文化体育館)にALSOKのメンバーとして参加。これが現役最後の試合となる。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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