黒田博樹、メモリアル・シーズンの幕開け

カルロス山崎

日米の違いもポジティブに

決勝の地はドジャー・スタジアム? 3月24日に日本で第2回ワールドベースボールクラシックの会見が行われた 【 (C)Getty Images/AFLO】

 ところで、昨年のヤンキース井川慶や、レッドソックス松坂大輔らが悩まされたボールやマウンドの違いについて、黒田はどう対処しているのか。結論から言うと彼は「気にしていない」というか「気にしない」よう徹しているようだ。これから経験する球場、マウンド、対戦相手など、初もの尽くしになることについても「考えすぎないようにしたい」。年間162試合の長丁場でありながら、(日本と違って)先発投手は投げない日もベンチ入りしなければならないことについても、「チームと一緒に戦っていくということで、すごく楽しみな部分もある。新しい野球というか、そういうスタートになるので楽しみ」と、ポジティブにとらえているようだが、あえてそう意識しているようも映る。また、スライダー、シュート、フォークといった持ち球についても「全球種投げられている。中には、日本の時よりもいい感じのボールもある」とあくまで前向きだ。

WBCの決勝はドジャー・スタジアム?

「1試合1試合集中して、どれだけチームに貢献できるか、自分自身もそれは楽しみにしているし、ドジャースの勝利のために目いっぱい投げていきたいと思う」とメジャー1年目についての抱負を語った黒田。目指すは西海岸移転50周年という節目を迎えたドジャースのメモリアル・シーズンで世界一に輝くことだろうが、ことしのパフォーマンス次第では、09年3月に行われる第2回ワールドベースボールクラシックの日本代表に選ばれる可能性も高まってくるだろう。

 これはもちろん、どの選手にも当てはまることではあるのだが、ドジャースが黒田の代表入りを後押しする可能性は十分にありそうだ。というのも、まだ正式発表はされていないが、第2回ワールドベースボールクラシックの決勝会場は、どうやらドジャー・スタジアムに決まりそうなのだ。3月30日付けの『ロサンゼルス・タイムズ』紙で報じられているが、ドジャースのオーナー、フランク・マッコート氏は決勝会場の招致に力を尽くしているそうで、4月上旬にも何らかのアナウンスがあるだろうということ。

 まさにドジャースは、メモリアル尽くしの一年となりそうだ。この幸運なタイミングにメジャーデビューを飾る黒田だが、華を添えることはできるだろうか。

<了>

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著者プロフィール

大阪府高槻市出身。これまでにNACK5、FM802、ZIP-FM、J-WAVE、α-station、文化放送、MBSラジオなどで番組制作を担当。現在は米東海岸を拠点に、スポーツ・ラジオ・リポーター、ライターとして、レッドソックス、ヤンキースをはじめとするMLBや、NFL、NHLなどの取材活動を行っている

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