大学生とストリートボーラーの真剣勝負 非日常なバスケイベント「TSC」の魅力

石井ジョゼ

一夜限りのスペシャル5on5

昨年に初めて開催され、大盛況だった5on5のストリートボールゲーム「TSC」 【写真:@TANA_WIZARD】

 2017年1月21日、東京の真ん中に位置する日本体育大学世田谷キャンパスで、昨年大成功を収めた5on5のストリートボールゲーム「ballaholic TOKYO STREETBALL CLASSIC powered by Sportsnavi(以下TSC)」が開催される。

 明成高でウインターカップ3連覇の偉業を成し遂げた八村塁(ゴンザガ大)も参加経験を持つ、世界中でトップレベルの高校生だけがプレーすることを許されたスペシャルマッチ「JORDAN BRAND CLASSIC」にインスパイアされた本イベントを仕掛けるのは、ストリートボールリーグ「SOMECITY」のオーガナイザーであり、ストリートボールブランドballaholicディレクターを務めるTANA。

「2016年を通じて活躍した選りすぐりのボーラーだけがコートに立てるプレミアイベントにしたい」という趣旨のもと、ballaholicがピックアップしたストリートボール選抜と、日本バスケ界の将来を担う大学バスケ選抜が一夜限りの5on5スペシャルワンマッチを行うことになった。出場ボーラー発表前にもかかわらず、何と3日で1000枚のチケットがソールドアウト。オーディエンスの期待の高さがうかがえる。

非日常的なバスケットボール・ゲーム

 はじめに断っておくと、TSCは、いわゆる体育館やスポーツアリーナで行われる「普通のバスケットボールの試合」ではない。

 ムーディーにライトアップされたコート、ハーフタイムに行われる1on1バトル(オフェンスが成功した場合は得点に加算)、ゲーム展開に応じてプレイするDJ、バッドプレーには容赦ないディスを、グッドプレーには惜しみない称賛を送るMC。どれをとっても普段皆さんが目にしているバスケットボールとは異なるだろう。

 さらに当日使用されるゲームウェアとボールは、「この一年で一番カッコ良いモノを見せたいし、出場してくれる大学生にも何か良いスパイスを与えたい」(TANA)と、この特別な1日のためだけにballaholicがサプライする特別仕様。正しく、非日常なバスケットボール・ゲームといえよう。

一瞬で観客が沸騰した昨年のTSC

 降雪の悪天候にもかかわらず数百人のオーディエンスが行列を作った昨年のTSC。岡本飛竜(拓殖大→島根スサノオマジック)とKOSUKE(田中康佑・西武文理大→BLACKTOP)のマッチアップに、ティップオフ開始直後から割れんばかりの歓声が起こる。カレッジとストリート、それぞれの看板を背負ったエースガードの火花散る攻防に、場内は一瞬で沸騰した。ストリートという空間がなければ、ディビジョンの異なる2人が交わることはなかったかもしれない。

 ゲームは、自力に勝る大学選抜がストリート選抜を退けて勝利。日本代表候補・馬場雄大(当時筑波大3年)が見舞った4本のダンクシュート、ユニバーシアード日本代表・満田丈太郎(当時筑波大3年)のブロックショット、岡本のアンクルブレイクなど、数々のハイライトシーンが生まれた。

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著者プロフィール

ライター、フォトグラファー。1983年、千葉県館山市出身。 中学・高校時代はバレーボール部に在籍していたが、大学在学中に出会ったストリートボールに衝撃を受けて、バスケットボール未経験のまま、ストリートボールリーグ「SOMECITY」にジョイン。2009年からライター兼カメラマンスタッフとして、ゲームレポート、コラム、プレビューなどの作成を担当する。現在は求人広告代理店にコピーライターとして勤務するかたわら、フリーライターとしても活動中。主な寄稿先は『月刊バスケットボール』、『ABOVE MAGAZINE』、『FLY』など。天然パーマと死んだ魚の目がトレードマーク。

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