宇野ら代表、五輪枠懸け世界フィギュアへ「枠取りに関しては団体戦に近い」

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世界選手権代表に選ばれた選手たち 【坂本清】

 フィギュアスケート世界選手権(3月開幕、フィンランド・ヘルシンキ)の日本代表に選ばれた宇野昌磨(中京大)、宮原知子(関西大)ら選手たちが26日、記者会見に出席した。シーズン前半を振り返るとともに、平昌五輪(2018年2月開幕)の出場枠を懸けた大会への意気込みを語った。

 以下は、会見に出席した男子の宇野、田中刑事(倉敷芸術科学大)、女子の宮原、樋口新葉(日本橋女学館)、三原舞依(神戸ポートアイランドクラブ)、ペアの須藤澄玲、フランシス・ブードロー・オデ組(神奈川FSC)、アイスダンスの村元哉中、クリス・リード組(木下グループ)の一問一答。なお男子代表の羽生結弦(ANA)は、インフルエンザのため全日本選手権および本会見は欠席した。

宇野、前半は「まだまだ課題が残る状態」

フィギュア世界選手権代表の記者会見で、質問に答える宇野昌磨。右は宮原知子=26日午前、大阪府門真市 【共同】

――今シーズン前半戦が終わったが、自己評価は? それに加えて世界選手権に向けた課題点は?

田中 グランプリ(GP)シリーズの初戦となったロシア杯では、納得いく演技ができず悔しい思いをしました。そのあとのNHK杯では悔しい思いを、しっかりと課題としてクリアできたので、良い試合をすることができました。そして次の全日本では良い流れを途切らせることなく迎えられた。良いところもあるんですけど、悪いところもたくさんあったので、そういう部分をしっかり直して、世界選手権に臨みたいです。そしてまだまだ世界の選手とは壁があるので、その壁を越えていけるかが僕の課題だと思います。

宇野 シーズン前半が終わって、これまでの試合の中でショート、フリー共にノーミスがまだできていません。特にショートは最低限の演技さえもできていなくて、まだまだ課題が残る状態で後半を迎えることになりました。去年は後半に失速して、満足いく結果を得られなかったので、今季はもっともっと頑張りたいと思っています。

宮原 GPファイナルでショートとフリーで完璧ではなかったですけど、良い演技ができたかなと思っています。でもそのほかのGPシリーズや、全日本は自分の思うような良い演技ができなくて少し悔しいことが多かった前半だったなと思います。世界選手権に向けてはどんなときでもしっかり自分の演技ができる強い気持ちを持てるように頑張って、本番でも良い演技をできるように頑張りたいです。

樋口 シーズン前半のGPシリーズでは、フランス杯もNHK杯も両方ショートがうまくできなかったんですけど、今回の全日本はショートが今季一番良い出来だったので、そこは次につながるかなと思っています。フリーでは細かいミスがシーズン前半から続いているので、世界選手権に向けて、しっかりといつも良い演技をしていけるようにしたいです。

三原 シニアのGPシリーズに初参戦して、とても良い経験ができています。ただ、トップの選手と戦っていく中で課題がまだまだたくさんあります。そこを乗り越えて世界選手権ではノーミスの演技がしたいと思います。

クリス  良かったです。NHK杯のときはケガで大変でした。全日本では良い滑りができてうれしいです。世界選手権では強くパワーのある演技をしたい。目標はトップ10です。頑張ります。難しいですが、できます。

村元 スケートアメリカでは良いスタートが切れて、新しく進化した演技を見せられたのですが、NHK杯では棄権となってしまいました。ただその後、短期間で良い仕上がりに持っていけたのでとても自信になりました。世界選手権に向けては連戦になりますが、壁を越えられるように頑張りたいと思います。

須藤 NHK杯では世界との差を感じましたが、GPシリーズという大きな舞台で、自己ベストを更新できたことは自信になりました。世界選手権では全日本よりも良い演技をして、フリーに行けるように頑張りたいと思います。

オデ 今シーズンは初めてGPシリーズに出場できてうれしかったです。世界選手権も頑張ります。

世界選手権へ向けて

――今回の世界選手権は平昌五輪の枠が懸かるが?

田中 本当に大事な試合だと思っています。初めての世界選手権なので、まず自分の力を出し切って初めて勝負に立てる場だと思います。今以上の力をつけて、100パーセント以上の力を出し切ることが目標です。

宇野 シングル競技ですが、枠取りに関しては団体戦に近いものだと思っているので、自分のミスが日本の枠に関わってきます。プレッシャーはかかるかもしれませんが、日本代表としてそれらしい演技をしたいと思います。

宮原 五輪の出場枠が懸かるのですごく大事な試合だと思っています。その中でも毎回同じになってしまいますが、自分は今できる一番良い演技をすることに集中していて、そのあとに結果はついてくるものだと思っています。でもやっぱりしっかり枠を取れるように頑張りたいし、枠取りに貢献できるようにショート、フリーで良い演技をしたいと思っています。

樋口 初めての世界選手権で、緊張や不安もあると思うんですけど、大会まであと3カ月あるので、今できること以上のことをできるようにして、枠を取れるような演技をして帰ってきたいと思っています。

三原 すごく大きな舞台に日本代表として選んでいただけてうれしいです。少しでも代表に選んでよかったと思われるように、もっと強い選手になりたいと思います。

――宇野選手と宮原選手、初出場の選手にアドバイスはあるか?

宇野 僕が言うことは特にないです(笑)。言えることがあるとすれば、今回もお世話になりますということくらいです。

宮原 私も自分にまだまだ課題があってそんなことを言える立場じゃないなです。枠取りもみんなで良い演技をして、みんなで頑張りましょうというくらいです。

――宇野選手と宮原選手は、四大陸選手権とアジア大会に連戦で出る。どうやって調整する?

宇野 特に何も考えていないです。一番大事にしたいのは連戦でケガをしないこと。前半の疲れがたまってケガをしやすい状況だと思うのでしっかりと気をつけて、そのときにできるベストの演技をしたいと思っています。

宮原 昨シーズンと今シーズンは、NHK杯から全日本まで3つの試合が2週間ごとに続くのはありましたが、2戦続けて毎週末に試合になるのは初めてなので、体がどれだけ疲れるのかは分かりませんが、そのときできるベストを尽くしたいと思っています。

――三原選手、世界選手権に出場ということでシンデレラストーリーはまだ続いていくが、昨夜は全日本を振り返ってどんな気持ちになった? あとエッジの使い方がうまいが、一番の武器は何だと思うか?

三原 昨日の夜は寝るのが遅くなってしまったんですけど、友だちやお世話になっている方からメールがたくさん来ました。そうした感謝の気持ちを忘れずに、シンデレラストーリーの続きを演じていきたいと思っています。「私の武器」と言えるものはまだないので、トップの選手と戦えるようにさまざまな部分を磨いていきたいと思っています。

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