【新日本プロレス】オメガ、プロレス界の“トランプ”に!「この団体の本当のリーダーはオレ」
日本のファンは“洗脳”されている
LIJで勢いが増す内藤を撃破し、G1決勝へ。戦前の予想を覆す勝利となった 【写真:SHUHEI YOKOTA】
会社としては、今一番プッシュしているユニットのリーダーと、BULLET CLUBのボスの対戦、あまり試合を組みたくないと思っていただろうね。日本のファンは、カードだけ見たら、内藤が勝つと思っただろう。なぜかって? ポスターでも内藤の写真の方が大きい。みんな、試合後に『デ・ハポン!』って言いたい。でも、それは日本の意見だけ。それは“洗脳”されてるからだ。しかし、世界のファンなら、どっちが強いか、どっちがうまいか、ちゃんと分かってる。今年、新日本で興行を行った台湾、ニュージーランド、シンガポールでは、誰の試合が一番盛り上がったと思う?
――オメガ選手ですか?
イエス! 他とは比べものにならないぐらい差があったよ。もちろん、会社は絶対、そういうことを言わないけどね。日本でも、いい試合をしてあげたら、“洗脳”が解けてくるだろう。内藤との試合でも、戦っているうちに、会場の客はどっちが強いのか分かってきた。その証拠に、この試合をきっかけに、LIJのファンがBULLET CLUBに大勢来た。
――内藤選手、そしてLIJの勢いについてはどう思っていますか?
いいユニット。別に悪くないけど、一番では無いね。今の新日本の中にはいろいろなテイストがある。BULLET CLUBはガイジンテイスト、国際的。本隊とCHAOSはストロングスタイル、クラシック・ジャパニーズ・レスリング。LIJはルチャ。それらがひとつの会社の中にあるのはいいことだと思うよ。
ベルトを獲って世界発信していきたい
外国人選手としては初となるG1制覇。試合後は、自ら「レジェンドになった」と語った 【写真:SHUHEI YOKOTA】
大きいね。本当は優勝すると思わなかった。それがどれだけ偉大なことなのかは、1週間ぐらいしてから、ようやくその重みが浮かんできた。『すごいことじゃないですか、ケニーさん』ってね。自分としては、ずっとICベルトを持ち続けて、それでドームでも試合をすると思っていた。IC王座防衛がプランA。G1優勝はプランBだった。会社が自分のことを好きじゃないから、プランAが失敗してからは優勝するしかないと思っていた。
――G1初出場初優勝も史上3人目の快挙です。何か事前に作戦などを練った部分はありましたか?
始まる前に作戦は考えたけど、最初に失敗した。スタミナをセーブするために、全部出さないようにしていたらYOSHI-HASHIに負けてしまった。自分も失敗したし、YOSHI-HASHIも新技のカルマを出してきたりと、想定外だったね。
――G1優勝後のマイクアピールでは、日本語解禁という場面もありました。2008年に初来日したDDT時代からキャラクターは大きく変わりましたが、基盤として変わらない部分はありますか?
DDTではいろいろな部分を求められオールラウンドプレイヤーである必要があった。それが無ければ、ここまで来られなかった。その経験が今に結びついていると思うよ。
――来年の1.4東京ドームでは、試合順についてメインから変更となる可能性もありますが?
メインにならなくてもいい。ベルトの価値は変わらない。団体の中の、一番大切にしているベルトであることは変えられない。でも、新日本が試合のポジションを変えたいのなら、ご自由にどうぞ(苦笑)。IWGPを持っている人間が、団体の一番強い人。IWGPは会社の一番大事なベルト、団体の顔だ。
――ドームでも、ラダーマッチのような特別なルールで戦う可能性はありますか?
ドームでは普通に、クラシカルに勝ちたい。もちろん、世界のファンには喜んでほしいけど、自分がベルトを獲ったら、会社は文句言えないだろう? 「黙れ、クソ野郎!」ってね。チャンピオンになったら、自分がやりたいことを信じてやらせてもらう。ベストバウトは今年やったから、来年は世界で勝負したい。日本だけじゃなくて、ベルトを持ったら、もっと世界に注目される存在になるだろう。来年は世界の会場でやりたいし、その場所にふさわしい試合をやりたい。アメリカでラダーマッチとかね。日本がベーシックな試合を望むなら、日本では普通の試合でもいいし。ベルトを獲って、世界発信することで、プロレスのビジネスを変えたいね。
タイガーマスクWは「試合をしたいなら新日本の選手になれ!」
米大統領選挙に勝利したトランプ氏のように、“ヒール”がトップを取る時代になるか!? 【スポーツナビ】
ああ(笑)、彼は普通の試合ではなく、ダークマッチだろう? その正体は分からないが、きっと、新日本には所属していない、DDTとかWWEとか、どんな団体でも戦える立場なんだろうね。もし、オレと試合をしたいのなら、新日本の選手になれって伝えておいてくれ。
――ちなみに、先日、アメリカでは、ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏を破り、大統領選挙で勝利するという大番狂わせがありました。これには、アメリカ国民の「現状を打破したい」という強い思いが原動力にあったと聞いています。新日本も、オカダ、棚橋体制からの変革を求め、ヒールが勝利する時代がやってきたのではないでしょうか?
そうなるかもしれないね。オレが日本プロレス界のトランプになるかも。みんな、トランプは最初から勝てないと思ってたし、メディアでも『そっちを見ないでヒラリーを見ろ』って言ってただろ。でも、誰が勝った? トランプだ。だから、同じかもしれない。マニアックなファンはガッカリしたり、怒るかもしれないけど、この団体の本当のリーダーはこのオレ様。ビジネスに一番いい選手は、新日本が選んだ選手ではなく、このオレだ。それを東京ドームで証明してやる。
――ちなみに、ケニー選手がアメリカ人だったら、トランプ氏に投票していましたか?
ノー(笑)。