数字に表れたハリルホジッチのトライ 国際親善試合 オマーン戦スタッツ分析

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【データ提供:データスタジアム】

 サッカー日本代表は11日、茨城県立カシマサッカースタジアムでオマーン代表とのキリンチャレンジカップ2016に臨み、4−0で快勝した。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が前日会見で語ったとおり、代表初キャップとなった永木亮太、初先発の丸山祐市、久しぶりの代表戦となる大迫勇也や齋藤学といった新しい選手を起用し、終盤には2トップに変更するなど新たな試みも多く見られた。

 ハリルホジッチ監督が「多くの情報を得た試合だった」と語ったこの試合を、15分ごとの試合スタッツとともに振り返ってみたい。

落ち着かなかった立ち上がり

 試合後の会見でハリルホジッチ監督が「まだまだ試合のリズムに付いていけない選手もいた」「テクニックミスに怒りを覚えた」とコメントしているように、「試合開始〜15分まで」はミスが続き、コンビネーションが合わないシーンが目立った。

 ディフェンスラインでパスをつないだため、ポゼッション率68%はこの試合の時間帯別データで最も高い。パス数144本も、この試合の時間帯別データでは最多の数値だ。しかし、最終ラインや中盤からロングボールで一気にディフェンスラインの裏を狙うため、前線の大迫らになかなかボールが収まらない。タイミングが合わずに不用意にボールを失う場面が相次いだ。結果、敵陣ペナルティーエリア(PA)には1回しか進入できず、シュートも0本に終わった。新しい選手を多く起用したこともあり、試合の立ち上がりはなかなか落ち着かなかった。

 19分には本田圭佑のクロスから大迫がヘディングで合わせてゴールネットを揺らした。このプレーは大迫のオフサイドを取られてゴールとはならなかったものの、日本はここから徐々に足元へのパスを織り交ぜながら、スムーズな攻撃を見せるようになっていく。

 試合後のコメントによると、2列目右サイドに入った本田は、意図的にトップ下の清武弘嗣と近い距離でプレーしていたという。左サイドの齋藤は、同サイドの酒井高徳と連係して左から崩すイメージを持っていたことを明かした。「16分〜前半終了まで」の時間帯はその意図が明確に数字に表れている。右の本田が中央寄りでプレーし、左の齋藤がサイドに張るため、左からの攻撃が増えている(右サイド中間+前方のエリアでのプレー数99に対し、左は133)。

 特に「31分〜前半終了まで」は17回もPA内に進入して2ゴールを記録。32分の先制点は清武の左サイドからのクロスに大迫が合わせたもので、42分の2点目は清武と本田のパス交換から再び大迫がゴールを決めた。選手同士で意図した形が結果につながったシーンだった。

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