ハリル「FWに良い候補がみつかった」 国際親善試合 オマーン戦後会見

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オマーン戦後、会見に臨むハリルホジッチ監督 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は11日、茨城県立カシマサッカースタジアムにてオマーン代表とのキリンチャレンジカップ2016に臨み、4−0で快勝した。日本は約1年半ぶりの代表復帰となった大迫勇也が前半に2ゴールを挙げて優位に試合を折り返すと、後半19分に途中出場の浅野拓磨が得たPKを清武弘嗣が冷静に沈めリードを広げる。試合終了間際には小林祐希が代表初ゴールを奪い、4−0で試合を終えた。

 試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「勝ったが、完璧に満足して勝ったわけではない」と試合を総括。「テクニックのミスがあったし、少し慌てた場面もあり怒りを覚えた」と不満をあらわにした。

 一方で、出場機会が少ない選手をスタメンに起用し、6人の交代枠をすべて使うなど多くの選手を起用したことについては、「何人かはこのチャンスを生かしたし、何人かはこのチャンスを生かせなかった」と話し、2ゴールを奪った大迫に対しては「今のところ彼はチームに多くをもたらしてくれる」と評価した。

 日本は次戦、15日に埼玉スタジアム2002でサウジアラビア代表とのワールドカップアジア最終予選の第5戦に臨む。

テクニックミスに怒りを覚えた

 勝ったが、完璧に満足して勝ったわけではない。ゲームを支配できたわけでもなかった。テクニックのミスがあったし、少し慌てた場面もあった。確かに多くのプレーヤーを変えたのでこういうことは起きるものだ。何人かはこのチャンスを生かしたし、何人かはこのチャンスを生かせなかった。多くの情報を得た試合だった。サウジアラビア戦はもっともっと難しくなるだろう。

――良い面と悪い面が出た試合だったが、オプションが増えたり、ベンチの層が厚くなった試合と言えるのではないか?(田村修一/フリーランス)

 確かに良いことがたくさん見られた。良いパフォーマンスの選手もいたし、まだまだ試合のリズムに付いていけない選手もいた。この試合からは多くの情報を得た。ただ、私にとってうれしくないのはテクニックミスが多かったということ。慌てた状況もあったと思うし、(雨で)ボールが滑りすぎたこともあったかもしれない。もっともっと良いプレーをコントロールできなければいけなかった。皆が次のサウジアラビア戦のことを考えなければいけない。

 ただ、3〜4人変えてしまうとゲームの基準が崩れてしまう。試合のリズムにアジャストしていない選手もいた。それから、若い選手が今、責任を持てるかどうか。それについてはこれから疑問を抱いていかないといけない。つまり、良い面もあったし、良くない面もあったということだ。ただ、彼らのプレー態度、戦う姿勢は祝福したいと思う。相手のオマーンにも正確にプレーしてくれてありがとうと言いたい。良いテストだったし、たくさんのことが見られたと思う。

――海外組や新しいメンバーを試したが、具体的に戦術としてどんなことを求めたのか?

 戦術的に何か新しいことを得たわけではない。何人かの選手がまだまだトップパフォーマンスではないということが確認できた。やはり試合数が足りないなという感じだ。それから(香川)真司と長友(佑都)の様子もこれから見なければいけない。もっと多くのことをテストをしたかったがすべてはできない。たくさん新しい選手もいたし、皆さんも見たと思うが、最後には縦関係の2トップをやってみた。新しい選手を使ってだ。

 大迫は、約1年われわれとはやっていなかったが2点を取った。これは良いことだ。清武(弘嗣)は所属クラブでプレー機会は少ないが、彼を信じてもいいんだなというものを示した。丸山(祐市)、永木(亮太)、(小林)祐希に浅野(拓磨)、久保(裕也)に 斎藤(学)もそうだ。新しいことを私たちは見ることができた。もしかしたら厳しすぎるかもしれないが、テクニックミスに私は怒りを覚えた。A代表はもっとテクニックを使って試合をコントロールしていかないといけない。

 今回は若手も試してみたが、まだまだ自分たちのクラブで信頼されているわけではないので、彼らが表現できる場を私は提供したかった。本来であれば4−0という結果は監督であれば喜ばなければいけないのかもしれない。確かに祝福することが大事だ。ただ、足りないこともあったし、足りないことのディテール(の説明)にはここでは入りたくない。

各選手についてはしっかりと分析したい

――クラブで出場機会が少ない本田圭佑の評価は?

 本田は試合のリズムが足りないのが確認できた。かなりの経験があり、ずっと存在感を出してきた。サウジアラビア戦がこれから控えているが、一番良いパフォーマンスの選手は誰なのかはこれから確認していかないといけない。特に長友と真司は様子をよく見ていきたい。前の合宿でも見られたが、9月からあまり良くない時期にきている。9月より前はパフォーマンスがもっと良かったはずだ。(6月の)キリンカップぐらいまでは良かった。

 例えば長友が病気になってしまったとか、真司も少しけがをしてしまったが、われわれのトレーニング、集中するところに少し邪魔が入っている。しっかりと集中して、難しい試合だということを意識したい。ただ、良い試合ができるんだぞということは忘れてはいけない。こういうゲームはしっかりとコントロールしないといけないと思う。他の誰を使うかはまだ分からないが、それはこれからしっかりと考えて決めていきたい。

――前半のオマーンのチャンスは前半26分のカウンターぐらいだったと思う。あのときのプレーをどう分析するか?(大住良之/フリーランス)

 カウンターは(日本の)フリーキック(FK)からきた。FKでリスクをおって、今回は6人(前線に)入れた。ミーティングでも言ったのだが、おそらくサプライズを受けるとすれば、われわれのFKからのカウンターだと話していた。それが本当になった場面だった。すべてを説明したくはないが、いろいろなことにトライをした。勝ったのはいいが、たくさんのトライをしたわけだ。例えば、ゲームのコントロールがうまくいかなかった。もう少しうまく試合を支配できたと思う。親善試合で4−0で勝ったということに、もう少し満足した方がいいのかもしれないが。

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