18歳の新星・阿久津咲子が代表へ 新たなスタートを切るシンクロ日本
変則的な形式で行われた代表選考
リオ五輪で表彰台に返り咲いたシンクロ日本。アジア選手権、世界選手権に向けて新たなスタートを切る 【写真は共同】
リオ五輪で獲得した銅メダルよりさらに上を目指すため、今回は「非常に変則的な選考、初めての試み」(井村コーチ)という形式で代表選考が行われた。第一次選考で選ばれた選手は15人。10日に行われた課題「グループ泳ぎ」を審判が採点した結果に、最終選考前の合宿におけるコーチ陣の評価を「コーチ合宿評価」と点数化して加算。さらに従来通り身長減点をした結果で12人を選ぶ方式だ。今回特別に行われたのは「コーチ合宿評価」。井村コーチは、「そこがシンクロの難しいところで、選考会だけでは計り知れないものがある」と言う。
「審判が一回(の選考会)で見たものも事実。でも私たち(コーチ)がずっと合宿の中で見ていて『この選手はいざという時に、本当に日本の力になってくれるか』ということは私たちの方が知っています。私は今の段階では、コーチたちが見えているものが正しいと思う」
不足している大型選手
「今回は小型の選手、身長の低い選手が多いので、これから東京に向けてどう育てるかという課題をもらっていますね。大型の選手で(新しく代表に)上がってきたのは阿久津(咲子/東京シンクロクラブ)と福村(寿華/井村シンクロクラブ)だけですから。3名の大型の選手が辞めて、2名が上がってきた。どう見ても、そういう計算になります」
要するに大型の選手が足りなくなっているということ。そこで問題なのがリフトの土台だ。長年日本の弱点とされてきたリフトを行う際、水中で下から支えてジャンパーを跳ばせる役割を果たす選手には、体格の大きさが必要になる。新戦力の大型選手、福村と阿久津はその土台となるべく、早急に鍛えられることになる。井村コーチは「彼女たちが(代表に)入ってから、バンバン(チームの)中に入れて使っている」と言う。
「2人ともすっときれいに痩せたでしょ。やっぱり緊張もありますし、ここ何日間でシュッと絞れて脂肪がなくなりました。彼女たちは鍛えれば役に立つ。今は五輪選手の乾たちと泳ぐことですごく緊張していますし、いい感じじゃないですか。足りないところだらけですけど、下手を育てるのがコーチの仕事ですから」