テニスの楽しみ方に見るお国柄 杉山愛コラム「愛’s EYE」
愛があるからこそ厳しいフランス
テニスの楽しみ方から見える、各国のお国柄とは? 【Getty Images】
フランスはテニスの歴史が長く、「テニス文化」が栄えています。ファンはテニスの知識が深く、みなローランギャロスを愛しているからこそ、選手を見る目は自然に厳しくなります。
以前、地元のアメリ・モレスモ選手にセンターコートから大きなブーイングが起きたことがありました。期待が大きければ大きいほど、求められるものも大きいのでしょう。ひとたび敵に回すと、これはやっかいです。地元フランス選手といえどもローランギャロスでプレーするのは大変なことなのです。
期待が大きい分、応援は熱狂的で、今年、錦織圭選手(日清食品)と戦った地元のリシャール・ガスケ選手のように、応援を味方につければ大きな力になります。いずれにしても、ここでプレーするのはなかなか厳しいなと思わせるのがこの国の観客です。
なお、フランスの特徴として、選手同士の仲が良いことが挙げられます。フランステニス連盟のサポートがうまくいっているからなのか、ジュニア年代から一緒に過ごしてきた選手たちがよくまとまってるなという印象があります。引退した後にフェド杯、デビス杯の監督を引き受ける選手も目立ちます。ギー・フォルジェさんのように比較的若い監督が選手の声を積極的に受け入れてチームを作ったり、ヤニック・ノアさんなど往年の名選手が長い間、チームをサポートするなど、首脳陣と選手の一体感を感じます。
全豪はどの国の選手にも温かい
米国もそうですが、オーストラリアはいろいろな国から移民として人々が集まってできた国なので、そういうムードが生まれるのかもしれません。ただ、米国はスポーツ大国だけに観客の皆さんにはシビアさもあるように感じられます。
全豪は、(オーストラリアが)もともと親日的な国民であることと、大会が「アジア/オセアニアのグランドスラム」を打ち出していることもあって、アジアの選手がショーコート(大きな観客席を備えたコート)に入るケースも目立ちます。
日曜日に休み!? ゆとりを感じる全英
2006年のウィンブルドンでセンターコートに立った杉山さん。マルティナ・ヒンギスを破り金星を挙げた試合だった 【Getty Images】
私自身、ウィンブルドンのセンターコートで2回、プレーすることができました。観客の皆さんの温かさと選手に対するリスペクトのこもった静寂の中でプレーできたのは、選手として幸せでした。
独特の習慣である「ミドルサンデー」の休日にもお国柄が出ていますよね。大会をスポーツイベントと捉えるなら、日曜日に休むのは衝撃的です。集客を考えれば、日曜日はかき入れ時なのですから。それを「日曜? お休みですよ、もちろん」と(笑)、ガツガツしていないのです。そのおかげで選手も関係者も心のゆとりができるように思います。このこだわりが、イギリスらしさなのでしょうね。
◆◆◆ WOWOW番組情報(PR) ◆◆◆
■「楽天ジャパンオープンテニス」
錦織圭が3度目の優勝を目指す!世界トップ選手のみが出場できるATPツアー公式大会の模様を、日本テニスの聖地・有明コロシアムから連日生中継。
10月3日(月)〜10月9日(日)連日生中継 ※初日無料放送
★錦織圭応援キャンペーンを実施中!
錦織選手へ応援メッセージを送って豪華テニスグッズをプレゼント!
(詳しくはこちらから)
http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/keiouen/
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ