【UFC】ジョシュがベテラン対決を制する セミではグスタフソンが判定勝利

長谷川亮

ジョシュが3Rにタップを奪う

ジョシュ・バーネット(右)アレクサンダー・グスタフソンに勝利 【Zuffa LLC】

 米国の総合格闘技団体UFCの「UFC Fight Night 93」が現地時間3日、ドイツ・ハンブルグで開催された。

 メインイベントはランキング6位で37歳のアンドレイ・アルロフスキーと同9位で38歳のジョシュ・バーネットによるヘビー級マッチ。ともにかつてUFC王者に輝いたベテラン同士による対戦となった。

 KOパワー溢れるパンチを持つアルロフスキーだが、ジョシュは恐れず前に出てパンチで応戦。アルロフスキーをグラつかせる場面も見せ、そこからテイクダウンを狙っていく。

 2R、ジョシュの組みつきと圧力に押され始めたアルロフスキーは小外刈りでテイクダウンを仕掛けるも、ジョシュが倒れ際に体を入れ替えて上になり、ヒジとパンチを時間いっぱいまで打ち込む。3R、強打で攻める場面もあったアルロフスキーだがジョシュがアームロックにとらえてグラウンドへ持ち込むと万事休す。そこからバックへ回ったジョシュはチョークを極めてタップを奪い、ベテラン同士の一戦を制した。

 セミファイナルではライトヘビー級2位で、かつてパウンド・フォー・パウンドともいわれた元王者ジョン・ジョーンズを最も苦しめたアレクサンダー・グスタフソン(スウェーデン)がヤン・ブラホヴィッチ(ポーランド)に3者30−27のフルマーク判定勝ち。

 昨年の日本大会で日本の粕谷優介を破った地元ドイツのニック・ハインも韓国のバン・テヒョンを判定で降している。

メインイベント試合詳細

ジョシュがアルロフスキーからテイクダウンを奪いフィニッシュへ 【Zuffa LLC】

1R:ともにオーソドックスからジョシュが右クロスを先に当てて向かうが、アルロフスキーは右ストレートをリターン。一瞬腰が落ちるジョシュだが、右クロスを当て返し、アルロフスキーを金網に押し込む。額から出血が見られるアルロフスキーだが、パンチを放ってジョシュを振り払う。
 それでも組みついてくるジョシュをアルロフスキーは小外刈りでテイクダウン。しかしグラウンドは警戒し立ち上がって入っていかず、蹴りを放っているうちにレフェリーからブレークされる。
 右の強打をスイングフックで振るうアルロフスキーは、これをジョシュにヒットするが、ジョシュはパンチをかいくぐって片足タックルで組みつき、そこから金網に押し込んでラウンド終了となる。

2R:右クロスを伸ばしたジョシュはそこから組みつき金網に押し込むが、アルロフスキーも体を入れ替えジョシュを押し返す。だが、両者動きがなくなりレフェリーはここでブレーク。
 右パンチを振り合う両者だが再び組み合いに。次第にジョシュが体圧を効かせてアルロフスキーを押していくようになる。1R同様、小外刈りでテイクダウンを仕掛けたアルロフスキーだが、ジョシュは倒れる寸前で体を入れ替え上になる。そしてマウントポジションを奪取すると下から組みついてくるアルロフスキーを振りほどきヒジとパンチで襲う。たまらず背を向けるアルロフスキーだが、タイムアップで何とか救われる。

3R:ジョシュはサウスポーになって対峙し、右手での片手クリンチからアッパー、ヒザと放って向かうが、アルロフスキーも右クロスで反撃。ジョシュは攻防の間でアルロフスキーの指が目に入ったか動きが止まり背を向ける。
 ピンチを迎えたがジョシュだが、アルロフスキーの腕をアームロックにとらえてグラウンドへ。サイドポジションからマウントそしてバックを奪うとそこからチョークスリーパー。これですぐにアルロフスキーをタップさせ勝利した。

全試合結果

「UFCファイトナイト・ハンブルク」
9月3日(土)ドイツ・ハンブルク バークレイカード・アリーナ

セミファイナルではグスタフソンが判定勝利 【Zuffa LLC】

<メインイベント ヘビー級 5分5ラウンド>
●アンドレイ・アルロフスキー
(3R2分53秒 サブミッション)
○ジョシュ・バーネット

<ライトヘビー級 5分3ラウンド>
○アレキサンダー・グスタフソン
(判定3−0 ※30−27、30−27、30−27)
●ヤン・ブラホビッチ

<ライトヘビー級 5分3ラウンド>
○ライアン・ベイダー
(2R2分06秒 TKO)
●イリル・ラティフィ

<ライト級 5分3ラウンド>
○ニック・ハイン
(判定3−0 ※29−28、30−28、30−27)
●バン・テヒョン

<ウェルター級 5分3ラウンド>
○ジェシン・アヤリ
(判定2−1 ※30−27、29−28、28−29)
●ジム・ウォールヘッド

<ウェルター級 5分3ラウンド>
○ペーター・ゾボタ
(判定3−0 ※30−26、30−26、30−26)
●ニコラス・ダルビー

<女子バンタム級 5分3ラウンド>
○アシュリー・エバンス・スミス
(3R2分46秒 TKO)
●ヴェロニカ・マセド

<バンタム級 5分3ラウンド>
○テイラー・ラピル
(判定3−0 ※30−27、30−27、29−28)
●レアンドロ・イッサ

<ヘビー級 5分3ラウンド>
△ジャージス・ダンホ
(引き分け1−0 ※29−27、28−28、28−28)
△クリスチャン・コロンボ

<ミドル級 5分3ラウンド>
●スコット・アスカム
(判定0−3 ※27−30、27−30、28−29)
○ジャック・ハーマンソン

<ライト級 5分3ラウンド>
○ルスタム・ハビロフ
(判定3−0 ※29−28、29−28、30−27)
●レアンドロ・シウバ
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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