本田「戦術以前に気合や根性が足りない」 W杯最終予選 UAE戦後の選手コメント

スポーツナビ

長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)

長谷部(7番)は自身のミスによる失点を悔やみ、「チームに迷惑をかけた」とコメント 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

「自分たちで自分たちの首をしめた」

 攻撃面も守備面も両方、修正しないといけないと思います。試合を通して見れば、先制したまではゲームプラン通りでしたが、その後にセットプレー、そして後半の早い時間に僕の個人的なミスからボールを奪われてPKで失点してしまった。やはり経験のある選手としては……。こういう試合で小さなミスが命取りになりますし、そういうことを起こしてしまったというのはチームに迷惑をかけたと思います。起こってしまったことは取り返すしかないです。

(浅野拓磨選手のシュートがノーゴールになった判定については)もちろん、あの場面に関してはゴールだったと思います。ただ、レフェリングのことを言ってしまえばそれまでになるので、とにかく自分たちで自分たちの首をしめたかなと思います。今日は先制していたので、そこからの試合運び、自分たちの勝負強さに甘さが多々あります。監督もハーフタイムに「レフェリーは自分たち側についていない」と話していましたが、それを含めてサッカーですし、そこを差し引いても、自分たちでどうにかできたゲームだったと思います。

(代表100試合目の試合だったが)個人的なことに関しては大事ではありません。チームの結果という意味で非常に残念なことになりましたし、初戦の意味、大事さを痛感していた中での敗戦なので、これからどうやってチームを立て直していくかは経験ある選手たちが引っ張っていかないといけないし、そこは態度でも示していきたいと思います。もう1試合も落とせない、という気持ちでやっていきたい。

(日本は準備期間が2日しかなかったが)選手によってコンディションのばらつきはあったと思います。ヨーロッパでプレーしている選手はシーズンが始まったばかりで、試合になかなか出られない選手もいれば、コンディションを戻していない選手もいたと思います。けれど、それを言い訳にしてしまうと、「じゃあ勝てないのか?」ということになってしまう。今日のゲームに関して言えば、本当に小さな、細かな部分で自分たちの甘さが出たなと思います。

清武弘嗣(セビージャ/スペイン)

「レフリーのせいではない」とチャンスを決められなかったことを敗因にあげた 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

「レフェリーのせいではない」

(FKから得点をアシストしたものの、最終的には敗戦となったが)少し不運な点もありましたが、負けは負けなので。残念ですし、修正するところはたくさんあると思います。すぐ試合は続くので、切りかえたいなと思います。

(レフェリーが難しかったと思うが)別にレフェリーのせいではないです。間違いなく決めるところで決められなかったシーンもありましたし。(ゴール前に飛び込んだ惜しい決定機があったが)あれは決めるべきでしたね。もったいなかったし、あれを決めないと、こういう結果になってしまうと思います。

(奥行きを出そうと意識していた?)僕はやっていたつもりですけれど、たぶん今日の左サイドを監督は満足していないと思います。ハーフタイムに僕は左サイドのことを言われましたし、ベンチでも常に僕のことを言っていたと思う。(要求されたことを)やっていたつもりなのですが……。(監督と)擦り合わせていかないとよくないのかなと思います。(もっと裏を狙うこととか?)僕はやっていたと思うのですが。でもチームが勝てなかったですしね。(酒井)高徳から良いボールが来て、あれを決めておけばというシーンでしたし、(浅野)拓磨の(決定的な)シーンもあったし、ちょっともったいなかったです。残念です。

(アジアカップの時のイメージは)僕は出ていなかったので印象はなかったですけれど、UAEは良いチームだったと思います。

宇佐美貴史(ガンバ大阪)

「カウンターの技量は予想以上だった」とUAEとの対戦を振り返った宇佐美 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

「カウンターの技量は予想以上だった」

(監督からの指示は)サイドから仕掛けていくことが主でした。(PKじゃないかという場面もあったが)試合前からどういう笛になるかというのは分かっていたことです。結果的に、笛に苦戦したところはありますが、そういうのは跳ね除けないといけない。点を取るためにやり続けるしかありません。不運なところはありますが、言い訳にはできないと思います。

(向こうが予想を上回った部分は)カウンターの切れ味というか、自分たちのミスを的確についていたと思います。前線の4人は前半から切れ味のあるカウンターをしていましたし、そこから取られたセットプレーと不運なPKで結果的に相手は2点を取った。カウンターの技量というのは、予想より上回っていたと思います。

(ゴールに入っていたように見えた浅野のシュートシーンは)入っていたと思います。僕から見ていても入ったと思いましたし、(本田)圭佑くんとか、ライン際で見ていた人も入ったというリアクションをしていた。(審判が)ゴールジェスチャーをしなかったので、「またか」と思いました。しっかりしたレフェリングがあれば、また(結果は)変わっていたと思います。

(今後は)勝つしかないです。お尻に火が付いた感じです。この前(のアジア2次予選)もシンガポールと引き分けて幸先は良くなかったですが、そこから一丸となってやり続けることができた。レベルは違いますが、もう一回、一致団結して顔を上げてやることが大事。そこが見られていると思います。

西川周作(浦和レッズ)

「GKがいかに大事なのかが分かる試合になった」

(FKからの失点シーンは)ちょっと壁の裏を意識してしまって、重心が右になった分、(ボールに)力がうまく伝わらなかった。そこは整理しながら、自分の経験値として次に生かしていければと思います。10番(オマル・アブドゥルラフマン)も素晴らしい左足を持っているので、とにかくボールに集中するということと、ボールは見えなかったのですが、とにかく枠には絶対にくると思っていました。自分の手に当たっただけに、止められなかった悔しさがあります。

(PKの判定含め、レフェリングに苦しんだ?)そこは想定していたというか、レフェリングはJリーグとは違うだろうなと思っていました。何が起こっても慌てずやろうと思っていましたし、それ以外のプレーは落ち着いてやれていました。後半は主導権を握って決められるチャンスもあったので、そこを突き詰めていきたいです。

(PKの失点シーンは)いろいろな映像を見ていたので、あのキック(パネンカ)の情報はありました。相手の駆け引きのうまさが一歩上だったと思います。あの状況であれをやってくるというのは、強いなと思います。そこでひとつ仕事ができていれば、チームが負けることはなかったと思います。GKがいかに大事なのか、そういう試合になったと思います。

(試合後の雰囲気は)監督からは「あと9試合ある。そこはポジティブにとらえて、次の試合に向かっていこう」と言われました。これから試合までに少し時間があるので、スカウティングなどを見ながら自分たちの反省点をみんなで確認して、監督とも話して、同じ方向を向いて戦っていかないといけないと思います。

酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)

「監督のセオリーを追求したい」

 前半はカウンター1発を狙う力を絶対に残していると思ったので、少し前にいくのには慎重になっていましたが、後半は疲れてくるからどんどん(前に)いきたいなと思っていました。僕らが高い位置で(ボールを)回せば回すほど、向こうはカウンターで長い距離を走らないといけないので、その力はもうないなと思っていたので後半は(前に)重心をかけて、チャンスも作れたと思います。ですが、(点が)入らないと何も意味がないです。

(コンディションは良さそうに見えたが)オフでも気にしながら、シーズンに向けてしっかり作ってきました。昨シーズンの最初は移籍もあってコンディションが上がらなくて苦しんだ時期があったので、それを繰り返したくなかった。日本で整えながらチームに合流して、良いコンディションでやれている実感もあるので、続けてケアしていきたいと思います。

(アジアカップのUAE戦と比べて球際の部分が全然違ったが)ひとつ言えるのは、監督が違うということ。(ハビエル・)アギーレさんの時は選手が自由にというか、ほとんど戦術はなかったので、自分たちで思ったとおりに動くという自由な感じがありました。今回は縦に早いサッカーをチームとして目指していて、タッチを少なく、あるいは裏を狙うという監督の意図があるので選手はそれを実行しています。実際にそれは脅威になっていると思う。そういう時間(遊ぶ時間)があってもいいかなとは思いますが、どうしても言われたことだけをやってしまう日本人の良さというか、それだけを意識してしまうところが出たのかなと思います。

(修正点は)修正という言葉よりも、追求という言葉が合うのかと思います。精度を高くやるのか、あるいはタイミングをチーム全体で把握するのか。それをやらないで違うことをする、ということになってしまうと、監督のやりたいことや選手のやりたいことが変わってきてしまう。もちろん、こうした方が良いという提案は言えると思いますが、そこは選手が試合中に感じることでもあります。ガンガンいってみんなバテているところにロングボールを入れてもしょうがないというのは選手が一番よく分かっているので、その意思疎通はできればと思います。基本としては縦に早いサッカー、ゴールに直結する監督のセオリーを忠実に表現しようとしているというのはあります。

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