【ノア】杉浦がマイバッハを完全KOで初防衛 V4の金丸は次期挑戦者に小峠を逆指名

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杉浦がマイバッハ谷口を退け初防衛 【横田修平】

 プロレスリング・ノアの「Summer Navig.2016」が25日、東京・ディファ有明で行われ、487人の観衆を集めた。

 メインイベントではGHCヘビー級選手権試合として、第27代王者・杉浦貴がマイバッハ谷口の挑戦を受け、30分を越える長期戦を杉浦が制し、初防衛に成功した。

マスクを剥ぎ取り、エルボーで制裁

馬乗りになってエルボーを打ち込み、完全KO 【横田修平】

 7.30後楽園ホール大会で、「鈴木軍vs.ノア」の大将戦となったランバージャックマッチ形式のGHCヘビー級選手権は、杉浦が潮崎豪を破り、再びノアの至宝を奪取。鈴木軍が高笑いする中、さすまたを持ち“暴走鉄仮面”と化したマイバッハ谷口が蹴散らし、次期挑戦者に名乗りを上げた。そして8.18東京・新宿FACEでの前哨戦タッグマッチは、杉浦から直接フォールを奪い、「目には目を、ラフファイトにはラフファイトを」の戦い方で、ベルト奪還へ必勝を誓っていた。

 マスクにさすまたというマイバッハに対し、杉浦もいすとベルトを手に、セコンドにはタイチとエル・デスペラードを引き連れる。鈴木軍がレフェリーにいちゃもんをつけ、選手コールに時間がかかる中、谷口がさすまたを使って杉浦に襲い掛かる。ショルダータックルで場外戦に持ち込むと、鉄柵、鉄柱攻撃、さらには机を持ち出し、パワーボムを狙うがこれをよけられ、逆にいきなりオリンピック予選スラムで机にたたきつけられる。

 何とかカウント19でリングに上がったものの、すでに虫の息となる谷口に杉浦が容赦ない攻撃。エルボー、チンロック、フェースロック、顔面を張ってから「終わりか、おい!」と挑発すると、これに谷口が反発し、エルボーを打ち返す。再び場外戦になると、今度は花道から場外にセットされた机へ落とすパワーボムが決まり、杉浦がピンチに陥る。

 ここを勝機と見た谷口は、串刺しラリアット、ブレーンバスター、チョークスラムを狙うが、これはこらえられ、逆にロープへ走ったところに杉浦のキッチンシンク。しかし流れは奪わせず、ラリアット、スピアー、雪崩式ブレーンバスターとたたみかける。ロープにもたれる杉浦をラリアットで1回転させ場外に落とすと、谷口が杉浦の持ち込んだイスを使い、背中を強打。リングに戻すと、背中にマイバッハプレス2連発。表に返してもう1度マイバッハプレスを成功させるが、これは3カウントぎりぎりのところで、デスペラードがレフェリーの足を引っ張り、最大のチャンスを逃すことになる。

 この後、タイチ、デスペラードの介入もあり荒れた試合になるが、ノア勢のセコンドも体を張って阻止し、谷口も邪魔する2人をラリアットで吹っ飛ばす。また杉浦が振り上げたいすに対してはよけずに頭で受け、3つのいすを破壊。それでもたおれることなく、逆にイス攻撃からラリアット。さらに掟破りのオリンピック予選スラムを繰り出すが、これはカウント2。ならばとマイバッハプレスを狙うが、今度はひざ乾山で回避される。ここから杉浦が息を吹き返し、コーナーポストへのジャーマン、フロントスリーパー、そしてオリンピック予選スラムを決めると、すぐにフォールには入らず、倒れた谷口の顔面にエルボーを入れていく。完全に意識が飛んだ谷口に容赦なくエルボーをいれ、さらにマスクも剥ぎ取ると、レフェリーが試合を止めようとする。それでもエルボーを何発も打ち込み、完全にグロッキーとなったところで、フォールに入り、30分を越える長丁場を終え、初防衛に成功した。

北宮が登場「指をくわえて待ってられない」

試合後はマサ北宮が登場し、次期挑戦者に名乗り 【横田修平】

 試合後、鈴木軍の暴挙が続くが、そこにマサ北宮が登場。暴れる鈴木軍メンバーを蹴散らすとマイクを握り、「この場に出てきたということが、どういうことか分かるだろう? 挑戦表明だ。思いあがりなんて思ってない。てめえの順番まで指をくわえて待ってられないんだ。当たって砕けろではなく、当たって、杉浦、てめえをぶっ潰す。以上だ」と次期挑戦者に名乗り。この日の試合で、前GHC王者・潮崎からフォールを奪い勢いに乗る“ジ・アグレッション”のメンバーが、ノアからの次なる刺客として、至宝奪回を目指す。

 一方の鈴木軍は、北宮の挑戦表明に対し、鼻で笑う。鈴木軍の“王様”鈴木みのるは「北宮? どの面下げて来てんだよ! おい、あんなの来ちゃったよ。若さと勢い、それだけで俺たちに勝てると思うなよ。何を持って来ようが、無意味なんだよ。お前たちのすべてを使っても、俺たちにはかなわない。俺たち鈴木軍、イチバーン」と言い残し、誰が来ようと相手じゃないと高笑いで、控え室へと戻っていった。

拳王、下り調子の金丸を倒し切れず

金丸がタッチアウトで拳王を破りV4 【横田修平】

 この日のセミファイナルではGHCジュニアヘビー級選手権試合として、鈴木軍の金丸義信に対し拳王が挑戦。王者・金丸がディープインパクト、タッチアウトと連続で大技を決め、拳王を振り切り4度目の防衛に成功。試合後には、GHCジュニアタッグ王者の小峠篤司を次期挑戦者に逆指名した。

「存在感のないチャンピオンの、存在感のないベルトを奪って、めちゃくちゃ存在感あるベルトにしてやる」とベルトの価値を高めようと意欲を示す拳王。7.26新宿FACE大会でのジュニアタッグリーグ公式戦では、金丸から直接フォールを奪っているだけに、自信を見せる。

 一方の金丸は、8,21の「スーパーJカップ」では決勝で新日本のKUSHIDAに敗れ、その前のジュニアタッグリーグでも、自身がフォールを奪われて負けることもあり、やや下降気味の調子。それでも過去に何度もGHCジュニアのベルトを防衛しているベテランは、ここ一番での強さを見せる。

 この試合、金丸のセコンドにはデスペラードのみがつく。試合序盤は拳王の蹴りが何度も空を切り、場外戦でも鉄柵に投げつけたりと主導権を握る。場外ではデスペラードの介入もあったが、大原はじめがすぐに駆けつけ、返り討ちにする。

 リングに戻ると、金丸はDDT、首四の字、さらに場外花道でDDTを繰り出すなど、優位に試合を進める。拳王も意地を見せて、強烈な蹴り、後頭部へのランニングダブルニー、アンクルホールドと金丸を攻める。しかし、デスペラードがリングに乱入しようとレフェリーの気を引いていると、花道からタイチが登場。2人で拳王を痛めつけるが、ここは大原のフォローなどもあり、竹刀を振り回して邪魔者を追い払う。さらに金丸にフルスイングの竹刀攻撃、すかさずPKも決めフォールに入るが、これはレフェリーが見ておらずカウントが入らない。その後も蹴りを中心に試合を組み立てるが、金丸がリングのエプロンで垂直落下式ブレーンバスター。場外カウント18でなんとか拳王が戻るが、その入ってきた瞬間にディープインパクトが炸裂。これで決まらないとなると、すかさずタッチアウトを繰り出し、拳王から3カウントを奪った。

小峠を呼び出し、次期挑戦者に逆指名 【横田修平】

 試合後、マイクを握った金丸は、「小峠、出てこい!」と現GHCジュニアタッグ王者を呼び込む。これに小峠が応じ、「よーし、金丸義信、つかまえた。おい、次はオレが行くぞ。次のジュニアチャンピオン、タッグとあわせて二冠王になる、小峠篤司や!」と早くもベルト奪取宣言を高らかに告げた。

 これに金丸も「てめえも含めてそうだ。ノアジュニア、全員ぶっ潰す」とノア勢壊滅宣言をし、防衛ロードを突き進むと宣言した。
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