【ノア】“出戻り”潮崎が杉浦からGHC王座を奪回「ノアの誇りを持って戦っていきます」

高木裕美

杉浦を破りGHCヘビー級王座を奪取した潮崎。ノアファンからの痛烈なブーイングは大歓声に変わった 【横田修平】

 28日のプロレスリング・ノア「GREAT VOYAGE 2016 in OSAKA」エディオンアリーナ大阪 第1競技場大会では、GHC4大タイトルマッチが行われた。
 メインイベントのGHCヘビー級選手権試合では、潮崎豪が30分を超える激闘の末に杉浦貴を破り王座を奪取。次期挑戦者には、第4試合で潮崎のパートナーのマイバッハ谷口を完全KOしたシェルトン・X・ベンジャミンが名乗りを上げた。

半年前の痛烈なブーイングから大歓声に

【横田修平】

 半年前、ノアファンから痛烈なブーイングを受けた男が、大歓声の中で方舟に至宝を取り戻した。潮崎はノアの生え抜きとしてデビュー。エースとしての将来を期待されながらも、12年末に退団。だが、昨年11月、「ノアを守りたい」と、フリーとして参戦する道を決断。ファンからも選手からも拒絶されながらも、徐々に認められ、ついにGHC王座挑戦権を手に入れた。
 杉浦とは過去に3度GHC王座をかけて対戦。常に互いの身を削るような激しい戦いとなる中、「杉浦となら、もっと上を目指せる」と感じていた思いが、浪花の地で結実した。

【横田修平】

 潮崎は序盤から得意の逆水平チョップを炸裂。開始5分にして、杉浦の胸板が真っ赤に腫れ上がり、皮膚が裂けて血が噴き出す。20分過ぎには、トペコンヒーロを放った際、勢いあまって自分も頭から鉄柵に突っ込みながらも、即座に立ち上がってランニングラリアット、ゴーフラッシャー。

【横田修平】

 杉浦のピンチに、鈴木軍のセコンドがリングに乱入し、杉浦がパイプイスで殴打するも、潮崎はこれをしのぐと、激しいチョップ&エルボー合戦を展開。杉浦のカウンターのラリアット、張り手の乱れ打ちを耐え、ラリアットを打ち込むと、ノアではこれまで封印していたリミットブレイクをついに解禁。これをカウント2で返されると、渾身の豪腕ラリアットを叩き込み、熱戦に終止符を打った。

ベンジャミンの挑戦表明に「誇りをかけてやろう」

ベンジャミンの挑戦表明に呼応 【横田修平】

 試合後、ベンジャミンが現れ、挑戦表明をすると、潮崎も「GHCの誇りをかけてやろう」と呼応。「このベルトを手にすることができて、この上ないぐらい幸せです!」と、喜びを噛み締めた潮崎は、「ノアのリングを守るために戻ってきました。このGHCを巻いて、ノアの誇りを持って戦っていきます」と、フリーの立場であっても、ノアとして、ベルトを守り続けると語った。

1/2ページ

著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント