【RIZIN】グランプリ電撃参戦を決めたミルコ「やるからには本気で勝つつもりだ」
来日中だったミルコ・クロコップにトーナメント参戦などについて聞いた 【スポーツナビ】
グランプリ参加選手が一部発表となったが、最大のサプライズがミルコ・クロコップの電撃参戦。PRIDEの黄金時代を彩ってきたレジェンドファイターは、昨年4月にUFCでの復帰戦を勝利で飾ったものの、11月に予定されていた試合はドーピングの疑いをかけられて流れてしまい、その後、肩のケガもあいまって12月に現役引退を選択した。
しかし、昨年末に産声を上げたRIZINに、「PRIDEの香りがする」と印象を受けたミルコは、再び日本のリングに上がることを決意した。
今回は来日中だったミルコにインタビューし、復帰を決めた経緯やグランプリに懸ける意気込みなどを聞いた。
14年末以来の来日
はい、14年末以来です。
――久しぶりの日本だが、雰囲気はどうか?
日本に来る時はいつもいい気持ちで、日本が大好きです。
――RIZINの出場の打診を受けたのは、どのタイミング?
最近です。
――それは昨年末に引退をする原因となった問題を解決した後ということか?
そうです。
日本のファンとの繋がりもあり復帰を決めた
大丈夫です。人間の体は自然治癒の能力があるので戻っています。ケガの状態というのは、筋肉が断裂し、じん帯も伸びてしまったので、手術をしてから2カ月間の休養を取って順調に回復しています。
――実際、12月に引退という結論を出した。その時、ミルコ選手としてはもう2度とリングに上がらないという気持ちがあったのか?
引退を決断した時は、本当に心身とも疲れ切っていて、6〜7カ月の間、ストレスを受け続け、個人的にすごく落ち込んで、いろいろな悩みがありました。
引退をした後も「もう一度やらないか?」というオファーはたくさん受けました。でもそれは全部断りました。ただ、榊原(信行)さんからのオファーは、2人の歴史もありますし、由緒あるさいたまスーパーアリーナで試合をするという機会を与えてもらい、どうしてもそれは断ることができなかったんです。それで、チームと相談してこのオファーを受けることにしました。
――つまり今回は榊原委員長との関係があったからこその復帰だと?
榊原さんとの関係もそうですが、日本のファンとの繋がりもあったからです。自分の人生の中でも、日本での記憶が最高の思い出でもあるので、復帰を決断しました。
今までやったことのないトレーニングをしていた
私は休暇の時期を利用して、今までやったことがないトレーニングをしていました。またずっとだましだましにしていたケガを治すために専念しました。肩のケガも慢性的で、そこも十分に治すために時間を使いました。
あとは背中の筋肉を強化するトレーニングをしてきました。今までやったことのないようなトレーニングで、背骨の周りの筋肉だったり、腰の周りの筋肉だったり、本当に細かい部位を鍛えるトレーニングをしていました。
――その時期は、誰かの指導に当たっていたり、別の仕事をしていたりというわけでなく、自分のトレーニングのために時間を使っていた?
私には生徒もいないし、コーチするということはしたことがないです。
ヴァンダレイの再戦希望は「ジョークだろ?」
気持ちも入ってきましたし、やるからには本気で勝つ気持ちでいます。プレキャンプから100パーセント自分が優勝する気持ちでやっていきたいと思っています。モチベーションは非常に上がっています。
――会見ではヴァンダレイ・シウバ選手から再戦を希望するコメントもあったが?
彼が「戦いたい」って言ったんですか? ヴァンダレイは、冗談でも言っているんじゃないですか? 彼は私とやりたくないはずですよ。
――それはヴァンダレイ選手がミルコ選手に勝てるはずがないから?
ジョークでしょうね。間違いなく私とは戦いたくないはずです。
――今回のトーナメントではどういう戦いを日本のファンに見せたいか?
自分がちゃんとした準備をして、万全の体勢で臨めれば、ファンが必ず満足できるような試合が見られると思います。私の仕事は、その状態まで自分を持っていくことです。
黄金期に戻るため全力で協力する
再び黄金期となるように協力すると話す 【スポーツナビ】
見ました。
――印象は?
PRIDEの香りがしますね。
――どんな部分ですか?
スタッフはもちろんですが、何より会場の演出や空間ですね。懐かしい雰囲気を感じます。
――年末の大会にはエメリヤエンコ・ヒョードル選手、4月にはヴァンダレイ選手と、PRIDEの黄金期に一緒に戦ってきた選手が参加していたが意識するところはあった?
はい。とにかく懐かしく、会場の雰囲気やお客さんの熱が恋しかったですね。一緒に時代を築いてきた選手が出ていることが、うらやましかったです。僕も懐かしく、戻りたいという気持ちがありました。それはRIZINでもPRIDEでも、名前は関係ないんです。同じ社長が、同じスタッフを使って、同じ会場でやっている。その雰囲気が私は懐かしく、そこに戻りたいという気持ちが強くなりました。そして微力ながら、もしRIZINが過去のような黄金期に戻れるなら、全力で協力させてもらいたい。いつまでやれるか分からないけど、ひとまずは今回のグランプリに出場すると決めています。その先は年齢だったりケガだったり、健康面でどうなるか分からないけど、少なくともこのグランプリに関してはやりきるつもりです。
――グランプリに向けてどのような調整をしていくか?
クロアチアの自分のジムですべての時間を費やして、トレーニングをしていく予定です。
――最後に、グランプリに向けて日本のファンへメッセージを。
日本に戻ってきてまた試合ができることを非常にうれしく思っています。是非とも、会場に来て私のことを応援して、RIZINのチャンピオンになれるように、サポートしてください。よろしくお願いします。
(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)
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