前マーリンズ監督が語るイチローとの日々 GMとして交渉し“投手イチロー”も実現
イチローがマーリンズに入団した時はGMとして獲得に動いた。右端がジェニングス氏 【Getty Images】
イチローがデビューした2001年、ジェニングスはレイズのスカウトを務めており、同じア・リーグということもあって、「度々、見る機会があった」。その時から、「彼のような選手が欲しいと思っていた」そうだ。
14年のオフ、イチローがフリーエージェントになるとジェニングスは早い段階から大リーグ通算3000安打にあと156本に迫っていたイチローを補強候補に挙げた。実現したのは15年1月のこと。今回、その交渉過程の一端を明かしてくれた。
――イチローとの契約は驚きだった。
あのオフ、私はイチローが欲しかった。チームは若い。戦力ということに加えて、彼の存在感がチームに必要だと思ったからだ。他のフロントオフィスのメンバーにも異論はなかった。ただ、こちらとしては条件が2つあった。マーリンズの外野には、ジャンカルロ・スタントン、クリスチャン・イエリッチ、マルセル・オズーナの3人のレギュラーがいるので、イチローが第4の外野手を受け入れてくれるかどうか、ということだった。
――イチローはどう受け止めた?
あるとき、電話会議を行った。私とイチロー本人、ジョン・ボッグス(イチローの代理人)、ジェフリー・ローリア(マーリンズのオーナー)、マイケル・ヒル(編成本部長)の5人が参加したが、あのときイチローは、『僕ももう40歳です。(その役割でも)問題ない』と言ってくれた。それで1つ目の条件がクリアになったわけだ。結局、けが人が続出して、イチローの出場試合数はチーム最多だったわけだが、われわれはとにかく事前に役割を説明することこそ、イチローを獲得する上で彼に敬意を示すことになると考えた。あれだけの選手だ。うやむやなまま契約できない。イチローが起用法を納得したうえで、来てくれなければ意味がなかった。
――2つ目は?
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