イチローの安打を分解 昼夜、打順別、得点圏での傾向は?

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 イチロー、42歳。メジャー16年目を迎えた日本のレジェンドが、史上30人目となるメジャー通算3000安打を達成する日は確実に迫ってきている。今回は2015年までにイチローが積み上げてきたヒットについて紹介したい。(以下文章、表中の日付は現地時間のもの)

年度別の安打数推移

年度別安打数の推移 【データおよび画像提供:データスタジアム】

 イチローの才能が花開いたのは、プロ3年目の1994年。当時のシーズン安打記録となる210安打を放ち、その名は日本中にとどろいた。以降7年連続で首位打者を獲得。2000年のオフにはポスティングシステムを利用し、シアトル・マリナーズへと移籍を果たす。

「日本最高の打者はメジャーリーグでも通用するのか?」そんなに疑問に対し、イチローは自らのバットで解答を示した。デビュー年となった01年は打率3割5分、56盗塁で首位打者と盗塁王を獲得。さらにはアメリカン・リーグ新人王とMVPも同時受賞する栄誉に輝いた。04年には262安打を放ち、MLBでもシーズン安打記録を更新。10年連続で3割以上、200安打以上を記録した活躍は周知の事実だろう。

 通算安打という意味ではやや不利な27歳という年齢で渡米したイチローだが、なぜこれだけのヒットを積み重ねられたのか。高い打撃能力は当然だが、もうひとつ挙げられる大きな要因が打数の多さだ。通算盗塁成功率が8割を超える機動力を生かすため、チームで最も多くの打席が回ってくる1番で絶頂期を過ごしたことも影響しているだろう。そして出場試合数の多さも、密接な関係を持つと考えられる。過去15年間で出場試合が140を下回ったシーズンは一度もない。15年にマーリンズに移籍した際、その立場は決して保証されたものではなかったが、主力外野手の故障や不調もあり、結果的には153試合に出場した。ここまで積み重ねてきた安打は類いまれなる打撃技術に加え、試合に出続ける体力の維持、故障しないコンディションづくりに細心の注意を払ってきた証しともいえるだろう。

 ちなみにイチローは右投手から2040安打、打率3割8厘をマーク。対左投手では895安打を放ち、右投手を上回る打率3割2分8厘を残している。
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