マリー対ガスケ、勝敗分けたサーブ力の差 ジョコビッチは連戦でタフな戦いに
地元の声援を受けたガスケは、敗れはしたもののマリーに善戦した 【Getty Images】
前日から順延になった4回戦では、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がスペインのクレーコート巧者、ロベルト・バウティスタの粘りをかろうじてかわし、今季クレーコートで優勝2度など好調の若手ドミニク・ティエム(オーストリア)もマルセル・グラノリェルス(スペイン)を振り切り、グランドスラムで初めて8強入りしている。
敗戦も見せ場をつくったガスケ
ただ、この日ばかりは、スタンドもガスケの声援に気合が入った。第1セット、マリーが第2ゲームをブレイクして先行し5−2まで持ち込んでも、ガスケは持ち堪えた。マリーの不安定なサーブを手掛かりに気持ちをつなげながら、第8ゲームから5ゲーム連取して第1セットを奪った。
これまでのガスケは天才肌らしく、執着が薄く脆さが目立ったが、全仏で2度優勝の実績を誇るコーチ、セルジ・ブルゲラの影響が大きいのだろう、今大会では精神的にタフだ。第2セットもマリーが5−2とリードした第8ゲームから反撃。第9ゲーム以降、すべてデュースにもつれ込むタイトな展開の中、第9ゲームでブレークバックしてイーブンを守り切りタイブレークに持ち込んだ。
しかし、ここで持ち直したマリーのサーブ力との差が出た。ガスケはセットカウントで追いつかれると、さすがに気持ちが切れ、そこからはマリーの一方的な展開となった。
初優勝を狙うマリーは1、2回戦でフルセットを強いられ、雨による連戦の疲れも見られたが、4回戦では雨の影響を受けずに勝ち上がりを決めたことで、逆に日程的には楽になった。連覇を狙うワウリンカも同じで、1日置いての2人の対決は、今大会の見逃せない大一番になるだろう。
ジョコビッチは難敵が続く
雨天に悩まされながらも、順調に準々決勝進出を決めたジョコビッチ 【写真:ロイター/アフロ】
一方の女子は、セリーナ・ウィリアムズ(米国)が強い。この日は14ゲームでサービスエース8本、ウイナー27本と爆発して、強打のエリナ・スビトリナ(ウクライナ)を寄せ付けなかった。このまま決勝まで進みそうな勢いだ。先行しているボトムハーフでは、ベテランのストーサーが安定したプレーで、この日も第1、第2セットとも先行されながら慌てることなく反撃。タイブレークも1−5から逆転してストレート勝ちを収めた。若手の一番星、ムグルサとの対戦が予想される準決勝が楽しみだ。
(文:武田薫)
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