何が起こるか全仏 ジョコビッチ優勝は? 杉山愛コラム「愛’s EYE」

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ジョコビッチはメンタル面の調整が鍵

全仏に生涯グランドスラムが懸かるジョコビッチ。気候、ドロー運、日程など実力以外の要因に左右される部分も少ないと杉山さん 【写真:ロイター/アフロ】

 全仏オープンはいよいよ22日に開幕します。今回は海外の注目選手を挙げていきます。

 この大会に生涯グランドスラム(4大大会全制覇)の懸かるノバク・ジョコビッチは、今季絶好調。マスターズ1000のローマ(BNLイタリア国際)では惜しくもタイトルを逃しましたが、インディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン)、マイアミ、マドリードと、すでにマスターズ3大会に優勝しています。もちろん、まだタイトルのない全仏も取りにくるでしょうね。

 ただ、何が起こるか分からないのが全仏ですし、気候、ドロー運、日程など実力以外の要因に左右される部分も少なくありません。それらに対応しながらメンタル面をセットアップしていくのに、思わぬエネルギーを費やすものなのです。昨年のジョコビッチは厳しいドロー、日程に泣かされ、準優勝に終わっています。今回も当然、優勝候補ですが、そういった要素との戦いがひとつの鍵になりそうです。

うれしいナダルの復調

バルセロナ・オープンで優勝するなど、復調した姿を見せているナダル。得意なクレーコートで従来の強さを発揮できるか 【写真:ロイター/アフロ】

 ラファエル・ナダルの復調はうれしい限りです。元気がない時期が長く、得意のクレーでもどうなのかと不安視されていましたが、見事、復活です。テニスの内容も素晴らしく、体も調子が良さそうです。バルセロナの錦織圭選手との試合も、以前のナダルが戻ってきたなという感じがしました。

 パワーだけに頼るのではなく、前への入りが早くなっているのが彼に見られる変化です。チャンスを見逃さずに前へ入る動きが早くなっています。選手は皆、ポジショニングには工夫していますが、彼も攻撃を早くするように心がけているのではないか、というのが見てとれます。中に入るというのは難しいし、勇気のいることです。しかも、ナダルのように長くクレーコートでやってきた選手は、このプレーを身につけるには、ある程度の時間が必要です。ポジションを50センチでも前に入るだけで、すごく心地良くない思いをするのです。端で見ているより大変なことですが、彼はそれを成し遂げようとしています。

 フアンマルティン・デルポトロはプロテクトランキングで出場予定でしたが、結局、欠場となりました。グランドスラムに不可欠の選手ですが、けがに泣かされて思うようにプレーできていません。ウィンブルドンでの復帰に期待したいと思います。

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