手倉森監督「ジャパンを奮い立たせたい」 U−23代表 ガーナ戦メンバー発表会見

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「いろいろな選手にまだまだチャンスを与えたい」と語った手倉森監督(写真はAFCU−23選手権帰国会見のときのもの) 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 日本サッカー協会(JFA)は6日、都内で会見を行い、5月11日にベストアメニティスタジアムで開催されるガーナとの国際親善試合に臨むU−23日本代表メンバー23名を発表した。

 1月の五輪最終予選を戦った浅野拓磨(サンフレッチェ広島)や植田直通(鹿島アントラーズ)らが順当にメンバー入りした一方、キャプテンの遠藤航(浦和レッズ)は招集されず。この意図を、JFAの霜田正浩技術委員は「ACL(AFCチャンピオンズリーグ)が控えていて過密日程で日本の代表として戦わなければいけないクラブ、そういう選手には疲労も含めて考慮しています」と説明した。

 また、ファン・ウェルメスケルケン・際(ドルトレヒト/オランダ)が3月のポルトガル遠征に続き2度目の選出となった。指揮官の手倉森誠監督は「いろいろな選手にまだまだチャンスを与えたいと考えた中で、選手を入れ替えて5月は進みたい」と、リオデジャネイロ五輪に向けてまだまだ選手たちの競争意識を高めていく意向を示した。

 なお本試合の名称は、「MS&ADカップ 2016 〜九州 熊本震災復興支援チャリティーマッチ がんばるばい熊本〜」とされ、4月14日に起きた「平成28年熊本地震」のチャリティーマッチとして収益のすべてを義援金として寄付することも発表された。東日本大震災発生当時にベガルタ仙台の監督であった手倉森監督は、「大きなものを背負って、戦う覚悟、戦う勇気、勝利を目指す姿勢というのを示して、エネルギーを届けたい」と、被災地復興への思いを語った。

国際試合を戦うモードにしていきたい

登壇者:
手倉森誠(U−23日本代表 監督)
霜田正浩(日本サッカー協会 技術委員)

霜田 まず最初に、3週間あまりが経ちましたが、熊本で被災された皆さまに心からお見舞いを申しあげたいと思います。この試合をチャリティーマッチとさせていただくことになりました。試合の収益のすべては義援金として被災地に寄付させていただくことになりましたので、ご理解をよろしくお願いいたします。

 また、この試合を特別協賛してくださったMS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社の皆さま、そして、いつも日本代表を応援していただいているスポンサーの皆さまにもこの試合の意義をご理解いただき、ご協力いただけたことに関してこの場を借りて御礼申し上げます。

 五輪まであと3カ月となりました。ここからだんだん国際試合を経験して、国際試合を戦うモードにしていければと思っています。平日のシーズン中であるにもかかわらず、国内組とはいえガーナが来てくれて試合をできるということで、僕らは良い試合にしなければいけないと思っています。

<メンバー23名発表>
GK:
櫛引政敏(鹿島アントラーズ)
杉本大地(徳島ヴォルティス)
牲川歩見(サガン鳥栖)

DF:
山中亮輔(柏レイソル)
亀川諒史(アビスパ福岡)
伊東幸敏(鹿島アントラーズ)
奈良竜樹(川崎フロンターレ)
岩波拓也(ヴィッセル神戸)
ファン・ウェルメスケルケン・際(ドルトレヒト/オランダ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
三浦弦太(清水エスパルス)

MF:
大島僚太(川崎フロンターレ)
伊東純也(柏レイソル)
橋本拳人(FC東京)
原川力(川崎フロンターレ)
矢島慎也(ファジアーノ岡山)
野津田岳人(アルビレックス新潟)
豊川雄太(ファジアーノ岡山)
井手口陽介(ガンバ大阪)

FW:
富樫敬真(横浜F・マリノス)
金森健志(アビスパ福岡)
浅野拓磨(サンフレッチェ広島)
オナイウ阿道(ジェフ千葉)

強化をしながらメンバーを絞り込んでいく

手倉森 まず、五輪の3カ月前にこのガーナ戦をマッチメークをしてくれた協会と、それをサポートしてくださるスポンサーの皆さんに感謝を申し上げたいと思います。

 五輪まで3カ月を切って、このガーナ戦を皮切りにトゥーロン国際大会、6月の国際親善試合(南アフリカ戦)と、リオ本大会への強化試合だと思っています。5月のガーナ戦とトゥーロン国際大会につきましては、強化をしながらメンバーを絞り込んでいくことを加速させていくことになると思っています。

(五輪)本戦でのアフリカ勢、初戦のナイジェリアを想定するにふさわしいチームと今回対戦できます。五輪でのわれわれの可能性を高めるポイントして、世界のスタンダード(を知ること)。アフリカ勢との対戦でわれわれがどう工夫しなければいけないのか、手応えをこの試合でつかみたいと思います。

 と同時に、熊本地震のチャリティーマッチとなりました。大きなものを背負って、戦う覚悟、戦う勇気、勝利を目指す姿勢というのを示して、エネルギーを届けたいと思います。ガーナの国内組のA代表を迎えて、おそらくタフなゲームになりますが、苦しい局面でもしっかりとしのいで、勝利を目指す姿勢を被災地に示せればと思います。震災の起きた年に、前回はなでしこジャパンが世界一になりました。次はわれわれの番だという覚悟をこの試合から(選手たちに)もたせて、U−23代表を、ジャパンを奮い立たせたいと思います。

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