【W-1】秋山がW-1に出現! 8.11横浜で武藤と禁断対決へ

高木裕美

武藤が右手を差し出すも秋山は握手を拒否

【横田修平】

 4日のプロレス「WRESTLE−1 TOUR 2016 TRIUMPH」東京・後楽園ホール大会では、2大タイトルマッチなどが行われ、満員となる1296人を動員した。
 セミファイナルでは、スペシャル6人タッグマッチとして、武藤敬司が“破壊王二世”橋本大地(大日本プロレス)&“飛龍二世”LEONA(DRADITION)と豪華トリオを結成。岡林裕二(大日本プロレス)&中之上靖文&吉岡世起組と対戦した。試合後には「8月11日、横浜文化体育館で戦いたい相手」として指名した全日本プロレスの秋山準が来場するサプライズもあった。

藤波、故・橋本さんの長男とトリオ結成

武藤が足4の字、LEONAがドラゴンスリーパー、大地が腕十字固めの競演 【横田修平】

 新日本プロレス時代の大先輩である藤波辰爾と、闘魂三銃士の仲間であった故・橋本真也さんの長男たちを従えた武藤は、岡林のバックドロップ、アルゼンチンバックブリーカーを食らいながらも、ドラゴンスクリューで試合の流れを作る。さらに、キャリアの浅い吉岡をつかまえ、LEONAのドラゴンスクリュー、大地のミドルキックから武藤がシャイニングウィザード、足4の字固めとたたみかけてギブアップさせた。

分裂騒動遺恨は「リング上で解消する」

【横田修平】

 試合後、「LEONA、大地、成長したね。やってて楽しかった」と2人をたたえた武藤だが、そこに「8月11日、横浜文化体育館で戦いたい相手」として指名した全日本プロレスの秋山準が来場。武藤が右手を差し出すと、秋山は握手を拒否し、場内にはピリピリとしたムードが漂った。

 両者は武藤が全日本に所属していた12年3.20両国国技館で三冠ヘビー級王座をかけて対戦。秋山が勝利している。その翌年、武藤は全日本を退団し、新たにW−1を設立。全日本にフリー参戦していた秋山が新たに全日本の社長に就任した。
 秋山は「武藤さん、お互いにやってない期間、若いのを引き連れてやりましょう。それで勝負しましょう」と、タッグマッチでの対戦を要求。これに対し武藤は、秋山とのわだかまりについて「あるから戦っておもしろいんだよ」と、分裂騒動に伴う遺恨が残ってることを認めた上で、「プロレスの技で、リング上で解消する」と、プロレスで決着をつけるとキッパリ。パートナーについては、さっそく大地とLEONAが名乗りをあげるも、大地が明日の大日本プロレス・横浜大会で秋山とタッグを結成すると聞くや、「じゃあ、スパイとして活動してくれ」と、早くも一の矢を放ち、真夏の決戦へ動き出した。

王者・火野を破りKAIが3度目の戴冠

3度目のW−1王座戴冠を果たしたKAIだが会場は微妙な空気 【横田修平】

 メインイベントのWRESTLE−1チャンピオンシップでは、自由すぎる挑戦者・KAIが王者・火野裕士を破り3度目の戴冠に成功。試合後は次々と挑戦者候補が名乗りを上げるも、「自由」の名の下に、すべてを受諾した。
 KAIは「自称エース」の昨年3月、7月と2度に渡り同タイトルを獲得しているが、両方とも初防衛に失敗。一方、火野は今年1月に初戴冠して以来、すでに2度の防衛に成功し、その実力をとどろかせていた。

「自由な暴走」を標榜するKAIは、火野の強烈な逆水平チョップで胸板をドス黒く変色させながらも、場外へ逃げ回ったり、セコンドを身代わりにしたりとフリーダムなファイト。必殺技のスプラッシュプランチャ2連発をはね返され、チョップ合戦でも打ち負けて万事休す。勝利を確信した火野が余裕の表情でファッキンボムを狙おうとしたところ、KAIはその一瞬のスキをつき、本家直伝雁之助クラッチで丸め込んで3カウントを奪ってしまった。

挑戦者候補の対戦要求をすべてを受諾

次々と挑戦者が現れるもKAIは「自由」の名の下にすべてを受諾 【横田修平】

 試合後、KAZMA SAKAMOTO、征矢学、芦野祥太郎がリングに上がり、次々と挑戦表明をするが、そのたびにKAIは「やるぞ!」と呼応し、収拾不能に。まさに“制御不能”な新チャンピオンに、観客は支持をするどころかあきれ果てるも、暴走の止まらないKAIは「カードは会社の上の人が決める」と、自由を完全に履き違えた丸投げ状態。試合中の記憶も吹っ飛んでいることから、バックステージでも「何でここにベルトがあるんだ」と、セコンドにベルト窃盗の疑いをかける始末で、今後のタイトルマッチのことなど、どこ吹く風だった。

鼓太郎がカズを下しクルーザー王座V2

AKIRAの挑戦要求に王者・鼓太郎は非情のダイエット指令 【横田修平】

 WRESTLE−1クルーザーディビジョンチャンピオンシップでは、王者・鈴木鼓太郎がカズ・ハヤシを下し2度目の防衛に成功。試合後、50歳のAKIRAが挑戦表明するも、鼓太郎はウェートオーバーを指摘し、減量指令を出した。
 鼓太郎がビットを繰り出すと、カズもお返しのハンドスプリングエルボーを放つなど、互いのスピード、瞬発力を競う展開から、鼓太郎がエルボー、ブルーディスティニー、タイガードライバーで勝利。試合後、「new Wild order」のベルト総獲り作戦を決行すべく、50歳のAKIRAが「これが最後のタイトルマッチだと思っています」と“最終章”を訴えるも、鼓太郎は無情にも「このベルトの規定体重、知ってますか」と、93キロで3キロオーバーのAKIRAにダメ出し。「体重がOKならば断る理由はない」と、明後日からのイギリス遠征から帰国するまでに、ライザップでも何でも行ってキッチリ減量するよう通達した。

ハードコアマッチ挑戦イケメンに大歓声

葛西の上へラダーを載せムーンサルトプレス 【横田修平】

 人気沸騰中の黒潮“イケメン”二郎が挑む「イケメン試練の七番勝負」第四戦はハードコアマッチで葛西純と対戦。いつも通りのジャケット姿にヘルメットを装着して登場した黒潮は、テーブル、ラダー、イスを使った戦いに果敢にチャレンジ。ラダー攻撃で流血し、自慢のイケメンを真っ赤に染めながらも、ラダーへのムーンサルトプレスや3メートルのラダーからのテーブルクラッシュ、5メートルの巨大ラダーからのダイビングセントーンを繰り出すも、これは葛西にかわされて自爆。テーブルに背中から突っ込んでしまう。

体を張って新境地を切り拓いた黒潮に観客は大きな拍手と声援 【横田修平】

 さらに、葛西に竹串の束を額に突き刺され、ブレーンバスター、パールハーバースプラッシュ、垂直落下式リバースタイガードライバーに玉砕。だが、体を張って新境地を切り拓いた黒潮に観客は大きな拍手と声援を送った。休む間もなく、第五戦の相手には何とグレート・ムタが決定。次々と襲い掛かる文字通りの試練にも、黒潮は「W−1を明るく照らすのはオレしかいない」と、立ち向かうことを決意した。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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