【アイスリボン】 選手が語るアイスリボン横浜文体大会 それぞれの「10年目の到達点」の意味
アイスリボン5.4横浜文体大会で、メインに立つ世羅りさ(右)と優華 【スポーツナビ】
スポーツナビでは、メインイベントでICE×∞選手権試合を戦う王者・世羅りさと挑戦者の優華、女子プロレス界の“横綱”里村明衣子(センダイガールズ)にシングルマッチで挑むつくし、そして取締役選手代表の藤本つかさに大会に向けての意気込みなどを聞いた。
世羅りさ「10年目からの未来を見せる」
――横浜文体大会が近づいてきました。現在の心境は?
ワクワクしかないです。もちろん、緊張をしないと言ったらうそになりますが、過去最大のビッグマッチで、メインイベントに立てることはすごく誇りですし、みんなの代表としてメインをしっかり務めたいと思います。いい試合を見せることは常日頃意識しながらやっているので、あまり気張らずに、私らしさを出すことが大事だと思っています。
横浜文体のメインというプレッシャーのかかる舞台に立つが「私らしさを出すことが大事」と話す 【スポーツナビ】
優華は私の1年後輩で、一緒にやってきた年数も長いし、これまで特に意識をしてきた存在ではなかったけど、今回初めてシングルマッチでタイトルをかけて戦います。でも思い返せば、(紫雷)美央さんの引退試合の相手を決める試合など、大切なシングルマッチは優華としてきたなと。優華はタッグを組むよりも、戦いたい相手としてはナンバー1の存在だと思います。
そんな彼女が横浜文体の直前で、私から初めてフォール勝ちをして、引きの強さを感じます。今思えば、なるべくしてなった私の初防衛戦の相手だったのかなと思います。
――ライバルと言える存在だと?
本人には言わないですけど(笑)。優華のことは認めています。努力していることも知っていますし、私のことが気になってしょうがないのも知っています。かわいい後輩であり、負けたくない後輩。ベルトをかけて戦うにはふさわしい相手だと思っています。
――今回の大会はアイスリボンの10周年記念大会。「10年目の到達点」ということで、どんな戦いを見せたいと思っていますか?
アイスリボンがなければ、私はプロレスをやっていなかったですし、いろいろ狂った時期もありました。「デスマッチをしたい」と主張していた時期もありましたが、それでも私を見守ってくれたのがアイスリボン。最終的に私の願いを受け入れてくれて、夢が叶うための道筋を作ってくれたのもアイスリボンなので、そんなアイスリボンに育てられた世羅りさの到達点を、横浜文体でお見せできたらなと思っています。そして、アイスリボン10年目からの未来を、この試合で見せたいです!
優華「私は天下を取るしかないんです!」
「言霊」が叶い横浜文体のメインに立つことになった優華 【スポーツナビ】
あっという間に日が経ちますね。不安もありますけど、横浜文体にどれぐらいお客さんが入って、入場とかでも人がいっぱいいるのかなと思ったり、他団体から参戦される選手もいらっしゃるので、その方たちに試合を見られて緊張するところもありますけど、どっちかと言うと、楽しみでワクワクで、しょうがないですね。
――文体での試合に向けてやっていることは?
世羅りさのツイッター情報によると、『左の力が弱い』と。それで左のトレーニングをすると言っていたので、なら自分は右を強化します! エルボーを打つのも右だし、左を強化してもと思うので、自分は右を。世羅りさの倍、強化しようと思います。あと、(21日に行われた)記者会見の時に、自分の方が小さかったんです。何でかなと考えたら、ご飯をたくさん食べていないからなんです! だから世羅りさが3杯食べるなら、自分は6杯食べます!
横浜文体に向けて、「大っ嫌い」な世羅りさだけを意識していく 【スポーツナビ】
自分、昨日も世羅りさのことを考え過ぎて熱が出ました。『嫌い嫌いも好きのうち』と言う言葉もありますが、自分の場合は『嫌い嫌いは大っ嫌い』です! 絶対に、絶対に、世羅りさに関しては嫌い嫌いの大っ嫌いの、そのまた上の大っ嫌いです。
ら〜ららら〜ら〜ら〜ら〜♪ せらりさ〜は大嫌いか〜♪(と急に歌いだす)
――それは世羅選手へのメッセージソング?
世羅りさに関してならいくらでも歌えます。
(ラップ調で)世羅りさYO! 嫌いだYO! ラップだYO! YO-YO-YO! お前は私より下だよ! ヘイ、そのベルト返せよ! YO! チェケラー♪
――完成度の高い即興ソングですね(笑) そんな優華選手の“嫌い”という感情は、怒りのようなものですか? それともライバル視のようなもの?
うーん、目の前にいるのが、苛立たしいというか……。自分は前から世羅りさのことをライバル視したくても、ライバル視できなかったんです。見てくれてなかったし、世羅りさのオーラに近づけなかった。キャリアが1年しか違わないのに、『何でこんなに違うんだろう?』とずっと思っていました。
ただ、今はまったくそんなことを思っていなくて、目の前にいるのが苛立たしくて、自分よりも先にアイスリボンで一番のベルトを持ったことが嫌でした。
――嫉妬に近い感情?
はっ! 私は世羅りさに嫉妬しているんだ! そんなの嫌だ!
――キャリアも近いし負けたくないという感情ですかね?
いや、世羅りさの方が上だとは思っているし、どうしても勝てない相手でした。多分、アイスリボンのみんなも、将来のエースは世羅りさだと思っています。それはお客さんもです。
でも、世羅りさがエースだったら、私は天下を取るしかないんです! 世羅りさがアイスリボンの未来のエースなら、自分は何年かかってでも、女子プロレス界の天下を取りたい! 負けたくない!!!
――そのためにも横浜文体では世羅選手からベルトを奪いたいと?
世羅りさを超えたいし、横浜文体はアイスリボンの10周年記念ですから、そこで女子プロレス界の未来に、天下を取っているのが誰かを見せつけたいと思っています。
この試合に勝ったら、週プロ(週刊プロレス)でカラー5ページ、いや、10ページかな! あと、ベルトも取れるんだから、自分が学校を辞めた時に、「ベルトを取ったら見せに行く」という友達との約束も果たせるし、おばあちゃんにも見せられる! それに自分の猫にも、あ、横浜文体には猫が入れなくて連れて行けないから、ベルト姿を家で見せたいです! それにベルトを巻いて富士山にも登りたい! いろいろ夢がありますね。楽しみです!