【アイスリボン】 選手が語るアイスリボン横浜文体大会 それぞれの「10年目の到達点」の意味
藤本つかさ「こだわらないといけない過去がある」
――23日の道場マッチの際、さくらえみ選手が突然来場し、高橋奈七永選手のパートナーとして、対戦することが決まりました。さくら選手が参戦表明した時はどんな気持ちでしたか?
昔は当たり前のようにアイスリボンのリングにいた人なのに、違和感以外の何者でもなかったです。さくらえみさんは私のプロレス界の母親でした。でも理由も言わず、私たちを捨てて、母親は突然去っていきました。
そして、アイスリボンに「退団」という選択肢を作ってしまった人です。子供はよく見ています。母親の影響を受けるんです。だからあの時、「恨んでいます」という言葉を使いました。
――さくら選手は今回の横浜文体がアイスリボンの「最終回」だとも言っていました。
後輩たちが怯えてしまいました。でも大丈夫、アイスリボンは終わりません。終わるのはさくらえみです。
アイスリボン創始者・さくらえみ(右)が高橋奈七永のパートナーとなり、藤本と対戦する 【スポーツナビ】
「高橋奈七永=女子プロレス」だと思っています。今回、女子プロレスそのものと戦っているという気持ちでいます。そこを今の私が大事にしているベストフレンズ(中島安里紗とのタッグ)で超えたいと思っています。乗り越えるべき存在だと思っています。
――最近の高橋選手の戦いぶりを見てどうですか?
キャリアを重ねるごとに練習量が減っていく人が多い中、奈七永さんは違う。それを私は教えてもらい、しごかれてきたわけですが、キャリアを積み重ねても練習メニューを変えるわけでもないので、そこが尊敬する点でもあり、強さの秘訣なのかなと思います。
――衰え知らずだと?
衰えるどころか、どんどん若くなっていません? 昔、教わっていた頃よりも、今の方が元気です。でもそんな奈七永さんを倒すことに意味があると思っています。私は奈七永さんの指導を受けていたことが根底にありますから。
あと、試合が終わった後、奈七永さんには言いたいことがあるんです。それは試合に勝ってから言おうと思うので、楽しみにしていて下さい。
試合に勝って、奈七永に言いたいことがあるという藤本 【スポーツナビ】
普段はあまり緊張するタイプでもないし、プレッシャーをプレッシャーだと感じないのですが、ここまで追い込まれているのは初めてです。今は早く大会を成功させて、終えたいという気持ちです。大会が終わった後、私が「プロレスでハッピー」と言えるように、みなさんに見に来て欲しいです。
(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)
横浜文体で「プロレスでハッピー」を見せる 【スポーツナビ】