【新日本】棚橋、無念の撃沈…オメガが新IC王者に君臨 

高木裕美

棚橋との死闘を制し新IWGPインターコンチ王座に君臨したケニー・オメガ 【横田修平】

 14日の新日本プロレス「THE NEW BEGINNING in NIIGATA」新潟・アオーレ長岡大会では、4大タイトルマッチなどが行われ、超満員札止めとなる3603人を動員した。
 メインイベントでは、空位となったIWGPインターコンチネンタル王座をめぐり、棚橋弘至とケニー・オメガが激突。バレットクラブのセコンド介入もあり、30分近くに及ぶ死闘の末、オメガが棚橋を沈め、第13代王者に君臨した。

中邑ばりのヴァイブレーションさく裂も…

中邑の意志を継ぐべくヴァイブレーションを繰り出すも… 【横田修平】

 同王座の代名詞的存在であった中邑真輔の退団に伴い、返上されたこのベルト。バレットクラブから前リーダーのAJスタイルズを追放し、中邑から3カウントを奪って王座挑戦に名乗りを上げたオメガに対し、「オレしかいないだろ!」とライバル・中邑の意志を継ぐべく立ち上がった棚橋は、開始早々、中邑ばりのヴァイブレーションやトップロープに載せてのヒザ蹴りを炸裂。

徹底的に破壊した右腕に集中砲火

場外での鉄柵越しブレーンバスター、ムーンサルトと“路上王”の本領発揮 【横田修平】

 一方、オメガもバレットクラブのセコンドを退場させ、1対1の勝負に挑むと、3日前の大阪大会で徹底的に破壊した右肩&右腕に集中砲火。場外での鉄柵越しブレーンバスターで棚橋の右肩を客席のイス&床に打ちつけ、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのマスクをかぶっての鉄柵を使ったムーンサルトプレス。右肩のテーピングを引き剥がし、アームロックで締め上げる。

エルガン救出も…片翼の天使に撃沈

BCのアシストを受け片翼の天使で完ぺき粉砕 【横田修平】

 棚橋もドラゴンスクリューからお返しの右ヒザ攻めに転じると、場外へのハイフライアタック、テキサスクローバーホールドで勝負に出るが、何とザ・ヤングバックスの2人がリング下から飛び出し、棚橋に合体キックからインディーテイカー。オメガがバレットポーズからのスタイルズクラッシュ。なおもレフェリー失神のスキにスチールバケツを持ち出すが、そこに棚橋のパートナー、マイケル・エルガンが現れ、ヤングバックスの2人を連れ出す。
 このアシストに覚醒した棚橋は、ツイスト&シャウト、スリングブレイドからハイフライフロー2連発で勝負をかけるが、2発目をかわされ、右肩を強打。すかさずオメガが棚橋の腕、顔面へランニングニーを立て続けに3発食らわせると、片翼の天使でマットに沈めた。

オメガは歓喜の“ほうきギター”でファン挑発

上機嫌のオメガはエアギターならぬほうきギターで新日ファンを挑発 【横田修平】

 大「棚橋」コールで沸いていた会場がまさかの結末に静まり返る中、オメガは歌まで歌いながら上機嫌で英語でまくしたてると、最後には「でも、来てくれてありがとうございました」と、新日本マットでは封印していた日本語を解禁。「ザ・クリーナー」の異名の通りに、リング上に舞い降りた真っ白い紙テープをほうきで掃除し、さらには観客の神経を逆なでするかのように、エアギターならぬほうきギターを奏でた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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